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これどうやって計算するか覚えてる?「四角錐(しかくすい)の体積は?」→正しく計算できる?

  • 2025.11.10
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立体の体積を求めるには、体積の公式だけでなく、面積の公式も必要になる場合があります。

今回は、四角錐の体積を求めてみましょう。

図に書き込まれた長さをどう組み合わせたら、答えが出せるでしょうか?考えてみてください。

問題

次の四角錐(底面は正方形)の体積を求めなさい。
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解答

正解は、「64cm3」です。

この問題に正解するには、四角錐の体積の公式に加え、正方形の面積の公式も必要になります。

では、次の「ポイント」で、二つの公式とその使い方についてみてみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「底面積をどう求めるか」です。

四角錐の体積の公式は、「底面積×高さ÷3」です。

この四角錐の底面積は、正方形になっています。正方形の面積の公式といえば、「一辺の長さ×一辺の長さ」で覚えている人も多いでしょう。

しかし、今回の図では、正方形の一辺の長さは分かっていません。底面の正方形について分かっているのは、対角線の長さが8cmだということだけです。

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実は、正方形の面積は、対角線の長さ×対角線の長さ÷2でも求められます。

どうしてこうなるのかは、次の図を見ると分かります。

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正方形の対角線二本は長さが等しく、垂直に交わります。よって、正方形を対角線で切ると、四つの直角三角形ができます。

これを正方形の周りに配置すると、対角線の長さが一辺の長さとなる正方形ができます。この正方形の面積は、元の正方形の面積の2倍になっています。よって、対角線の長さ×対角線の長さ÷2で、もとの正方形の面積が求められるのです。

なお、対角線の長さ×対角線の長さ÷2は、ひし形の面積の公式でもあります。正方形はひし形の一種なので、ひし形の面積の公式も使えるのだと覚えておいてもよいでしょう。

では、対角線の長さを使って、四角錐の底面積を求めてみましょう。

8×8×1/2=32cm2

次に、この底面積を四角錐の体積の公式に当てはめて計算します。高さは6cmなので、次のように計算ができます。

32cm2×6cm÷3=64cm3

このような問題では「対角線の長さを一辺の長さとして計算する」「体積の計算で3で割るのを忘れる」ようなミスをする可能性がありますので、注意してくださいね。

まとめ

四角錐の体積を計算するには、まず底面積を求める必要があります。

底面が正方形の場合、正方形の一辺の長さではなく、対角線の長さしか分からない問題も多いです。このようなときは、ひし形の面積の公式「対角線の長さ×対角線の長さ÷2」を使って、底面積を求めましょう。正方形は、ひし形の一種でもあるので、この面積の公式が使えます。

立体には他に円錐や円柱、四角柱などがありますが、これらの体積を求める際にも底面積を正しく求める必要があります。体積の問題を攻略するためにも、まず面積の問題に強くなりましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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