1. トップ
  2. 駅直結、念願のタワマンを購入も「禁止されていました…」入居後、すぐに発覚した“まさかの落とし穴“【一級建築士は見た】

駅直結、念願のタワマンを購入も「禁止されていました…」入居後、すぐに発覚した“まさかの落とし穴“【一級建築士は見た】

  • 2025.9.28
undefined
出典元:ChatGPT(イメージ)

Mさん(40代・女性・夫婦+子供2人)は、共働き夫婦で念願のタワマンを購入しました。駅直結の便利な立地、充実した共用施設、資産価値の期待――どれをとっても魅力的で、「ここなら快適に暮らせる」と信じて疑いませんでした。

盲点だった“管理規約“

入居後すぐ、Mさんはある事実に気づかされます。

「ベランダに洗濯物を干すことが禁止されていました。管理規約にそう書かれていて…。でも、モデルルームを見学したときも営業担当の説明でも、一言もありませんでした。タワマン生活にこんな“落とし穴”があるなんて、想像もしていませんでした。」

日々増えていく洗濯物を前に、Mさんは思い描いていた暮らしと現実とのギャップに悩まされています。

見えないルール――なぜ洗濯物を干せないのか?

タワマンでベランダ干しが禁止される背景には、いくつかの理由があります。

強風による落下リスク

高層階は想像以上に風が強く、突風やビル風で洗濯物が一瞬にして飛ばされることがあります。ハンガーやピンチごと飛んでいけば、下にいる人や車に当たり、大きな事故やトラブルにつながる危険性があります。実際に「ベランダからの落下物でけがをした」といった苦情が寄せられるケースもあり、管理組合としては厳しく制限せざるを得ません。

景観・美観の維持

タワマンは、都市部の景観を象徴する建築物として扱われます。外壁がガラスやタイルで統一され、夜にはライトアップされるなど、その美観が大きな魅力となり資産価値を支えています。ところが各家庭が自由に洗濯物を干してしまうと、統一感のある外観は一気に崩れてしまいます。広告にも「美しい外観」が強調されるタワマンだからこそ、管理規約で「外干し禁止」と定められるのは自然な流れといえます。

避難経路の確保

もうひとつ見逃せないのが安全上の理由です。ベランダは火災や地震の際に避難通路として機能するよう設計されています。しかし、そこに大量の物干しや洗濯ラックが常設されていると、いざというときに避難が妨げられ、命に関わる事態を招きかねません。

このような事情から、現在ではタワマンの多くで「外干し禁止」が管理規約に明記されています。もはや例外的なルールではなく、むしろ標準仕様と言っても過言ではありません。

Mさんの後悔――「想像以上の不便を痛感」

実際の生活に入ると、Mさんは想像以上の不便を痛感しました。

「子どもが小さくて洗濯物が多いのに、外に干せないのは本当に困ります。」

「浴室乾燥機を毎日使うと電気代が跳ね上がりますし、部屋干しをすると湿気でジメジメしてしまって。」

「においやカビの心配もあるし、結局、乾燥機付き洗濯機を買い替える羽目になりました。」

「駅近で便利」という期待とは裏腹に、「洗濯」という毎日の家事がこれほど大きなストレスになるとは思っていなかったといいます。

「想定外の後悔」を避けるには

では、Mさんのように「想定外の後悔」を避けるにはどうすればよいのでしょうか。

入居前に管理規約を確認する

モデルルームの豪華さや立地条件だけでなく、管理規約を読み込むことが重要です。営業担当者が触れないポイントこそ、生活に直結する制約になり得ます。

室内干しの環境を整える

浴室乾燥機や除湿機、室内物干し用のスペースを活用すれば、外に干せなくても一定の対応は可能です。最近では「ランドリールーム」を標準仕様にするマンションも出てきています。

乾燥機付き洗濯機の活用

光熱費はかかりますが、梅雨や花粉シーズンにも対応でき、結果的に家事のストレスを減らせます。

“生活の細部”に潜む落とし穴

タワマンは快適さや利便性で人気を集めますが、生活の基本となる家事に思わぬ制約を抱えていることがあります。

特に「洗濯物問題」は、実際に暮らし始めてから気づく典型的な落とし穴です。
夢の住まいが後悔の種にならないためには、立地や価格だけでなく、管理規約や日常の生活動線まで確認することが欠かせません。

人気タワマンが必ずしも“暮らしやすい住まい”とは限らない――。
この現実を知ることこそが、家族にとって後悔しない住まい選びへの第一歩になるのです。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者) 地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。