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「いざというときに安心できる人」は知っている…おひとりさまが考えたい『遺産相続』のこと

  • 2025.9.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

独身や子どもがいない、いわゆる“おひとりさま”にとって、遺産相続はあまり身近に感じられないかもしれません。でも、いざというとき「誰に頼れば?」「どうすれば円満に進められる?」と悩んでしまうもの。この記事では、“ひとりだからこそ知っておきたい”遺産相続の心構えやポイントをわかりやすく解説します。何も準備しないままだと、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクも。安心して未来を迎えられるよう、今のうちから準備を進めていきましょう。

誰にも言えない悩み!?おひとりさまが遺産相続で直面しやすい問題

遺産相続というと、「家族が多い場合に問題が起きるもの」と思いがちですが、おひとりさまにとっても無関係ではありません。まず問題となるのは、遺産を託す「相続人」がいないこと。法律上、配偶者や子がいない場合、両親や兄弟姉妹が相続人となるケースが多いですが、既に親が他界していたり家族関係が疎遠だったりすると、相続に関して話し合いが難しくなることもあります。

また、身寄りがない場合は国庫に遺産が入り、友人や知人、長年お世話になった人に財産を渡すことができません。そうなると、いざという時に信頼できる「代理人」や「受取人」を決めておくことが重要になります。でも、これは口約束では効果がなく、法律的に認められる形式で準備しておかないとトラブルが起きやすいのです。

さらに、「介護や身の回りのこと、最期の意思表示」にも気をつけたいところ。これらは相続にも関係してくるため、早めの対応が安心感につながります。

具体的な対策は?遺言書と信頼できる人の存在が安心の鍵に

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

おひとりさまが遺産相続をスムーズに進めるには、まず「遺言書」の作成が大切です。法的に有効な遺言書があれば、自分の意思で財産の行き先を指定できますし、相続人がいなくても遺産を渡したい相手に届けることが可能です。医療や介護の方針、葬儀の希望などを書き残すこともできます。

ただし、遺言書には厳格なルールがあり、誤った形で作ると、無効になることもあります。専門家のアドバイスを受けながら作成するとよいでしょう。

また、遺言書とセットで考えたいのが「信頼できる人の存在」です。たとえば親しい友人や信頼できる専門家を後見人や代理人に指定しておけば、資産管理や生活のサポートをお願いできますし、遺言の実行もスムーズです。もし知り合いに適任者がいなければ、司法書士や弁護士に依頼する方法もあります。最近では“家族以外の人”が法的な代理権を持つケースも増えているため、選択肢は広がっています。

これらの準備をしておくことで、「いざというとき」の不安を大きく減らし、周囲とのトラブルも避けやすくなるでしょう。

安心のために今できることから始めよう!遺産相続のポイントまとめ

おひとりさまにとっても遺産相続は無関係ではありません。遺言書をしっかり準備し、信頼できる人を決めることが大切です。そうすることで、万が一のときに「誰に頼ればいいのか」「財産はどうするのか」と悩むことが減っていきます。

また、介護や医療の意思表示、葬儀の希望なども含めて書き残しておくことをおすすめします。専門家に相談しながらの準備なら、法律面も安心して整えられます。今から少しずつでも取り組んでみてはいかがでしょうか。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。