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突然始まる『親の介護』…お金の備えは大丈夫?!→今から考えておくべき“3つのポイント”とは?【FPが解説】

  • 2025.9.8
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「親の介護が急に始まってしまった…でも、介護にかかるお金のこと、全く準備していなかった。」そんな声は決して珍しくありません。介護は誰にとっても急であり、精神的な負担だけでなく経済面でも大きな影響を与えます。今回は、そんな突然の介護に備えるために「今から考えておきたい3つのポイント」をわかりやすく解説します。介護費用の実態や公的支援、家計の見直しなどを知って、安心できる未来設計を一緒に考えていきましょう。

介護のお金ってどれくらいかかる?知っておきたい介護費用の実情

親の介護にかかる費用は、介護の内容や期間によって大きく異なります。一般的に、介護には「介護サービスにかかる費用」や「医療費」、「介護用品の購入費用」など様々な項目があります。厚生労働省の「介護保険サービス利用状況」によると、要介護認定を受けた高齢者の介護サービスの自己負担額は原則1割ですが、それでも月あたり平均して数万円から数十万円になるケースが多いです。特に、高度な介護が必要になればなるほど費用は増加し、居宅介護から施設入所へ移行すると、月額20万円以上かかる場合も珍しくありません。

また、介護中は自身の通院や薬代、生活用品の増加など、介護とは別に発生する出費も無視できません。これらを踏まえると、「突然介護が始まってお金に困った」という事態を避けるためには、できるだけ早く、資金面の準備や情報収集を進めることが大切です。

「親の介護資金」今から取り組むべき3つのポイントとは?

介護の費用問題に備えるために押さえておきたいポイントは、以下の3つです。

  1. 公的介護保険の正しい理解と利用
    介護費用の多くは「介護保険」で賄われます。まずは親が要介護認定を受けられるよう手続きし、利用可能なサービスや助成を確認しましょう。ケアマネジャーに相談すると情報を得やすいです。
  2. 家計の見直しと介護費用の試算
    今の収支を把握し、介護費用にどのくらい回せるかを計算しましょう。預貯金や保険の確認、節約できる項目を見つけることが重要です。家計簿アプリなどを活用すると効率的です。
  3. 公的支援や助成制度の活用・専門家への相談
    自治体によっては介護用品費用の補助、生活のしやすさを向上させるリフォームの補助などもあります。ファイナンシャルプランナーや地域包括支援センターの相談窓口を利用して、もらえる支援を漏れなくチェックしましょう。
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出典元:石坂貴史(FP)

これらのポイントを抑え、計画的な介護費用の準備を心がけることで、経済的な不安をぐっと減らすことが期待できます。

介護費用の備えを解説!──具体的な準備例と将来を見据えた計画作り

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、上記3つのポイントを踏まえ、どんな準備ができるのでしょうか?実際の例を見てみましょう。

まず、公的介護保険では「介護認定」を受けることが第一歩です。認定を受けるとケアプランが作成され、訪問介護やデイサービスなど、利用できるサービスが明確になります。これにより予想される費用や必要な物品も把握しやすくなります。

2つ目として、介護費用を考えるうえで、家計の見直しも大切です。特に固定費の削減は欠かせないポイントにあるでしょう。たとえば、携帯電話や保険の見直し、電気代の節約などで、月1万円の削減も可能です。また貯蓄の一部を、介護用に確保しておくことも有効です。金融商品では介護に特化した保険もあるため、必要に応じて検討するのもいいかもしれません。

3つ目は、自治体の支援策を活用すること。たとえば、介護用ベッドのレンタル費用助成や住宅改修費の補助など、行政からのサポートは場面ごとに多様に存在します。早めに相談窓口を訪れることで、スムーズに利用が可能です。

そして、一番大事なのは、家族や親族とお金の話を避けずに共有することです。介護について語るのは気が重くても、皆で理解を深め合い、助け合える計画を作れば、長期的に安心した備えができます。

親の介護に向けた賢いお金の備えで負担を軽減しよう

親の介護は、突然始まることが多いです。心の負担も経済的な負担も避けられません。そのような中で、介護費用の実情を正しく知り、公的介護保険を活用しながら家計を見直すことで、突然の出費にも対応しやすくなります。自治体の助成制度を上手に利用し、何より家族間でしっかり話し合うことで、将来的なお金の負担も軽減できます。

介護のお金に備えることは、親自身の「安心」と援助する家族の「負担軽減」にもつながります。今からできる準備を一歩ずつ始めて、未来に備えましょう。


監修者:石坂貴史

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証券会社IFA、2級FP技能士、AFP、マネーシップス運営代表者。1,000件以上の金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。金融、経済、不動産、保険、相続分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。

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