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万博のプロ「入場は“あえて長い列”に」9月3連休、爆速レーンを見抜く鉄則「実は13日から新ルール」

  • 2025.9.12
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

50回以上万博に通うプロ、万博ニキ(通称:パクニキ)さんは、9月の万博会場の異様な熱気を静かに語ります。

「始発が着くのが5時40分ぐらいなんですけど、その始発前に実はもう別のルートがありまして。そこを通じて来る人が増えてるんですよね」

始発が到着する遥か前、午前4時40分に開くという裏ルート「カルバート」。近くの島から徒歩で向かい、中には徹夜で開門を待つ猛者もいるといいます。安全上の理由から万博協会が自粛を呼びかける事態にまで発展したものの、その勢いは止まりません。

「自粛要請が出たので、そのルートの人が減ってるかと思いきや、結構増えてるんですよ。始発から6時過ぎにかけて既に、多分もう1000人ぐらい並んでるんで」

もはや始発での到着は「出遅れ」を意味する9月の万博。こんな状況で勝負を分けるのは、どのパビリオンに並ぶかではない。「どこで」「いつ」入場ゲートを通過するか、です。

基本的には30分かからないぐらいで入れますけど、そのレーン選びを間違えると45分、最悪1時間くらいかかってしまうんです」

たかが15分、されど15分。この差が、人気パビリオンの当日予約が取れるか否かの運命を分けるのです。

「どこで入るか」が差を生む。爆速レーンを見抜く鉄則

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出典元:photoAC(画像はイメージです)

朝7時頃、待機列が動き出し、東ゲートの手荷物検査場前へ。約30個のレーンの中から、自らの運命を決める選択の時が訪れます。その時、何を基準にレーンを選びますか?

入場は“あえて長い列”に並ぶのが鉄則

「一列に綺麗に並んでるレーンというのは、見た目は結構列が長く見えちゃうんですよ。逆にぐちゃぐちゃに2、3人が前に詰めて並行して並んでいるレーンはパッと見短く見えるので、みんなそこに集中しちゃう。でも長く見える一列の方が実は早いというのが、ポイントですよね」

人間の心理として、どうしても短い列に並びたくなる。しかし、それが罠。2列、3列になっているレーンは、見た目の距離あたりの人数が倍以上に膨れ上がっているのです。プロは、見た目の長さに惑わされず、規律正しく「一列」で形成されたレーンを選びます。

パクニキ氏によれば、その日のレーンの秩序は、先頭集団の動きに大きく左右されるといいます。

「先頭の集団がちゃんと一列に並び始めたら、後ろの人もちゃんと一列に並ぶ。逆に先頭の人たちがぐちゃぐちゃに並んでいたら、後ろの人もぐちゃぐちゃになる傾向がありますね」

つまり、一列に並んでいるレーンは、その列全体が「わかっている」人たちで構成されている可能性が高いのです。

 1日券なら迷わず「1番〜5番レーン」

もし、今回初めて万博に行く、あるいは「1日券」や「夕方券」を持っている方であるならば、迷わず向かうべき場所があります。

「1日券を持っている方は、1番から5番レーンに入った方が断然早いです。なぜなら、このレーン、実は通期パスを持っている人は入れなくて、基本的には1日券や夕方券を対象にしたレーンなんですね」

その理由は、並ぶ対象者が限定されていること。早朝から並ぶ熱心な来場者の中には、何度も訪れている通期パスの所持者も少なくありません。その彼らが並べない専用レーンは、競争相手が少なりやすいのです。

さらに、パクニキ氏はもう一つの利点を付け加えます。

「1日券は顔認証がないので、QRコードの読み取りだけで進めるんです。通期パスの人間は顔認証が必要なので、少し時間がかかります」

ライバルが少ない上に、手続きもスムーズ。

「1日券や夕方券のみ対象のレーンは日によって変わるので、当日ゲート前での見極めが重要ですね」

この事実は、意外と知られていない重要なポイントです。多くの人がこの情報を知らずに他のレーンに並んでしまう中、ここを知っているか否かで、スタートダッシュに圧倒的な差がつきます。

