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『退職金がない人』は注意して…老後破産を招かないためにやっておきたい“3つのこと”【お金のプロが解説】

  • 2025.9.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

人生の長いリタイア生活では、退職金がないという事実が大きな不安に繋がります。今の仕事や社会保障だけでは老後の資金が足りるのか、家計は回るのか……そんな悩みを抱える人は少なくありません。特に退職金がない場合、老後破産のリスクが高まると指摘されることも。では、どのように備えれば安心して老後を迎えられるのでしょうか?

今回は「退職金がない人」がやっておきたい、老後破産を避けるための3つのポイントを掘り下げてみましょう。

老後破産を遠ざけるために知っておきたい、お金のリアル

退職金がない人は、退職後の資金繰りを自分で計画的に整える必要があります。東京都産業労働局が公表した『中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)』によると、日本の中小企業の退職金は、高校卒で定年まで勤め上げた場合、平均で994万円、大学卒では1,091万8000円です。

非正規雇用などでは退職金制度がないケースが増えています。そのため、退職金に頼れず、年金だけで生活する場合、支出を抑えながら資産形成を計画することが不可欠です。

こうした実態を踏まえ、自主的な準備を進めなければ、老後破産という最悪の状況も現実味を帯びてきます。

出典:中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)

具体策を徹底紹介!退職金なしでも老後破産を防ぐ3つの対策とは?

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

1、積立・投資で資産を増やす:毎月わずかな額でも、NISAやiDeCoなどの非課税・節税制度を活用して資産形成を始めましょう。これにより長期的な資産増加が期待できます。株式や投資信託などリスク分散した投資はインフレ対策にもなります。

2、負債を整理して支出を減らす:住宅ローンやカードローンなどの借入は可能な限り早く返済計画を立て、利子負担を減らしましょう。負債の存在は老後のキャッシュフローを圧迫し、破産リスクを高めます。借入を完済することで月々の固定費が軽減され、余裕が生まれます。

3、生活費や健康管理の見直し:生活費をスマートに見直す一方、健康維持も重要です。医療費は高齢になるほど増加する傾向にあり、健康でいることが長期的な支出削減につながります。具体的には栄養バランスの良い食事、無理のない運動、定期的な健康診断を習慣化しましょう。

特に資産形成に関しては、投資や税制優遇制度の理解を深め、専門家の意見も積極的に取り入れることが有効です。

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出典:マネーシップス 石坂貴史

老後も安心!今から始める賢いお金の備えまとめ

たとえ退職金がなくても、工夫や準備を重ねれば、安心して老後を迎えることができます。今すぐできることは、計画的な資産形成、負債の整理、生活費と健康の見直しの3つです。これらはただの節約術ではありません。長期の視点で生活の質を維持しつつ経済的自立を実現するための戦略です。国の公表データを踏まえた対策は、確かな安心感をもたらし、不安な老後資金計画の大きな助けになります。

もし退職金がなくても、正しい知識と行動があれば心配は減らせます。まずは今日から毎月の貯蓄計画を立てたり、借入状況を見直したり、健康管理を意識したり、少しずつ変化を起こしていきましょう。


監修者:石坂貴史

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証券会社IFA、2級FP技能士、AFP、マネーシップス運営代表者。累計1,100件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制、教育」の6つのFP分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。

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