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『夫婦でお金が貯まらない人』は無意識にやっている…老後破綻を招く"3つの悪習慣"とは?【お金のプロが解説】

  • 2025.8.31
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

夫婦でしっかり働いているのに、なぜかお金が貯まらない家庭は少なくありません。実は、多くの夫婦が無意識のうちに行っている「お金の悪習慣」が、将来の老後破綻リスクを高めています。

お金に関する知識がないと、知らず知らずのうちに老後破綻への道を歩んでいる可能性があります。

これらの悪習慣を早期に発見し、改善することで老後の安心を手に入れることができるでしょう。

悪習慣1:夫婦間でお金の管理を完全に分離している

まずは夫婦それぞれが独立してお金を管理し、相手の収支を把握していないケースです。「お互いの自由を尊重している」と思っていても、実際は家計全体の最適化ができていません。

たとえば、それぞれが生活費を半分ずつ負担していたものの、残りの収入については自由に使える共働き夫婦の事例です。夫は趣味のゴルフや飲み会、妻はファッションや美容にそれぞれ多額を使っており、2人とも「相手は貯金しているだろう」と思い込んでいました。

その結果、50代で老後資金を意識する段階になったとき、初めて「どちらも貯金がほとんどない」という事実が発覚しました。このように、お互いが他力本願の状況だと、気づいたときには老後資金が全く準備できていないという事態を招きやすいのです。

悪習慣2:「今は若いから大丈夫」と老後準備を先延ばしにしている

30代や40代の夫婦は、「老後はまだ先のこと」として、具体的な準備を始めていない方が少なくありません。しかし、複利効果(お金がお金を生む効果)を考えると、老後準備は1年でも早く始めるべきです。

30歳から月3万円を35年間積み立てると、年利3%で運用した場合の総額は約2,150万円になります。しかし40歳から始めた場合、同じ条件でも約1,550万円にしかなりません。10年の運用期間で、約600万円もの差が生まれてしまうのです。

悪習慣3:家計の「固定費見直し」を怠っている

多くの夫婦が陥りがちなのが、一度決めた家計の支出パターンを長年見直さずに続けている悪習慣です。特に保険料や通信費、サブスクリプションなどの固定費は、一度契約すると放置されがちです。

具体的には、必要以上に高額な生命保険に夫婦で加入していたり、使っていない動画配信サービスを複数契約していたりするケースが多く見られます。月5,000円の無駄な固定費が、年間で6万円、30年間では180万円もの損失となります。

専門家が教える「貯まる夫婦」になる3つの改善策

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

これらの悪習慣を改善するには、夫婦が協力して計画的な家計管理を行う必要があります。多くの夫婦をサポートしてきた経験から、実際に効果の高い改善策を紹介していきます。

改善策1:夫婦で「家計の見える化」を実践する

まずは夫婦の収支を完全に透明化し、世帯全体の家計状況を把握しましょう。お互いの収入・支出・貯蓄額をすべて共有し、年に1回は夫婦で家計会議を開くことをおすすめします。

具体的な方法として、家計簿アプリを夫婦で共有したり、エクセルで簡単な家計表を作成したりする方法があります。重要なのは、お互いが隠し事をせず、正直に数字を共有することです。

夫婦の共通目標(老後資金2,000万円など)を設定し、そこから逆算して月々の貯蓄目標を決めることで、具体的な行動計画を立てることができるでしょう。

改善策2:「自動貯蓄システム」で確実に老後資金を準備する

老後準備を先延ばしにしないために、自動的に貯蓄される仕組みを作ることが重要です。

具体的には、定期預金や積立投資の設定を行います。夫婦合わせて月10万円を目標にする場合、夫が6万円・妻が4万円など、収入に応じて分担を決めるとよいでしょう。

さらに効果的なのは、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの税制優遇制度を活用することです。これらの制度を使うことで、税制優遇を受けながら効率的に老後資金を準備できます。

改善策3:年2回の「固定費見直しデー」を設ける

固定費を継続的に削減するため、夫婦で年2回程度は固定費見直しデーを設けることをおすすめします。すべての契約を一覧表にまとめ、本当に必要かどうかを夫婦で検討しましょう。

見直しの優先順位は、金額の大きいものから順番に行います。住宅ローンの借り換えや保険の見直し、通信費の削減などを優先的に行いましょう。

また、固定費削減で浮いたお金は、貯蓄に回すことがポイントです。月2万円の固定費を削減できれば、年間24万円、10年間で240万円もの貯蓄増加につながります。これだけでも老後資金準備が大幅に前進するはずです。

まとめ

夫婦でお金が貯まらない原因は、多くの場合「無意識の悪習慣」にあります。お金の管理がずさんだと、老後破綻のリスクが高まってしまいます。

これらの問題を解決するには、夫婦が協力して家計の見える化を図り、自動貯蓄システムを構築することが重要です。特に重要なのは、夫婦が共通の目標を持ち、お互いに協力し合う姿勢を築くことです。

まずは夫婦で話し合い、現在の家計状況を正確に把握することから始めてみてください。


監修者:柴田 充輝

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。