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『老後に損をする人』は加入している…ムダになってしまうかもしれない“保険”とは?【お金のプロが解説】

  • 2025.9.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「老後に向けて保険に入っておこう」と考える人が多いですが、保険の選び方を間違えると、余計な出費がかさんで損をしてしまうことがあります。若いときや現役世代のうちはピンとこなくても、いざ老後を迎えたときに「ムダな保険契約」が重くのしかかるケースは意外と多いのです。今、あなたが加入している保険は本当に必要でしょうか?老後の生活に負担をかけないために、ムダになる恐れがある保険の特徴を理解し契約を見直してみましょう。

見直されるべき?老後に損をする「不要な保険契約」の実態について

老後に損をする人が加入しがちな保険というのは、主に「掛け捨てではない終身保険」や「過剰な医療保険」が挙げられます。まず終身保険は、死亡保障を一生涯にわたって確保できる特徴がありますが、保険料が高額なことが多く、貯蓄性も期待できない商品も少なくありません。そのため、老後になって死亡保障の必要性が薄まった段階でも保険料を払い続けてしまい、トータルで見て損をしがちです。

また、公的医療保険や高齢者向けの医療制度が充実している日本では、必要以上に広範囲で加入すると保険料の無駄が生まれることも。特に入院日数が短くなっている現在、日額給付金が高額でも使い切れない場合が多く、老後の費用負担を重くしています。

また、「介護保険特約」や「がん保険」に過剰に加入しているケースも数多く見受けられます。これらの特約は重要ですが、内容や保障額が実際のリスクと合っているか再検証することが重要です。

さらに、「終身年金保険」などの老後資金を目的とした商品も、加入時の条件によっては元本割れのリスクがあり注意が必要です。

老後資金を守るために、いまからできる賢い保険の選び方

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

保険は人生のリスクを減らすための大切なツールですが、「ムダな契約」によって老後の資金計画を圧迫してしまうのは避けたいところです。加入前にまず「何のための保険か」を明確にし、将来の変化にも柔軟に対応できるかを考えることが重要です。定期的な見直しを習慣化し、公的制度と調和した適切な保障を選ぶことで、老後の経済的な安心感を高められます。

賢い見直し方法としては、まず現状の保険契約書を整理し、保障内容が現在の生活状況に合致しているかをチェック。次に、公的年金や医療制度でカバーされている部分と重複しているところを洗い出すとよいでしょう。また、近年増えている「低解約返戻金型保険」なども注意が必要です。解約時の返戻金が大きく減る可能性が高く、本当に長期で加入し続けるメリットがあるのか慎重に検討すべきです。

老後に損をしないためには「ムダな保険の契約から脱却すること」が第一歩。そのために信頼できる専門家やFPへの相談を積極的に活用しましょう。

老後の安心は「賢い保険選び」と「見直し」から生まれる

老後に損をする人が入りがちな保険契約には、終身保険の過剰な保障や実態に合わない医療保険、条件次第ではリスクのある年金保険などが存在します。ライフステージが変わるごとに必要な保障や保険料の見直しを行わずに放置すると、老後の資金計画を圧迫し、経済的な不安を招く可能性があります。

保険加入は「将来に備える」手段でありながら、そのまま更新し続けると逆効果にもなりかねません。公的制度や自身の生活状況を踏まえたうえで、必要な保障だけを選び、定期的なチェックと調整を心がけることが、老後の安心につながります。契約中の保険を今一度見直して、「損をしない老後」の準備をスタートしましょう。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。