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「まるで秘密基地!」地下深くに潜った先にあるのは…?ワクワクしながら歴史も学べる北海道・夕張の石炭博物館【しろまるドライブ寄り道】

  • 2025.9.4

WEBマガジンSitakkeで連載中の、ちょっと“距離感”がおかしい道民、白丸あすかが描く漫画『しろまるほっかいドライブ~白丸さんは距離感がおかしい〜』から、寄り道スポットをご紹介します。

今回のドライブでは、富良野を中心にぐるっと内陸ドライブしましたが、その中で訪れた寄り道スポットをご紹介します。

寄り道スポットNo.07 夕張市「石炭博物館」

Sitakke読者の皆さまこんにちは。
旅好き北海道民のしろまるです。

本コーナーは道内をドライブする連載企画『しろまるほっかいドライブ~白丸さんは距離感がおかしい~』の作中において登場したスポットを掘り下げて紹介する寄り道コーナーとなっております。ちょっとディープな北海道の世界へご案内!

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北海道の真ん中を満喫するべく、“へそのまち”富良野を出発したしろまるは、空知の山あいにある夕張市へやってきました。今やメロンの産地として全国的に名を馳せる夕張ですが、この町を語るうえで欠かせない要素は他にもあります。

それはかつての夕張、そして北海道を支えた石炭鉱業です。

夕張をはじめとする空知の「炭鉱」、室蘭の「鉄鋼」、小樽の「港湾」の3つは「炭鉄港(たんてつこう)」と呼ばれ、北海道の発展に寄与した近代産業遺産群として歴史的価値のある存在です。今回は夕張市の「石炭博物館」を寄り道スポットとしてご紹介します!

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夕張インターで道東道を降りてJR石勝線の夕張支線跡に沿って北上していくと、市街地の最奥部に石炭博物館があります。復元された立坑櫓(やぐら)がトレードマークの建物に入りチケットを購入しますが、この時にお土産が欲しい方は隣の売店で買い物を済ませておくのがオススメです。(この博物館は出口が全然違う場所にあるため)

お買い物を済ませたら、見学スタートです!順路の序盤にある常設・企画展示コーナーでは、炭鉄港と夕張の歴史について知ることができます。

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常設展示の様子

炭鉱とともに発展を遂げた夕張市には、1960年頃をピークに約12万人が暮らしていました。床一面に貼られた昔の航空写真によると、今しろまるがいる博物館の周りにも駅や住宅が所狭しと建ち並んでいたようです(あとで外に出たら景色を見比べてみよう)。

常設展示コーナーを抜けると「立坑ケージ」と書かれたエレベーターがあります。これは炭鉱で働く人たちが実際に乗っていたケージを再現したもので、来館者は地下1000mまで一気に下降……したかのような雰囲気を、光と音の演出で楽しむことができます。さながら遊園地のアトラクションです。

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エレベーターを降りた後に見られる地下展示室では、炭鉱での作業風景がリアルなマネキンによって展示されています。

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地下展示室は歩みを進めるにつれて時代が移り変わる仕様となっていて、採掘作業が段々と近代化・機械化されていく経過を視覚的に学べます。 最新の採掘技術コーナーまで到達すると、いよいよ石炭博物館の神髄である「模擬坑道」の展示エリアに入ります。

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模擬坑道の入口

往年の風格を感じるレンガ造りの入口が美しい模擬坑道は、実際の石炭層に触れることができる本物の坑道です。炭鉱の新人教育や皇族の視察にも使われ、国指定の有形文化財に指定されています。

2019年に坑道内で火災があり長らく非公開となっていましたが、今年(2025年)の春から再び中に入れるようになったとの報を受け、ぜひほっかいドライブで立ち寄ろうと前々から計画を立てていました。さっそく中を見ていきましょう。

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地下に作られた秘密基地へ潜入するかのような気分に浸りながら、階段で奥へ奥へと降りていきます。

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こちらは炭層の傾斜に合わせて上下の坑道を斜めに結んでいる「採炭切羽(さいたんせっぱ)意味:採掘現場の最前線」です。狭いトンネル内に天井を支える鉄柱がズラリと並んでいて、掘り出した石炭がコンベアーによって運ばれる様子が再現されています。

採炭切羽の展示を一番下まで降りきったところにある坑道掘進の展示では、本物の石炭層に直に触ることができます。

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エネルギー資源として重宝されていた石炭はかつて「黒いダイヤ」と呼ばれていましたが、こうして黒く輝く実物を目の当たりにすると本当に宝石のようにも思えてきます。火災を乗り越え貴重な展示を再開していただいた石炭博物館の関係者の方々には本当に感謝です。

また、坑道見学に際してもうひとつ正直な感想を述べるとすれば……

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地下空間特有の天然クーラーが超優秀だというポイントです。しろまるが夕張を訪れた日は真夏日だったのですが、坑道内はむしろ寒すぎるくらいでした。低温が苦手な方は羽織るものを1枚持っていたほうがいいかもしれません。

最後は「希望の階段」と書かれた階段を地上の光に向かって登って出坑します。 出口までの80段を一歩一歩踏みしめながら、夕張と炭鉄港が支えた北海道の歴史を胸に刻みましょう。

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出口は駐車場の近くにあるため、帰りはすぐ車に乗りこむことができました。お疲れ様でした。

(それにしても……外暑ッ!!!)

今回のドライブコース

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夕張市「石炭博物館」

住所:北海道夕張市高松7番地
TEL:0123-52-5500
営業時間:
9月まで 午前10時~午後5時
10月まで 午前10時~午後4時
定休日:
火曜日(GW,お盆,祝日を除く)
冬期(11月上旬~4月下旬)

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文・絵:白丸あすか
編集:Sitakke編集部YASU子

※掲載の内容は取材時(2025年7月30日)の情報に基づきます

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