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宿泊客「シングルで予約したのに広いベッド…」元ホテルマンが暴露、意外と知らない“ラッキー”の正体

  • 2025.12.2
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出典:photoAC(写真はイメージです)

「シングルで予約したのに、広いベッドに案内された」

そんな“ラッキー”な経験はありませんか?

実はそれ、単なる幸運ではなくホテル側の緻密な「客室運用戦略」かもしれません。

宿泊客は「広いベッド」、ホテルは「稼働率UP」で双方がWin-Winになる、その仕組みとは一体どのようなものでしょうか。

今回は、大手ホテルチェーンに4年間勤務した(2025年10月時点)Aさんに、そのカラクリを解説してもらいました。

シングルでもダブルでも売る、「兼用部屋」という戦略

ホテルが稼働率を上げるために行っている、客室運用の「工夫」はどのようなものでしょうか。Aさんは、その戦略の核となる「兼用部屋」について教えてくれました。

「例えば、セミダブルベッドやダブルベッドが1台ある部屋を、1名利用の『シングル』としても、2名利用の『ダブル』としても販売できるようにするんです」

Aさんによると、昨今は「シングルルーム」と「ダブルルーム」を兼用できる、いわゆる「兼用部屋」に設計しているホテルが増えているそうです。

稼働率を最大化するロジックは「在庫を固定しないこと」

では、なぜ「兼用部屋」にすると、稼働率が上がるのでしょうか。

「例えば、『シングル専用50室・ダブル専用50室』と客室を厳密に固定してしまうと、その日シングルの需要が80室あっても50室しか売れません。ですが、『兼用部屋100室』としておけば、その日の需要に応じて『シングル80室・ダブル20室』のように、柔軟に在庫を振り分けることができます」

つまり、「シングルの在庫が切れたら、ダブル用の在庫をシングルに回す」といった柔軟な調整ができるため、空室を最大限に減らせる、というわけです。

宿泊客にもホテルにも「Win-Win」

では、この戦略は宿泊客にもメリットがあるのでしょうか。Aさんによれば、大いにあるといいます。

「お客様にとっては、『シングル料金で予約したのに、運良く広いダブルベッドの部屋を使える』というメリットが生まれることがあります。一方で、ホテル側にも『稼働率を最大化』できるメリットがある。お互いにとってウィンウィン(Win-Win)な戦略だといえますね」

双方にとってお得な形で客室を有効活用する、見事な戦略です。

なお、この戦略は主にベッド1台の部屋に関する話だとAさんは補足します。

「ツインルーム(ベッド2台)の場合は、また別の客室運用になります」

予約の際はしっかりと部屋のタイプを確認しておくのが確実でしょう。

「ラッキー!」の裏にある、見事な仕組み

シングルなのに広いベッドという幸運。その“ラッキー”の裏には、空室をなくし、より多くの宿泊客を迎え入れようとするホテルの緻密な運用戦略がありました。

Aさんが解説してくれたこの「兼用部屋」戦略は、ホテル側には稼働率向上、宿泊客側には広い部屋を使える可能性があるという、双方にメリットが生まれる場合があることがわかりました。

混雑していないからといって、必ずしもアップグレードされるわけではありません。広い部屋に泊まりたいなら、初めからその部屋タイプを予約するのが確実です。

ですが、こうした「裏側」を知ることで、次からのホテルの利用が今より少し面白くなるかもしれませんね。


取材協力:元ホテルマンAさん
20代後半の男性。大手ホテルチェーン従業員として4年間のキャリアを経て、現在は旅行業界で勤務している。


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