50回以上通った経験則からは…

これは50回以上、東ゲートの朝の光景を見続けてきたパクニキ氏だからこそ語れる、少しマニアックな視点です。

彼の膨大な経験上、「26番、27番や、15、16、17番あたりは早そうでしたね。逆に18、19、20番あたりはちょっと遅い感じがします」という、かすかな傾向があるといいます。

なぜ、特定のレーンで進み具合に差が生まれるのでしょうか。パクニキ氏は、あくまで個人的な推察として、こんな可能性を教えてくれました。

「実は、約30ある東ゲートのレーンは、複数の警備会社がそれぞれ分担しているんですよ。『5レーンずつ担当が分かれているようなイメージ』でして、そのセキュリティ会社によって列の進み具合が変わってくるのかもしれません

もちろん、警備会社の担当が日によって変わる可能性もあります。当日のレーン選びにどうしても迷ってしまった時の、ちょっとした「おまけの情報」として、頭の片隅に置いておくと面白いかもしれませんね。

「いつ行くか」が本質。プロが実践する時間戦略

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出典元:photoAC(画像はイメージです)

最適なレーンを選ぶ知識以上に、勝敗を分けるのが「タイミング」です。パクニキ氏が語る時間的戦略は、50回以上行ってるからわかる知恵でした。

大原則は「予約時間の1〜2時間前待機」

まず、パクニキ氏は「予約時間ちょうどに行く」という考え方は推奨していません。「10時枠を持っているからといって、10時に行ったとしても入れるのは多分10時半や10時40分になってしまうんです。目安としては本当に、自分の予約時間枠の1、2時間前には会場前についておくのが目安かなと思います」

10時入場のチケットなら、遅くとも9時には会場前に到着し、「10時入場枠を持っている人専用のバリケード」に並び始める。これが、その時間枠の中で有利に立ち回ります。

熾烈な競争を避けたい人は“隙間”を狙え

朝イチの熾烈な競争を避けたい人に、パクニキ氏は逆転の発想を授けてくれました。

「9時入場予約を持っている人が、例えば9時40分や10時直前に来たら、意外とすんなり入ることが多いんですよね」

なぜなら、その時間は「9時入場枠の人はすでに入場しきっている、かつ10時入場枠の人はまだ手荷物検査前のバリケードで入場制限がかかっている」という“空白地帯”だからです。

「そのタイミングは、結構空いてるんですよね。その時は15分待ちですんなり入れたりします」

最速入場は狙えませんが、無駄な待ち時間を嫌う人にとっては、これ以上ない手と言えるでしょう。

新ルール「アーリーチェックイン」にご注意を!

9時入場枠を持っていたら、8時50分から入れる」という新ルール。「ちょうど9月13日から、今まで8時55分からだったのが8時50分になるということで、5分早まるんですね。アーリーチェックインと言うんですけど」

たった5分。しかし、コンマ1秒を争う朝イチの当日予約争奪戦において、この5分が持つ意味は計り知れません。ライバルより一歩でも早くこの最新情報を掴み、万全の体制で当日に臨みましょう。

パクニキが声を大にして伝えたいこと

様々なテクニックを紹介しましたが、最後にパクニキ氏は重要な心構えを語ってくれました。

「朝早めにゲート前に着いて会場外で1、2時間待つのか、昼頃に会場に着いて会場内でパビリオンの列に2、3時間待つのか、どちらがいいかとなると、やはり前者ですよね。それに、朝早めに入場すれば当日予約も大いにチャンスがありますが、昼頃に入場しても当日予約はほとんど埋まってしまっています」

万博は、もはや会場に到着してからが本番ではありません。家を出る前から、いや、前日の夜から勝負は始まっています。最高の体験をするために、あなたは「会場の外」と「会場の中」、どちらで待つことを選ぶでしょうか。

その答えは、もう出ているはずです。


取材協力:万博ニキ(パクニキ)さん
大阪市内在住の20代後半男性。大阪・関西万博に50回以上訪れ(2025年8月時点)、全パビリオンを制覇済みの万博マニア。
週に複数回、「インパク」(万博に入場すること)することが多く、万博の魅力を発信している。