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「体力的にも精神的にも苦しい」それでもなぜ舞台に立つのか アナウンサーが演劇に初挑戦【実践レポ⑥】

  • 2025.9.17

札幌の「ジョブキタ北八劇場」で開かれている演劇ワークショップ。
HBC演劇エンタメ研究会(略してエンケン)会長の堰八紗也佳(せきはち・さやか)アナウンサーが、「表現の幅を広げたい」と、自ら志願して参加しています。

Sitakke

演劇に熱い思いを向ける人々の思いとは。演劇を学ぶことで、何が見えてくるのか。
堰八アナとSitakke編集部IKUがシリーズでお伝えしています。

第1回からワークショップでの驚きや難しさをお伝えしてきましたが、堰八アナはオーディションに合格!
9月19日から21日に、札幌の「ジョブキタ北八劇場」で上演される『天国への会談』への出演が決定しました。

今回は、本番直前に迫った稽古の様子をお伝えします。

自信を持って「おもしろい」

エンケン会長で、HBCアナウンサーの堰八紗也佳です。

『天国への会談』、上演まであと数日となりました。
私は天界の使者・ルカの役にダブルキャスト(公演期間中、2人の役者が交代で同一の役を演じること)で選ばれ、全6ステージのうち3ステージに出演します。

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『天国への会談』ストーリー

ある日曜日の夕方、喫茶「楽園」では、常連客である草野球チーム「柴又バッガーズ」の幼馴染み5人組が、今日も試合に負け、責任の擦り合いをしている。

そんな中、突然の事故によって、5人全員がこの世を去ることになり、天国でも地獄でもない、天界の分岐点に行ってしまう。
そこに、得体の知れない天界の使者ルカと手下の赤・黄・青が現れ、5人に天国と地獄を話し合いで決めろと言う。

しかも、天国に行けるのは4人。残る1人だけが地獄。お互いをよく知る5人は、戸惑い、混乱し、極限状態に追い込まれながら、究極の選択をすることに…。

果たして5人の運命はいかに!?

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ワークショップ講師の納谷真大(なや・まさとも)さんは「戯曲はあくまでも設計図です。これを3Dとして立ち上げたときにおもしろくなればいいんです。」と言います。
この言葉どおり、稽古が進み、動きやセリフが立ち上がっていくとともに、自信を持って「これはおもしろい!」と言える作品になっていることを感じています。

毎日の稽古は、体力的にも精神的にも苦しいものがありますが、それ以上に“このチームでおもしろいものを創り上げたい”という思いに奮い立たされ、刺激的な毎日を過ごしています。

私は憑依型?!

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左側が堰八アナ

本格的な稽古が始まってからの私は、寝ても覚めてもずっと演劇のことが頭から離れず、不安に襲われていました。憧れの演技ができる喜びとともに、自ら飛び込んだ未知の世界についていくのが精いっぱいで、焦る日々…。

この不安を払拭して本番を迎えるためには、私は他の人の何十倍も努力して、食らいついていくしかないんだ…!

そんな心境の中、忘れもしない8月30日の稽古で、私は不思議な体験をしました。

この日は、“壊れたルカが復活する”という、ルカにとって特に重要なシーンの稽古。
畳みかけるような長いセリフが繰り返されます。

自分自身と、そのシーンでのルカの“焦り”の心情が重なったのでしょうか。
とにかくもう無我夢中で演じていました。

セリフは少々間違えていたらしいのですが、そんなこと全く気づかずに…。

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終わったあとは、かなりのエネルギーを消耗した感じで、グッタリ…。
午後10時に稽古が終わって、夜空を見上げながら「今日は特に疲れたけれど、なんかすごく楽しかったし、気持ちよかったな~」と振り返りながら帰宅したのですが…。

翌日、稽古に行くと、思いがけず納谷さんからお褒めの言葉をいただきました。
「昨日のあの演技、素晴らしかったです。堰八さんは、きっと憑依型の俳優さんなんですね…。あの瞬間、堰八紗也佳さんはいませんでしたよ」

確かに、あのとき私は、いつの間にか、物語の中に入り込み、天界の使者・ルカとして本当に存在しているような感覚になっていたのです。

納谷さんは、「何度もきのうの動画を見返しました。どこでスイッチが入ったんだろうとか考えながら…。長年、俳優をやっていても、なかなか辿り着けないゾーンだと思う。本当に感動した。夢にまで出てきましたからね(笑)。あの体験を一度でもできたことは凄いことだと思う。ああいう状態になると、身体の動きも自然で気にならないんですよ。この先、迷ったり困ったりしたときは、あそこを目指すといいですよ」と話してくれました。

この言葉に、私は心が救われました。
努力をすれば、私の中にも“俳優としての可能性”みたいなものがあるのかもしれない。不安を感じずに、遠慮せずに、思い切って演劇に挑戦していいんだ!と思うことができました。

ダブルキャストならではの演出も

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左から堰八アナと五十嵐みのりさん

今回、ルカはダブルキャストで、全6ステージのうち3ステージで私、ほか3ステージではフリーの舞台俳優・五十嵐みのりさんが演じます。

実は、唯一違う演出がついているシーンがあります。私には“アナウンサーであることを最大限に生かす演出”が付いているのです。これも、楽しんでいただけるポイントのひとつだと思います。

また、逆にアナウンサーとしては考えられないような荒々しい言葉を遣ったり、悪態をついたりする場面もあります。そういう役柄なので、嫌いにならないでくださいね(笑)

心が技術を上回ったときに、人を打つ。
納谷さんからいただいた中で、最も印象に残っていることばです。
この言葉を胸に、精一杯演じ切ります!

『天国への会談』

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日程

2025年9月19日(金)〜9月21日(日) 全6ステージ

・9月19日(金)午後2時~/午後7時~
・9月20日(土)午後1時半~/午後6時半~
・9月21日(日)午後1時半~/午後6時半~

※開場は開演30分前 ※チケット受付開始は開演45分前

チケット

ご予約の際は、予約フォームにある注意事項をご確認ください。

前売・当日共通〔自由席〕
・一般:3500円
・25歳以下:2000円
・中学生以下:1000円

※未就学児入場不可
※割引料金対象の方は当日、身分証明書をお持ちください
※車椅子の方は事前に劇場までご連絡ください

キャスト(ダブルキャスト、トリプルキャストあり)

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●テツ:梅原たくと
●バク:本庄一登
●チー坊:菊地颯平
●ケン:神成悠平、向山風汰
●石井:川口柊、寺岡玲音

●ルカ:堰八紗也佳、五十嵐みのり
●赤:志田杏樹
●青:小野寺愛美
●黄:内崎帆乃香

●上の者:上總真奈
●使者:松崎心柊、森谷宏平、櫛引ちか
●姉:小林マリアーネ美月、戸舘葵、山田葵
●妹:駒津花希、戸舘葵、那須梨杏、山田葵
●カップル男:川島靖史、丹治武琉、保志拓音
●カップル女:エノモトナルミ、大川原歩、駒津花希

※各キャストの出演回は、画像もしくはホームページからご確認ください。
堰八アナは、①19日(金)午後7時~、②20日(土)午後1時30分~、③21日(日)午後6時30分~の回に出演します。②の回では、アフタートークにも登壇します。

◆HBC演劇エンタメ研究会

◆文:エンケン会長/HBCアナウンサー・堰八紗也佳
◆編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は記事執筆時(2025年9月)の情報に基づきます

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