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注文住宅を建てた30代男性「失敗しました…」入居後、襲われた“まさかの大誤算”【一級建築士は見た】

  • 2025.9.29
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※GoogleGeminiにて作成(イメージ)

Hさん(30代・男性・夫婦+子ども2人)は、大手ハウスメーカーで念願の注文住宅を建てました。間取りもデザインも家族の希望を反映し、“これからの生活が楽しみで仕方ない”と胸を膨らませていました。

しかし、暮らし始めてから直面したのは、想定外の「隣人トラブル」でした。

「家は理想通りなのに…」

入居後、Hさん一家を待っていたのは、思い描いていた理想の暮らしとはまったく違う現実でした。

「夜遅くまでの騒音や庭から流れてくるタバコの煙に悩まされ、子どもが庭で遊ぶと“うるさい”と苦情を言われます。気を遣いながらの毎日で、“この場所を選んでよかったのか”と後悔するようになりました。」

間取りや収納、デザインは希望通りで不満はありません。しかし、暮らしやすさを左右したのは“建物の出来栄え”ではなく、“隣人との関係”だったのです。

「理想の家を手に入れたつもりが、心からくつろげる場所にはならなかった」
Hさんのケースは、決して特別なものではありません。新築購入者が直面する“近隣ガチャ失敗”の一例なのです。

なぜ“隣人トラブル”は起きるのか?

新築戸建て、とりわけ注文住宅を建てるとき、多くの人は「建物」に意識を集中させます。

間取り、収納、動線、デザイン、外観……。膨大な打ち合わせや検討事項があるため、周辺の住民や近隣環境に目を向ける余裕がなくなるのです。

土地を購入する段階でも、隣人の生活スタイルや価値観を知る機会はほとんどありません。不動産会社も、物件の魅力や価格、利便性については丁寧に説明しますが、「隣にどんな人が住んでいるか」までは保証できないのが実情です。

特に新興住宅地や郊外の開発エリアでは、同時期に多くの世帯が引っ越してくるため、入居前に“隣人がどんな人か”を把握するのは困難です。

終わりが見えない“隣人トラブル”の厄介さ

“隣人トラブル”の厄介さは、建物の欠陥と違って修理や改善で簡単に解決できない点にあります。

  • 騒音問題は、相手の生活リズムに依存するため、こちらが対策しても限界がある
  • 匂いや煙といった生活習慣の違いは、構造物で完全に遮断するのが難しい
  • 子どもの声など、価値観が分かれる問題は話し合いでも平行線になりやすい

その結果、家そのものには何の不満がなくても「家に帰りたくない」と感じるほど精神的に追い詰められる人もいます。実際にHさんも「売却を考えるほどつらい」と打ち明けていました。

理想の家が、心身をすり減らす場所に変わってしまう――これこそが“隣人トラブル”なのです。

購入前にできることは?

完全に“隣人トラブル”を避けることはできません。しかし、リスクを減らすために事前にできる方法はいくつかあります。

昼夜・平日と休日に現地を調査する

昼間は静かでも夜になると騒音が増える地域もあります。曜日や時間帯を変えて何度も足を運ぶことで、生活環境のリアルな雰囲気を把握できます。

不動産会社に確認する

不動産会社は購入者とのトラブルを避けるため、隣人や周辺環境についてある程度把握していることがあります。また、隣地の用途や将来の開発計画といった、プロでしか分からない情報もあります。購入前にしっかり確認しておくことが重要です。

境界や敷地条件をチェックする

駐車場の位置や庭の配置など、トラブルの芽になりやすい要素をあらかじめ確認しておくと安心です。

“建物だけ”では家づくりは完成しない

Hさんの後悔は、多くの新築住宅購入者に共通する教訓を示しています。

人生で最も大きな買い物のひとつである「家」。間取りやデザインにこだわることはもちろん大切ですが、実際に日常生活を左右するのは「隣人や地域との関係」です。

“隣人トラブル”は、理想の住まいを一瞬で後悔に変えてしまいます。
完全に避けることはできなくても、事前の調査や情報収集でリスクを減らすことは可能です。

理想の家づくりにおいて、本当に大切なのは「建物+周辺環境」という両輪を見極めること。それが、暮らしの満足度を左右する最大のポイントなのです。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。