1. トップ
  2. 『親の介護費で苦しまない人』はやっていた…“話し合い”で決めるべき3つのポイントとは?【お金のプロが解説】

『親の介護費で苦しまない人』はやっていた…“話し合い”で決めるべき3つのポイントとは?【お金のプロが解説】

  • 2025.9.15
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

親の介護費用が家計を圧迫し、将来の不安を感じている方は少なくありません。介護が必要になってから急いで話し合いを始めると、準備不足でトラブルが生じたり、精神的な負担が大きくなるケースもあります。実は、親の介護費で苦しまない人が共通している“話し合い”とはなんでしょうか?。早めに家族間で話し合っておくことで、無理なく介護費を支え合い、安心感を持つための準備について、大事なポイントをお伝えします。

親子間での話し合いがなぜ重要なのか

高齢化が進む現代社会では、親の介護費をどう工面するかが大きな課題となっています。介護には医療費、介護施設の費用、介護保険自己負担分、日用品や交通費など様々な費用がかさみ、平均的な介護費用は年間数十万円から百万円を超えることもあります。こうした現実を踏まえ、前もって介護費用に関する金銭面の話し合いが重要視されています。

具体的に「親の資産状況や収入、保険の活用、どのように費用を分担していくか」を家族でオープンに話し合うことです。これにより、親が介護に備えてどのくらいの費用を出せるか、子どもたちがどの程度サポート可能か明確にでき、予期せぬ経済的負担に戸惑うことが少なくなります。また、お金の話を早い段階で行うことで家族間の理解も深まり、将来の介護に関する不安やもめごとの減少にもつながります。

親の介護費を円滑に支えるための話し合いのポイント

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

実際に介護費用について話し合う時のポイントは3つあります。まず、1つ目が親の収入と資産を家族全員で把握し、現実的にどの程度の費用負担が可能か話すこと。2つ目が介護保険や自治体の助成制度を理解、利用できるサポートを検討することです。3つ目が、今後の介護の形や今後の介護の形や優先順位を共有し、必要に応じて費用の分担や役割分担を調整しましょう。

これらの話し合いは、親がまだ元気なうちに行うのが望ましいとされています。なぜなら、認知症などで判断能力が低下してからでは意思確認が難しく、財産の管理や費用の使い道で家族間にトラブルが生じやすいためです。また、公的介護保険の給付や生活保護などの社会保障制度は申請手続きが必要であり、家族で連携して準備することが求められます。

さらに、こうした話し合いを記録に残すことで、全員が同じ情報を共有しやすく、不明点を減らす効果もあります。事前準備があれば、介護が必要になった際の急な出費やサービス利用の手配もスムーズに進められます。

家族で“お金の話”をすることは悪いことではない

親の介護費用についての話し合いは、時に気まずさや遠慮が生じやすいテーマですが、これを避けては問題の解決につながりません。事前にお金の話を家族で開くことこそ、将来の負担を減らし、誰もが納得できる介護体制を作る第一歩なのです。

介護が必要な状況になってから慌てて相談するのではなく、元気なうちからお互いに理解し合うことで、心の負担も軽減されます。法律や公的制度を上手に活用し、家族全員が負担を分かち合う形を作ることが、結果的に介護費のストレスを減らす近道と言えるでしょう。


監修者:有限会社バード商会 代表取締役 鳥谷 威(https://financialplanertk2021.com/

undefined

得意分野は、家計管理(とくに光熱費)と資産形成。福岡の大学を卒業後、大手ガス会社にて家庭の光熱費削減や新電力の業務に約4年間従事。クレカ請求業務も経験。
現役世代の人の家計が『今より豊かになるように』という想いのもと、約3年かけてCFP(R)資格を取得。
現在は、各種金融メディアでの執筆・監修・日本FP協会の支部相談員としても活動中。
20・30代の人に、早いうちから家計の見直しや資産形成の大切さを伝えたく日々奮闘中。