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どうしても食べられない…だけど「いのちをいただく」畜産の現場で師匠が教えてくれたこと

  • 2025.10.15

まさか、君たちに会えるとは!!!

北海道を支える様々な職業のプロに一日弟子入り!
仕事の流儀やこだわりを探る仕事体験ドキュメンタリー!

HBC テレビで、毎週月~金曜ごご4:50~7:00に放送中の情報ワイド番組「今日ドキッ!」のコーナー「師匠!私を弟子にしてください」の取材をもとに、私、HBCアナウンサー・東峰優華が、気づきや北海道の魅力をプラスして、Sitakkeオリジナル連載でお届けします。

十勝地方の幕別町忠類(ちゅうるい)で放牧豚「どろぶた」の牧場に弟子入りした私。

前回、広い牧場をくまなく歩いて、ブタたちの環境を整える作業を進めた私。
体重約5倍のお母さんブタに四苦八苦しながらもなんとか午後の作業も終了しました!

すると、師匠が特別にある場所を案内してくれました。

Sitakke

かわいいー!!!!!!!!

前月に生まれたばかりの赤ちゃん豚です。
生後、わずか40日。
さっき小屋に入れたお母さんたちからは、こんなにかわいい赤ちゃんが生まれてくるんだ…

「抱っこしていいよ!」と師匠からごほうびをいただきました!

しかし…子ブタの小屋に入った途端、中にいた5頭が端に固まって震えています。
なかなか人見知りのようです…。

犬や猫と同じように抱えるように持ち上げようとしますが…近づくとものすごい勢いで逃げていきます。

ただ、こんな機会は滅多にない!!
師匠からも「がんばって持ち上げて!」という声が!

人間の赤ちゃんと同じように首を支えながら、頭と足を抱き上げ、4回目でようやく抱っこに成功しました!

Sitakke

大きさは体長80センチほど、重さは体感で4~5キロほどでした。

豚と言えば「ブーブー」と鳴いているイメージが強いと思いますが、子ブタは猫に近い高めの声で「ファーファ―」と絞り出すように鳴いていました。
かわいい…。

Sitakke

1分ほど抱っこしていると、ピョン!と飛び跳ね、逃げていきました。
驚かせてごめんね…。

だけど今日大変だったこと、疲れがすべて吹き飛びました!!!
大きな癒しをありがとう!!!

最後まで責任をもって見届けます

Sitakke

師匠の牧場では飼育から解体・販売まで行っています。
牧場の横にある、解体工場へお邪魔しました。

工場へ足を踏み入れた瞬間、言葉が出てきませんでした。

Sitakke

2日前に出荷されて食肉センターで加工された後の解体された6頭のブタたちが、お肉になって目の前に。

この状態から、職人さんたちが切り分け、スーパーでよく見るような形になり私たちの元へと届くのです。

Sitakke

さっきまで一緒にいた分、形がかわったブタたちを前に言葉が出てきませんでした。
だんだんと涙があふれます。

師匠は「さすがにこの現場を見るのは辛いよね、生きていたもんね」と話しかけてくれました。
師匠自身、「いずれ肉にするために育てているから情が入ってしまう」という理由で
ブタたちには一度も名前をつけたことはないといいます。

Sitakke

そして、師匠が大切なことを教えてくれました。

「こういう風な過程を経て多くのお客さんの所に届くっていうのが家畜の世界であって、それが食肉の命をいただくってことなのかな」

師匠!心をこめていただきます。

Sitakke

かわいいブタたちとたくさん触れ合った後に見せていただいたのが解体工場。
残酷な気もしますが、これが現実。
師匠たちは毎日向き合っています。

実はこの弟子入りのあと、私はしばらくの間、豚肉を食べることへの抵抗がありました。
今もまだ、自分で豚肉を買ってきて調理をすることはどうしてもできません。

かわいいブタたちと一緒に過ごした時間を思い出してしまうからです…。

Sitakke

でも、師匠は「ありがたくいただくことが家畜の世界」だと教えてくれました。

師匠やスタッフさんたちが愛を込めて作ってくれた、おいしいお肉。

いただく時に、抵抗感を持つのではなく感謝の気持ちを持って食べることが最大限のリスペクトなのだと思います!

生きるものの命をいただく、そこに向き合う貴重な経験をできた今回の弟子入り。
次に豚肉を食べるときには、しっかりと「いただきます!」と感謝を込めて…

Sitakke

師匠の愛が詰まったお肉が多くの人の元気の源として届きますように!

【連載】「師匠!私を弟子にしてください!」

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文|HBCアナウンサー 東峰優華
苫小牧市出身。2024年HBC入社。HBCラジオ「いっちゃんおいしいラジオ」などを担当。趣味はサッカー観戦(コンサドーレサポーター)、耳掃除、散歩。特技はスケート、ザンギ作り。Instagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年6月)の情報に基づきます。

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