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『なぜか部下のやる気が上がる上司』が使っている…「助かったよ」でもない、“伸ばす言葉”とは?【プロが監修】

  • 2025.9.21
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※Google Geminiにて作成(イメージ)

職場で「お疲れさま」や「助かったよ」と声をかけるのは、感謝の基本ですが、なぜか部下のモチベーションがなかなか上がらない…。そんな悩みを抱える上司は多いのではないでしょうか?実は、部下のやる気を引き出す「伸ばす言葉」は、これらの定番の言葉とは少し違った言い方に秘訣があります。感謝を伝えるだけでなく、部下の強みや成長を具体的に認める言葉を用いることが、やる気を長持ちさせるカギになっているのです。

今回は、どんな「伸ばす言葉」がどう部下の意欲を高めるのかを詳しく探っていきます。

感謝の言葉だけでは物足りない?部下のやる気のメカニズムを理解する

「お疲れさま」や「助かったよ」といった言葉は、日常的に職場で使われる感謝の表現ですが、これらはどちらかと言えば、行為や結果に対する一般的な評価であり、部下の個性や成長へはあまり触れていません。心理学では、人は自分の価値を認められると自己肯定感が高まるとされています。さらに、強みに注目される言葉を受けると、次の行動への意欲につながりやすいのです。つまり、ただ単に「ありがとう」と伝えるよりも、「あなたの〇〇なところが素晴らしい」と具体的なポイントを褒められる方が、やる気が持続しやすいのです。

さらに、マネジメント理論では「承認欲求」を満たすことで従業員のパフォーマンスは向上すると言われています。承認とは単なる感謝以上に、その人の努力や工夫、成果を正しく評価して示すこと。具体的で前向きな言葉がけが、部下の成長意欲や挑戦心を刺激し、自己成長のサイクルを生み出します。したがって、上司が「伸ばす言葉」を使うことは、職場の雰囲気を良くし、生産性の向上にも直結するのです。

伸ばす言葉ってどんな言葉?

では、実際にどのような言葉が部下のやる気を伸ばすのでしょうか?例えば「お疲れさま」や「助かったよ」の代わりに、次のような言葉を使うことが効果的です。

  • 「あなたの工夫のおかげで、〇〇がスムーズに進みました」
    具体的にどの工夫が良かったのかを挙げて伝えることで、その努力が認められ、さらにチャレンジ精神が刺激されます。
  • 「難しい課題に粘り強く取り組んだ姿勢は本当に頼もしいです」
    結果だけでなく過程の努力も承認されると、達成感が増して自己効力感が高まります。
  • 「あなたの〇〇のスキルが大きな力になりました」
    本人の強みや特技を褒めることで、その能力を伸ばそうとする内発的動機付けが促されます。

伸ばす言葉を使う際のポイントは、大きく3つあります。まずは「具体性」。抽象的に褒めるのではなく、何がどう良かったのか具体的に示します。次に「誠実さ」。心から感じたことを伝えなければ、言葉に説得力がなくなってしまいます。そして「タイミング」。仕事が終わった直後や、良い結果が出たときなど、適切なタイミングで伝えることで効果が高まります。

ただし、無理に褒めたり、ありえないことを言うのは逆効果。嘘っぽく感じられると信頼を失い、かえってやる気を削ぐことにもなりかねません。伸ばす言葉は、あくまでも部下の実際の行動や強みに寄り添い、それを自然に言葉にすることが大切です。

また、部下の性格や価値観に合わせて言葉の使い方を工夫することも効果的。例えば、控えめなタイプにはさりげなく伝え、感情豊かなタイプには感謝と共に励ましの気持ちも込めて表現すると良いでしょう。

“伸ばす言葉”は具体的で誠実な言葉

部下のモチベーションアップには、単なる感謝の言葉よりも「具体的で誠実な承認」がカギとなります。「お疲れさま」や「助かったよ」に加えて、部下の行動や努力、その強みを細かく認める言葉を使うことで、自己肯定感が育まれやる気が長続きします。これが職場の生産性向上や良好な人間関係の形成にもつながるのです。

上司としては、日頃から部下の働きぶりに注意深く目を向け、自然な形で伸ばす言葉をかける習慣をつけることが重要。言葉の力を味方につければ、部下の成長とチームの成功をぐっと近づけることができます。あなたも今日から一歩踏み込んだ言葉がけを意識してみませんか?


監修者:あゆ実社労士事務所

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人材育成とキャリア支援の分野で約10年の経験を持ち、社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタントとしても活動。
累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1面談制度の設計やキャリア面談シート作成などを通じて、組織の人材定着と成長を支援してきた。
新入社員向け「ビジネスマナー」「マインドセット」「ロジカルシンキング」研修やキャリア研修では、企画・コンテンツ作成から講師まで一貫して担当。
人間関係構築や部下育成、効果的な伝え方に関する豊富な実務経験を活かし、読者や受講者が一歩踏み出すきっかけとなる関わりを大切にしている。