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「すごすぎてびっくり」「待ってました」冒頭から“刺激強め”な初回放送、2年前に続くシーズン2も好評の声【水ドラ25】

  • 2025.10.4

俳優の駒木根葵汰と新原泰佑がW主演を務めるテレビ東京系 水ドラ25『25時、赤坂で Season2』は、芸能界という苛烈な舞台を背景に、ふたりの若手俳優・羽山麻水と白崎由岐の恋模様を描くボーイズラブドラマだ。2023年春に放送されたシーズン1では、劇中劇『昼のゆめ』の共演をきっかけに関係を深めていったふたりが、ようやく結ばれるまでが丁寧に描かれた。そしてシーズン2では、そんな麻水と白崎が恋人同士になったその先が描かれていく。待望の1話、SNS上でも「冒頭から刺激強め」「すごすぎてびっくりした」「待ってました!」と好評の声が多い。

※【ご注意下さい】本記事はネタバレを含みます。

結ばれたからこそ始まる、新たな試練

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(C)「25時、赤坂で Season2」製作委員会

ドラマ、とくにラブストーリーものの世界では、恋人になるまでが“ピーク”であり、その後の関係をどう描くかが作品の真価を問う。つまり、これは視聴者にとっても、そして物語のなかに生きるふたりにとっても、“売れ続ける”ことが問われるフェーズなのだ。

朝5時から仕事を控えた麻水のもとへ、深夜1時にやって来た白崎。甘く熱い一夜を過ごし、翌朝には玄関で「行ってらっしゃい」とキスで送り出す。何気ない“恋人の日常”が描かれるが、それがいかに危うく、儚いものであるかを視聴者はすぐに思い知ることになる。

なぜなら後日、その甘いひと時をマネージャーの明野(片山萌美)に目撃されることになるからだ。

シーズン1でふたりが幾多の障害を乗り越え、ようやく結ばれたことを知っている視聴者にとって、この“危機”はふたたび物語に波が立ち始めたことを予感させる。そして、それは単なるラブストーリーの波ではない。人気商売の残酷さや芸能界のルール、そして秘密の恋愛という、何層もの複雑なレイヤーが重ねられた試練なのだ。

『昼のゆめ』と『25時、赤坂で』“劇中劇”が重ねる鏡像

さらにおもしろいのは、シーズン1同様に、この構造が本編と“劇中劇”の二重構造で語られていることだ。

『25時、赤坂で』シーズン1の物語は、白崎と麻水が共演した劇中劇『昼のゆめ』の撮影が始まり、無事にクランクアップして大成功を収めるまでが一連の流れとなっている。シーズン2でも『昼のゆめ』の続編スペシャルドラマが制作されることが決まり、ふたたび麻水と白崎が役者として交わる場が設けられる。

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(C)「25時、赤坂で Season2」製作委員会

この構造が示すのは、“本編=現実”と“劇中劇=フィクション”という単純な対比ではない。むしろそれぞれが互いに影響を与え、現実と虚構の境界を揺るがすように絡み合っていく。『昼のゆめ』の続編が動き出したことで、麻水と白崎もまた、恋人でありながら共演者だという複雑な関係性のなかに、ふたたび放り込まれることになるのだ。

そしてここに、“売れ続けることの難しさ”というテーマが重なってくる。劇中劇としての『昼のゆめ』も、シーズン2という“続編”のフェーズに突入する。恋愛も、作品も、そして俳優としてのキャリアも、続けることこそが真の戦いなのだ。この物語は、その現実をどこまでもリアルに描いている。

駒木根葵汰と新原泰佑:俳優本人にも重なる物語

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(C)「25時、赤坂で Season2」製作委員会

白崎がひとりで横断歩道に立ち、広告看板に映る麻水の写真を見上げるシーン。これはシーズン1第1話の冒頭とまったく同じ構図だが、そこには大きな変化がある。あのころは、白崎は“まだ売れていない俳優”だった。しかしいまや、彼もまたソロで写真撮影されるような存在となったのだ。

つまり、ドラマのなかで“売れ始めた”白崎は、そのまま俳優・新原泰佑の姿とも重なる。彼自身も、これまでさまざまな作品を通して注目を集めるようになった若手俳優のひとり。そして麻水を演じる駒木根葵汰も同様に、この作品を代表作の一つとして、キャリアを築きつつある。

「売れるのは難しい。けど、売れ続けるのはもっと難しい」

この言葉は、麻水と白崎だけでなく、彼らを演じる駒木根と新原自身、そして『25時、赤坂で』という作品自体にも向けられたもの。だからこそ、シーズン2の幕開けでこのセリフが放たれたことには、大きな意味がある。

メタ構造を楽しむための、視聴者への“参加要請”

ここまで見てきたように、シーズン2第1話は、ただのラブストーリーの続編ではない。物語の構造そのものが“メタフィクション”として設計されており、視聴者もその仕掛けに自ら参加することを求められている。

たとえば、白崎が住んでいるアパートのセキュリティ問題が、まさに次のトラブルの伏線となっている。夜な夜な、または早朝からキスを交わす玄関先という“舞台”は、あまりにも危うく、スキャンダルの火種としても機能してしまうだろう。

この“スリル”こそが、視聴者の視線を引きつけてやまないポイントだ。秘密の関係がバレるかもしれないというドキドキ、相手を想うがゆえの無防備さ、芸能界のルールとの衝突。それらすべてが、“ふたりの恋愛を見守りたい”という視聴者の欲望を心地よく刺激する。

『25時、赤坂で』シーズン2は、続けていくことの難しさ、そして共存する美しさと残酷さを描こうとしている。

麻水と白崎は、恋人になった。けれど、そこがゴールではない。続けること、愛し合い続けること、俳優として生き抜くこと。そのすべてが物語の核心に据えられたいま、彼らはこの先どういう選択をしていくのか。

きっとこのドラマは、劇中劇『昼のゆめ』とともに、“夢の続きをどう生きるか”という、普遍的なテーマに挑もうとしているのだ。


テレビ東京系 水ドラ25『25時、赤坂で Season2』毎週水曜深夜1時

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_