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「NIGO®との友情が生んだ傑作も」スタイリスト大久保篤志が振り返るBAPE®との25年とカルチャーの記憶

  • 2025.8.28

1993年、東京・原宿から始まったA BATHING APE®。ブランドとして成長し現在まで大きな影響力をもたらす存在となるまでに、多くのアーティストやクリエイターたちがエイプを愛し関わってきた。ブランドとの交流も深いあの人の愛用の私物を拝見するべく、思い出深い貴重な“MY BAPE®”を取材!今回は、スタイリストの大久保篤志さんに語ってもらった。

スタイリスト・大久保篤志さんの“MY BAPE®”

Profile/大久保篤志
1955年生まれ、北海道出身。1981年から40年以上にわたってスタイリストとして活躍し、現在のファッションシーンを作り上げてきた第一人者。2006年より自身のブランド「The Stylist Japan®」を手がけ、2024年からブランド「LASTMAN」のディレクションも務めている。

SANDALS

2000年代初期にプレゼントされ、室内履きとしてソールがすり減ってフラットになるほど愛用し続けてきたサンダル。「使い込んで古くなったけどNIGO®くんとの思い出があるから処分できないんだよね」

BAPE® × N.E.R.D T-SHIRTS & MESH CAP

ファレル・ウィリアムスが在籍するヒップホップグループ、N.E.R.Dとのコラボ作。「大好きでよく聴いていたらプレゼントしてくれたんだよ。記念品として絶対に手放さないように、大切に所持しています」

BEACH JACKET

NIGO®さんのもとに古着を持っていき、直接オファーして製作されたジャケット。「70年代にアメリカのサーファーが着ていたものを作ってほしいって話をしたら実際に再現してくれたもの。嬉しかったですね!」

BABY MILO® REVERSIBLE SOUVENIR JACKET

2005年に発売された「BABY MILO®」のスカジャン。リバーシブル仕様で、両面とスリーブに大きく施された刺しゅうが印象的。

エイプらしさが随所に落とし込まれたファッションアイテムとして愛用している。

LEISURE SHEET

2004年に直島の地中美術館をプロデュースした際、オープン記念として来場者へのプレゼント用に製作したBAPE® CAMOのレジャーシート。依頼した際、快く引き受けてくれたことが記憶に残っているそう。

SHOOTING SHIRT JERSEY

某NBAチームを彷彿とさせるデザインが特徴的なオリジナルのジャージー。大久保さんがLAで見かけたカッコいいローカルのファッションスタイルをNIGO®さんに伝えたところ、後日それが具現化された一着。

ファッションアイテムとしてのクオリティが高いところが魅力的

――エイプとの出会いについて教えてください。

大久保篤志(以下、大久保) 2000年頃だったんじゃないかな。フルラインナップでやっているという話を聞いて面白いなと思って展示会に行くようになったんですよ。当時、NIGO®くんがやっていたのは彼なりに解釈したアメリカですごくポップだった。まだまだアメリカのローカルみたいな洋服の着方をしている連中が少なかった時代に、そういうことを表現していたのが楽しかったです。

――何か印象的なエピソードはありますか?

大久保 オフィスに行くといろんなカルチャーが一体化しているのが見てとれたんですよ。「スター・ウォーズ」の大きなフィギュアだったり、世界中から集めてきたものが置かれていて、ファッションアイテムの中に、面白いものがたくさん置かれているのが印象的でしたね。

――エイプの魅力はどういう点にあると思いますか?

大久保 Tシャツやスウェットだとか、物のクオリティがすごく高い点にNIGO®くんのこだわりを感じていました。古着にも精通していると思うし、その知識がアイテムに落とし込まれているのが好きな点かな。あるとき、こういうカッコいいファッションをしている人がいるっていうエピソードをNIGO®くんに話したら、その洋服を作ってくれたことがあってすごく嬉しかったです。

――今も世界中でエイプが人気ですが、その理由は何だと思いますか?

大久保 NIGO®くんが残したものをしっかりと反映させてブランドとして進化させていったんじゃないかな。だから、今のエイプの動向も楽しんでいます。自分はこの間、70歳になったんですけど、今後、自分と同じような年齢の人も違和感なくファッションとして楽しみながら着ていればいいなと思うね。

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