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親の介護で…「いざというときに慌てない人」は知っている…かかるお金と支援制度とは?【お金のプロが解説】

  • 2025.9.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

親の介護が必要になったとき、「介護費用は誰が払うの?」という疑問は、多くの家庭で避けて通れないテーマです。介護にかかるお金は決して安くなく、突然の事態に慌ててしまいがち。ですが、事前に介護費用の仕組みや支援制度について知っておくことで、安心した毎日を送ることができます。この記事では、親の介護費用を誰が負担するのか、どんなお金がかかるのか、そして利用できる公的支援制度についてわかりやすく解説します。

介護費用の負担は家庭ごとに異なる?お金の分担と現状の理解

親の介護に必要な費用は大きく分けて「介護サービス利用料」「医療費」「生活費」の3つです。基本的に介護サービス利用料や医療費は本人の負担が原則ですが、現実として介護が必要な親が十分な収入や資産を持っていない場合、子どもなど家族が負担せざるをえないケースが多いのが現状です。さらに、介護の度合いや期間が長引くと、介護費用は数百万円にのぼることも珍しくありません。

法律上、子どもに親の生活の扶助義務があります。つまり、親が自分で生活費をまかなえないときは、子どもが面倒を見る責任があるのです。ただし、実際には家族間で分担や支援の仕方が違います。多くの家族は協力して費用を負担しますが、ケースによっては負担の偏りが問題となることも。

こうした事情を踏まえ、「いざというときに慌てない」ためには、介護費用の見通しをたて、家族で話し合いの場を持つことが大切です。費用の役割分担や必要な資金準備について早めに確認しておくのがおすすめです。

介護にかかるお金とは?公的支援と利用できる制度をしっかり活用しよう

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

介護にかかるお金の中で、高額負担のリスクを抑えられる大きな味方が「介護保険制度」です。すべての40歳以上の方は介護保険への加入義務があり、介護サービスの費用を原則1割から3割の自己負担に抑えられます。例えば、訪問介護やデイサービス、施設入所などを利用する際に対象となります。

この他にも、生活支援や住宅改修費補助、一定の所得以下の人向けの福祉資金貸付制度など、自治体ごとにさまざまな支援制度があります。さらに、医療費の一部負担を軽減する「高額療養費制度」も、介護と医療が併用される場合に利用可能です。

ただし、介護保険の利用には要介護認定が必要で、申請から認定までは原則30日以内ですが、場合によっては時間がかかることもあるため、親の状態に変化があった際は早めに手続きを始めることが重要です。また、将来の介護費用に備えて、民間の介護保険や貯蓄計画を検討するのも有効な手段です。

介護費用の負担を考える…暮らしを守るためのヒント

親の介護費用は誰が払うのか、という問題は単に「お金の問題」だけではありません。家族の関係性や、介護にかけられる時間や体力とも密接に絡み合っています。多くの人が「介護費用で家族が崩壊するのでは?」と不安を抱えていますが、早めに介護費用の全体像を理解し、利用可能な制度を積極的に活用することで負担を軽減できます。

また、介護費用の話はデリケートなため敬遠しがちですが、家族間でコミュニケーションを取り、役割や状況を共有することが、精神的な負担を減らし、より良い介護環境をつくる第一歩です。

介護費用の不安を抱えるあなたも、この記事のポイントを押さえて、冷静に備えを進めてみてはいかがでしょうか。


監修者:有限会社バード商会 代表取締役 鳥谷 威(https://financialplanertk2021.com/

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得意分野は、家計管理(とくに光熱費)と資産形成。福岡の大学を卒業後、大手ガス会社にて家庭の光熱費削減や新電力の業務に約4年間従事。クレカ請求業務も経験。
現役世代の人の家計が『今より豊かになるように』という想いのもと、約3年かけてCFP(R)資格を取得。
現在は、各種金融メディアでの執筆・監修・日本FP協会の支部相談員としても活動中。
20・30代の人に、早いうちから家計の見直しや資産形成の大切さを伝えたく日々奮闘中。