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『老後破綻』を回避できる人はやっている…定年までにやっておくべき『お金の整理』とは?【お金のプロが解説】

  • 2025.9.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

定年退職後を安心して迎えるために、ぜひ知っておきたいのが「お金の整理」です。ただ貯金を増やすだけでなく、自分の資産や負債、収入や支出をしっかり見直しておくことで、将来の不安を避けられます。老後破綻とは「老後の収入より支出が多くなり、生活が立ち行かなくなる事態」。そんな事態に陥らないため、定年までに賢く資産を把握し、整理と見直しを進めることの大切さについて、分かりやすく解説していきます。

老後破綻の現実と、今から備える「お金の整理」の重要性

日本は少子高齢化が進む中、公的年金だけでは老後の生活が十分にカバーできない可能性が高まっています。現役世代の収入減や、医療費・介護費の増加も加わり、老後の資金不足は切実な問題です。

そんな中で「お金の整理」が意味するのは、単にお金を増やすことだけでなく、自分の資産(貯金や不動産、投資など)と負債(住宅ローンの残債など)、そして毎月の収入や固定的な支出を細かく把握すること。その上で不要な支出を減らしたり、資産運用を見直したりすることで、現状におけるリスクの把握や安定的な資産形成につながります。例えば、退職金の使い方や年金受給のタイミングをシミュレーションしておくことも、重要なポイントです。

具体的にどんな『整理』が必要なのか

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では具体的に定年前にどのような「お金の整理」を進めるべきでしょうか。まずは資産と負債の洗い出し。銀行口座や証券口座の残高確認、保有する不動産の状況、ローンの残高をすべてリストアップしてみましょう。次に毎月の収支を把握し、固定費やムダな出費をチェック。たとえば、保険契約の保障内容を見直して必要最低限にしたり、通信費やサブスクの整理も効果的です。

その後は、将来的な収入の計画を立てます。公的年金の受給開始時期の選択や、個人年金保険・確定拠出年金(iDeCo)といった制度の活用検討も有効です。こうした整理を30〜40代から始めることで、時間を味方にでき、資産運用効果が最大化されやすいというメリットがあります。また、貯蓄だけでなく、もしものときのための保険や相続対策を検討する余裕も生まれます。

安心な老後のために今から「お金の整理」を始めよう

老後破綻を防ぐには、定年前に計画的に「お金の整理」を進めることが不可欠です。資産・負債・収支を可視化し、無駄な支出を減らし、効果的な資産運用や公的制度の活用を理解して準備する。こうして老後の生活費を確保する仕組みを整えることが、豊かで安心できるセカンドライフの実現につながります。

まだ定年まで時間がある方は、ぜひ今日から自身の家計や資産の棚卸しを始めてみましょう。


監修者:有限会社バード商会 代表取締役 鳥谷 威(https://financialplanertk2021.com/

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得意分野は、家計管理(とくに光熱費)と資産形成。福岡の大学を卒業後、大手ガス会社にて家庭の光熱費削減や新電力の業務に約4年間従事。クレカ請求業務も経験。
現役世代の人の家計が『今より豊かになるように』という想いのもと、約3年かけてCFP(R)資格を取得。
現在は、各種金融メディアでの執筆・監修・日本FP協会の支部相談員としても活動中。
20・30代の人に、早いうちから家計の見直しや資産形成の大切さを伝えたく日々奮闘中。