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現役タクシー運転手「絶対にやめて」カスハラよりも厳しいと暴露…“乗客のNG行為”に「あまりにも割にあいません」

  • 2025.10.12
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出典:photoAC(写真はイメージです)

タクシー運転手が最も恐れるトラブル。それは、理不尽なクレームでも、乗り逃げでもありません。もっと生々しく、深刻なダメージを残す「ある行為」です。多くの運転手が「これだけはやめてほしい」と口を揃える、その知られざる苦悩とは。

都内エリアで4年半のキャリアを持つ現役運転手、Aさん(2025年10月時点)がその実態を語ってくれました。

なぜ「嘔吐」が最悪なのか?収入ゼロと自腹清掃の二重苦

Aさんが真っ先に挙げたのは、意外にも暴言や暴力ではありませんでした。

「カスハラよりもお客さんに1番やめてほしいのは、車内での嘔吐です」

確かに不快な出来事ではありますが、なぜそれがカスハラよりも深刻なのでしょうか。Aさんは続けます。

「金銭的な実害と言えばこちらが最悪。その日はもう営業できず収入はゼロになりますし、清掃も全て自分でやらないといけない。業者に頼むと5万円くらいかかりますからね」

「嘔吐被害」という言葉だけで、思わず顔をしかめたくなります。しかし、Aさんにとってそれは感情の問題だけではなく、生活を直撃する経済的損失でもありました。

Aさんはさらに、別のケースについても触れます。「酔って寝込まれるのも同じで、警察を呼ばないと対処できず、その間は1円にもなりません」

時間と収入、どちらも失われる。それが嘔吐が「最悪のトラブル」と呼ばれる理由だったのです。

「吐く前に言って」泥酔客との攻防、そして残された3,000円

そんなAさんには、忘れがたい出来事があります。

「先日、泥酔した女性を含めた男女4人が乗ってきたんですが、もう明らかにヤバそうで。『吐かれたら困るんで、1度降りてもらっていいですか』と声をかけた、まさにその最中に『ペロッ』とやられたんです」

Aさんの当時の虚しさが伝わってきます。

「さすがにカッとなって『この時間お金稼げないんですけど、どうしてくれるんですか!』と強く言ってしまいました」

普段は冷静なAさんも、さすがにこのときばかりは感情を抑えきれなかったといいます。では、相手はどう対応したのでしょうか。

「結局、清掃代として3,000円いただいただけでした。清掃の時間と手間、失った売上を考えると、あまりにも割にあいません」

清掃を自分で行い、営業できない時間や損失を考えれば、3,000円はあまりにも少ない金額です。

補償はなし、交渉は自分次第…業界のグレーな現実

こうした被害に対して、Aさんの勤務先から補償はあったのでしょうか。Aさんの答えは厳しいものでした。

「私の勤めている会社では、補償は基本的にはありません。お客さんから清掃費をどう交渉するかは運転手次第です」

だからこそ、Aさんは乗客への理解を求めます。

「もし気分が悪くなったら、我慢せずに『袋をもらえますか』『少し停めてください』と正直に伝えてもらえるだけで、本当に助かるんです。たったそれだけの声かけで、防げるトラブルがたくさんあるんですよ」

嘔吐は一瞬の出来事です。でも、その後に残るのは、強烈な臭気と拭っても拭いきれない疲労感。それを1人で背負わなければならないのが、タクシー運転手という仕事の厳しさでもあります。

吐く前に伝える。 たったそれだけのことが、運転手を救うのです。

ほんの少しの配慮が生む信頼関係

楽しいお酒の席の帰り道、その余韻のままタクシーに乗り込むこともあるでしょう。でもほんの少しの配慮が運転手を救うことになります。

次に酔ってタクシーに乗るときは、自分の体を気遣うのと同じくらい、運転手のことも気遣う気持ちを持ちたいものです。快適な移動は、そんな「思いやり」と「信頼」から生まれるのですから。


取材協力:タクシー運転手Aさん
4年半のタクシー運転手経験を持ち、都内エリアで勤務している(2025年10月時点)


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