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「ごめんねごめんね!」声をかけてもびくともしない!体重5倍の生き物に悪戦苦闘…

  • 2025.10.14

初の畜産業に弟子入り!

北海道を支える様々な職業のプロに一日弟子入り!
仕事の流儀やこだわりを探る仕事体験ドキュメンタリー!

HBC テレビで、毎週月~金曜ごご4:50~7:00に放送中の情報ワイド番組「今日ドキッ!」のコーナー「師匠!私を弟子にしてください」の取材をもとに、私、HBCアナウンサー・東峰優華が、気づきや北海道の魅力をプラスして、Sitakkeオリジナル連載でお届けします。

今回の舞台は、十勝地方南部に位置する幕別町忠類(ちゅうるい)!

ここで育てられているのは「どろぶた」。

Sitakke

肉質を最高のものにするため飼育期間は通常の2倍。
広大な土地を使いストレスを可能な限り少なくした放牧豚です。

今回の師匠は「松葉 孝浩(たかひろ)」さん!

Sitakke

埼玉県出身で、元々はプロを目指す実業団に所属する程のバレーボール選手!
北海道にゆかりはありませんでしたが…

帯広で食べたどろぶたの味に感動!
実際に自分で作りたい!と畜産業へ転身し、今では、社長としてエスコンフィールド7面分の牧場を管理しています。

まずは朝ごはん!

Sitakke

さあ、時刻は午前8時。
さっそく私は何の作業からするかというと…
お腹の中に赤ちゃんがいるお母さんブタたちのエサやりから始めます!

この牧場では、800頭のブタを成長具合や月齢によって複数箇所に分けて飼育しています。
生後100日以降の大人は放牧地、赤ちゃんや妊娠中のブタは小屋で生活をしているんです。

まずは、2か月後に出産を控えたブタのエサやりをお手伝いします!
エサはトウモロコシや小麦などを乾燥させて細かくしたもの。

Sitakke

これがとにかく重かった!!!!!
ひとつのバケツで約10キロ!!
ブタたちはエネルギーをしっかりとらないと力が出てきません。

ブタ1頭が一日で食べるエサの量はなんと3~5キロ!
赤ちゃんから大人までいるので一概に言えませんが、800頭いることを考えると…
ざっとこのバケツを300回ほど運ばなければいけないということに!

そんなに食べるのか…と驚きです。
このエサを毎朝、各エリアに届けます。

Sitakke

最初からいきなり力仕事!!1日体力は持つのでしょうか。
エサを運ぶだけでもヘトヘトになってしまいましたが、仕事はこれから!

大きくてこわい…

Sitakke
おそるおそる「おはよう」と話しかけてみました…

素早く3箇所のポイントにエサを用意してからまだ寝起きの豚を起こします。
この日は朝から30℃を超えていたため、ブタたちも日陰で休んでいてなかなか起きてきません。

声をかけようとするも…私よりも大きいお母さんブタたちが6頭。
こわくて触ることができません。

でもきょうは弟子!!
勇気を出して「おはよう」と声をかけてみます。

すると…
見向きもされませんでした!!!

普段は起こすとごはんの場所まで自分で移動するそうですが、真夏の暑さのせいか、いくら声をかけてもまったく動こうとしません…。

生き物が相手ですものね…この日はごはんを無理に食べさせず、日陰で休んでもらうことを優先しました。

Sitakke
ブタさんだって暑い…

というのも、ゆったり待っているヒマもないほど作業は全て時間勝負!

ひろーい牧場ですが、いつも多い日でも働いているのは師匠とスタッフさんの計3名ほど。
「いかに早く、多くのブタたちをお世話できるかが大事!」と師匠に教えていただきました。

師匠!フガフガ聞こえます…

Sitakke

次は、1頭ごとにケージで飼育されている、来月出産予定のブタ小屋の清掃を行います。

清掃を行うため、1頭ずつ区切られているケージに入ったのですが、後ろから「フガフガ」声が聞こえてきます。

お母さんブタたちは体が大きいため、声も大きいのです。
まだまだこわいですが…清掃を始めます!

ケージの中はスコップを使って掃除をしていきます。

Sitakke

中には藁が入っているのですが、その藁をかきだすイメージで!と師匠が教えてくれました。
ドアを閉めた状態で掃除を行い、ケージの入口側にまとめて一気に通路に出していきます。

掃除をせず、糞や尿が藁に付着して菌が繁殖するとブタの病気につながり、生まれてくる赤ちゃんにも影響が…。

そのため、小屋ではエサやりに加えて毎日藁の交換が欠かせないんです。
私は3か所の清掃作業をお手伝いします!

さっそく師匠に教えてもらいながら作業を進めていきますが、なかなか先に進めず緊張してしまいます。

Sitakke
ついへっぴり腰に…

ただ、豚たちには人間のこわがっている気持ちが伝染するのだそう…私がこわがると豚たちもこわがってしまう!ということで、少しずつ距離を縮めていきます。

先にエサをあげ、食べている間に掃除をするとスムーズに進むことを発見!

糞や尿の汚れはこびりついてしまい、その部分の藁がなかなかかきだせません。
ただ、しっかり取らないとお母さんたちは寝にくいので、丁寧に藁を取っていきます!

とれない時には、お母さんブタをちょっと押して場所を空けてもらいます。

「ごめんね!ごめんね!ごめんね!!」

必死で声をかけるものの、エサに夢中で避けてくれる気配はまったくなし…こわいよー!!!!!

Sitakke

というのもブタはみんな200キロサイズ。
初めて間近に対峙すると、大きさと重量感に思った以上に緊張してしまうのです。

作業開始から15分後、藁の敷き変えが終了しました!

掃除をしながら触れ合っているうちに、ちょっとかわいく思えるようになって、ブタさんたちに触れるようになりました。

そんな私を見て師匠からは「意外にセンスが良い!」という言葉をいただきました!

この調子で頑張っていきたいです!!

そして30分後…!

やっとお母さんブタたちのケージの清掃が終わりました!

ちなみに、このお母さんたちのお腹には約12~13頭の赤ちゃんがいるんです!
そんなにたくさん…それはたくさんエサを食べなきゃ元気が出ませんよね。

がんばれ!!お母さんたち!!

さて、ここまでで実は1時間と少ししかたっていないのです…うそみたいなホントの話です…。
このあと師匠が「これぞ放牧の醍醐味」」と言われた作業にも挑戦!
次回お伝えします!

【連載】「師匠!私を弟子にしてください!」

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文|HBCアナウンサー 東峰優華
苫小牧市出身。2024年HBC入社。HBCラジオ「いっちゃんおいしいラジオ」などを担当。趣味はサッカー観戦(コンサドーレサポーター)、耳掃除、散歩。特技はスケート、ザンギ作り。Instagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年6月)の情報に基づきます。

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