『なぜか褒めても嫌味に聞こえない人』は使っている…「すごいね」でも「完璧だね」でもない、“心に刺さる言葉”とは？

2025.10.23

「すごいね！」や「完璧だね！」と褒める言葉はよく聞きますが、なぜかそれが嫌味に聞こえてしまうこと、ありませんか？一方で、同じ褒め言葉でも心にスッと入って、素直に嬉しくなる言葉を使う人がいます。そんな人たちは、一体どんな言葉を選び、どう伝えているのでしょうか？

今回は、自然に刺さる『褒め言葉の秘密』に迫ってみましょう。

心に響く褒め言葉の「細かな違い」とは？

褒める言葉といえば「すごいね」「完璧だね」といったストレートな表現が一般的ですが、これらはときに大げさに感じられたり、相手の頑張りを認め切れない印象を与えたりすることも。心プレッシャーを感じるケースもあるといわれています。

一方で、「自然に刺さる言葉」には特徴があります。それは「具体的であること」「相手の努力や過程を認めること」、そして「言葉に温かみや共感が感じられること」。例えば「すごいね！」の代わりに「ここまでよく頑張ったね」とか、「その部分すごく工夫してるね」と伝えられると、相手は自分の努力をしっかり見てもらえていると感じ、嫌味には聞こえにくくなります。

また、褒め言葉を発する際の声のトーンや表情、タイミングも重要なポイントです。明るく柔らかい声で、相手の喜ぶタイミングで伝えると、言葉そのものが自然に響きやすいのです。

自然な褒め言葉になる3つのポイント

日常会話でよく聞かれる言葉の中には、「いつもありがとう」「こういうところがいいね」と相手の存在や性格の良さに焦点をあてるものがあります。こうした言葉は単なる結果への賞賛だけでなく、人間性に対する共感が感じられやすいため、自然な褒め方として有効です。具体的に、褒めても嫌味に聞こえにくい人たちが心掛けていることは以下の3つにまとめられます。

具体的に褒める内容を伝える
「あの部分の工夫が良かった」「そのタイミングであの対応ができるのはすごい」など、何が良かったのかを明確にすることで、伝わり方が変わります。
相手の努力や変化に目を向ける
結果だけでなく「前よりこうなったよね」「手間暇かけてるのがわかるよ」という言葉は、相手の頑張りをしっかり受け止めている証です。
言葉に感謝や共感の気持ちを込める
「ありがとう」「気づかせてくれて助かったよ」といった感謝の言葉や、一緒に感じていることを伝えることで、嫌味な印象を避けられます。

もちろん、言葉自体も大切ですが、その言葉を交わす場や相手との関係性も「自然に刺さる褒め言葉」には欠かせない要素です。信頼関係が整っていない場面では、どんなに良い言葉も嘘っぽく受け取られやすいからです。

また、共通の経験や価値観を持っていると、褒め言葉はより響きやすくなります。例えば仕事の同僚同士や趣味の仲間内であれば、「そこ、この部分がすごく苦労するよね」と共感した上で褒めることで、気持ちが近づくでしょう。

「すごいね」「完璧だね」を超える言葉の魔法を

今回ご紹介したように、誰かを褒めるとき、単に結果や能力だけを評価する言葉は、少し距離を感じさせてしまうこともあります。重要なのは、相手の努力や変化、個性を具体的に認めて伝え、感謝や共感の気持ちを込めることです。

こうした言葉を心掛けることで、嫌味に聞こえず、自然に相手の心に届く褒め言葉が使えるようになるでしょう。普段から「何を」「どうして」といった観察を大切にしながら言葉を選ぶことが、あなたの褒め方をさらに魅力的にします。ぜひ一度試してみてくださいね。

監修者：あゆ実社労士事務所

人材育成とキャリア支援の分野で約10年の経験を持ち、社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタントとしても活動。
累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1面談制度の設計やキャリア面談シート作成などを通じて、組織の人材定着と成長を支援してきた。
新入社員向け「ビジネスマナー」「マインドセット」「ロジカルシンキング」研修やキャリア研修では、企画・コンテンツ作成から講師まで一貫して担当。
人間関係構築や部下育成、効果的な伝え方に関する豊富な実務経験を活かし、読者や受講者が一歩踏み出すきっかけとなる関わりを大切にしている。