1. トップ
  2. 「みんなあなたのこと嫌ってるのよ」繰り返される先輩看護師からの“指導”→耐えかねて主任に相談すると“意外な真相”が明らかに…

「みんなあなたのこと嫌ってるのよ」繰り返される先輩看護師からの“指導”→耐えかねて主任に相談すると“意外な真相”が明らかに…

  • 2025.9.19
undefined
出典:Photo AC ※画像はイメージです

こんにちは、現役看護師ライターのこてゆきです。

精神科の現場で働いていると「患者さんとの関わりが一番大変なのでは?」とよく言われます。けれど実際には、看護師同士の人間関係に悩む場面も少なくありません。ときには、患者さんへのケア以上に、同僚や先輩との関わりに心をすり減らすこともあります。

特に新人時代の私は、まだ仕事にも自信が持てず、毎日が手探りでした。そんな中で浴びせられたのは、忘れられない言葉。

「みんな、あなたのこと嫌ってるのよ」

その一言は、患者さんの急変対応よりも、夜勤の緊張よりも、はるかに強く私の心を追い詰めました。職場に行くのが怖くなり、帰り道には涙が止まらなくなる日々。

今日は、私が新人時代に経験したお局看護師の言葉と、そこからどう立ち直り、今の働き方に結びつけられたのかをお話ししたいと思います。

小さなミスも全部「あなたのせい」

新人として働き始めたばかりの頃、私はまだ業務に慣れず、点滴準備が遅かったり、申し送りで抜けがあったりと小さなミスを繰り返していました。

その時同じ現場で働いていた先輩看護師Aさんから、

「看護師は記録が命よ。後から振り返るときに助けてくれるのは自分の記録だけだから」「ナースコールが鳴ったらすぐ反応するの。当たり前のことだけど、それだけで患者さんは安心するの」

という言葉をかけられる日々。初めは新人の私に指導してくれているんだと、前向きに捉えていました。しかし、次第におかしなことが増えていったのです。

処置を忘れたのは別のスタッフなのに、

「これ、あなたがやってなかったんでしょう?」

ナースコールが重なって対応が遅れたときも、

「あなたがいたから遅れたのよ」

その看護師はいつも私にだけ、鋭い目つきで言い放ちました。

最初は「気のせいかも」と思うようにしていましたが、やがて心の中で「やっぱり私のせいなんだ」と思い込むようになっていました。

「みんなあなたを嫌ってる」突き刺さった一言

ある日の休憩室。Aさんに呼び止められ、言われたのは忘れられない一言でした。

「ねえ、気づいてる? みんな、あなたのこと嫌ってるのよ」

頭が真っ白になり、心臓がぎゅっと締めつけられるようでした。

「え…、そんな、こと…」と声を絞り出す私に、

「事実だから。みんな我慢してるだけよ」

そう冷たく言い放たれたのです。ただその言葉のみで何がいけないのかもわからないまま。

その瞬間から、周囲の会話や笑い声さえ「私の悪口を言ってるんだ」と感じるようになりました。視線が合うと「きっと嫌われてるんだ」と胸がざわつく。

職場に向かう足取りはどんどん重くなり、帰り道には涙が止まらなくなりました。電車の窓に映る自分を見つめて、心の中でつぶやいたことがあります。

「もう無理かもしれない」

思い切って主任・師長に相談した日

限界を感じた私は、勇気を振り絞って主任と師長に相談しました。

「Aさんからみんな私のことを嫌ってると言われました。もし本当に私が嫌われているなら、具体的にどこがいけないのかを教えてください。直せるところがあるなら直したいんです」

泣きそうになりながらそう伝えると、主任がすぐに答えてくれました。

「そんな事実はないよ」

さらに師長も、真剣な表情で言ってくれました。

「ここ数年、新人さんから同じようなAさんについての相談を聞いてるの。あなたの問題じゃないのよ、伝えてくれてありがとうね」

その瞬間、心にのしかかっていた不安がすっと軽くなりました。

「あ、私のせいじゃなかったんだ…」声にならない安堵が胸に広がりました。

相談後、師長からAさんに指導が入りました。それ以降、露骨な嫌がらせや攻撃的な発言は少なくなり、私自身も「一人で抱え込まなくていい」と思えるようになりました。

もちろんすぐに関係が改善したわけではありません。しかし、職場での孤立感は確実に薄れ、少しずつ仕事に集中できるようになりました。

学んだのは「一人で背負わないこと」

あの経験を通して、私は大切なことを学びました。

困ったときは一人で抱え込まないこと、信頼できる人に相談すること、「自分が悪い」と決めつけず、客観的に確認すること。

あの頃、もし「全部自分のせいだ」と思い込んでいたら、きっと心が折れていたでしょう。実際には、問題は私個人ではなく、毎年繰り返されてきた構造的な関わりにあったのです。

後輩には同じ思いをさせないために

今、私が後輩に伝えるのは「ミスは責めるものじゃなく、一緒に改善していくものだ」ということです。

「次はこうしたら大丈夫だよ」「ここまではできてるから安心してね」そんな声かけを意識しています。

職場の雰囲気は、一人の言葉や態度で大きく変わる。だからこそ私は、誰かを追い詰める存在ではなく、支えられる存在でいたいのです。

あの頃の私を潰しかけた言葉「みんなあなたを嫌ってる」。けれど相談することで状況は変わり、自分の中の思い込みも崩れていきました。

もし今、同じように悩んでいる人がいたら。どうか一人で抱え込まず、信頼できる人に話してみてください。その一歩が、あなたを守る大きなきっかけになるかもしれません。



ライター:こてゆき
精神科病院で6年勤務。現在は訪問看護師として高齢の方から小児の医療に従事。精神科で身につけたコミュニケーション力で、患者さんとその家族への説明や指導が得意。看護師としてのモットーは「その人に寄り添ったケアを」。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名OK