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工夫して10秒で計算してみて!「97+64−97×64÷97」→暗算できる?

  • 2025.11.11
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ややこしく見える式でも、ちょっと視点を変えるだけで、案外簡単に答えを出せる場合があります。

今回出題する式も、工夫次第で簡単に暗算ができますよ。

ぜひ、頭を柔らかくして挑戦してみてください。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
97+64−97×64÷97

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「97」です。

この問題、パッと見ると、二桁の掛け算や割り算に目を取られて混乱してしまうかもしれません。しかし、注目してほしいのは、別の部分です。式の中に「ある特徴」が見えませんか?

次の「ポイント」では、この式ならではの特徴を使った計算の工夫を紹介します。

ポイント

この問題のポイントは、「繰り返し登場している数をうまく使うこと」です。

問題の式をもう一度見てください。

97+64−97×64÷97

97と64が交互に登場していますね。このように同じ数が多い計算式は、効率的な計算方法が見つかる可能性が高いです。

では、具体的にはどうすればよいか見ていきましょう。

掛け算と割り算を一緒に計算する

まず、この式では、足し算の前に掛け算と割り算をします。これは、計算順序のルールで、そう決まっているからです。

<計算順序のルール>
次の順序で計算します。
1.括弧の中※()や{}などの種類があります。
2.掛け算・割り算
3.足し算・引き算

※同じ優先順位の計算がある場合は、左から計算します。

しかし、今回の問題では、二桁どうしの掛け算を計算してから割り算をしようとすると、かなり時間がかかってしまいます。

そこで、掛け算と割り算をひとまとめの計算としてみてみましょう。

97+64−97×64÷97

掛けられる数と割る数が同じ97になっているのが分かります。このようにa×b÷aの形になっている計算では、答えは必ずbになります。

a×b÷a
=b

※この式が成り立つ理由
a×b÷a
=(a×b)/a←aで約分できる
=b/1

よって、掛け算と割り算をした後の答えは64になります。

97+64−97×64÷97
=
97+64−64

引き算を先にする

次は、97+64の前に、64−64を計算してしまいましょう。同じ数から同じ数を引いているので、この部分の答えは0です。すると、残るのは97だけですね。

97+64−64
=97+(64−64)
=97+0
=97

これで答えが出ました。

引き算を先に計算してもよい理由

左にある足し算よりも先に引き算の計算をするのは、計算順序のルール違反(同じ優先順位の計算がある場合は、左から計算)に反しているように見えるかもしれません。

しかし、次の結合法則を使える場合には、計算順序は自由に変えられるのです。

<結合法則>
順序をかえて計算しても、答えは同じになるという法則
(〇+▲)+■=〇+(▲+■)←括弧をどこに付けて計算してもよい

結合法則は、足し算と掛け算にのみ使えます。−64は引き算ですが、+(−64)と変形することで結合法則が使えるようになります。

97+64−64
=97+64+(−64)
=97+{64+(−64)}←結合法則で計算順序を変える
=97+0
=97

まとめ

今回の問題では、式の中で同じ数が繰り返されているという特徴をうまく使うと、楽に計算できました。

記事の中で紹介した方法を自分で考えるのは難しいと感じる人もいるかもしれません。しかし、計算に慣れてくると、だんだん「ここはこういう形で計算した方が簡単かも」という道筋が見えてきます。

計算の工夫ができるようになると、複雑な計算を避けられるので、問題の正解率も上がります。ぜひ、他の暗算問題にもチャレンジして、工夫のバリエーションを増やしていきましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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