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お金のプロ「老後破綻の原因になっているかも…」→良かれと思って買ったけど無駄になる『負の資産』とは?

  • 2025.9.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

老後の安心を願い、これまで懸命に貯蓄や資産運用をしてきた方も多いはず。しかし、その「良かれ」と思って購入・投資した資産が、結果的に経済的な負担となり生活破綻の原因に繋がることがあるのをご存じでしょうか?価値が下がる、高い維持費がかかるなど、購入時には想定していなかったリスクに直面し、資産の意味をなさなくなるケースが少なくありません。この記事では、老後にありがちな「資産の無駄遣い」を掘り下げ、賢い選択のヒントをお伝えします。

つい手を出しがちな老後破綻リスクの高い資産とは?

まず、老後の資産運用や支出で問題になりやすい代表的なものをご紹介します。例えば、高級外車や大型バイクなど趣味性が高い車両は購入時の高額な価格だけでなく、保険料や税金、維持費が重くのしかかります。実際に高齢になると運転リスクが増し、乗らなくなるケースも多く無駄になりがちです。

住宅も同様です。老後を迎えてからのマイホーム購入や立地条件が悪い別荘は固定資産税や管理費、修繕費が重く、場合によっては老後資金を圧迫しかねません。さらに、骨董品やアート作品などは専門的な知識が必要で、買い手が限られるため換金性が低く、資産価値が目減りしやすいリスクがあります。

また、「元本割れしない」商品として人気の一部の金融商品も長期的にはインフレに負けることや手数料で目減りしてしまうこともあるため注意が必要。これらは全て「良かれと思った」選択でも、老後の資金繰りを困難にする場合があります。

老後の資産価値を守るために知っておきたい背景と具体的な影響

なぜこれらの資産が老後に無駄になるかというと、年齢を重ねるにつれて必要な支出や体力、ライフスタイルが大きく変わるからです。例えば、車一つを取っても、若い頃は趣味や移動の利便性から「いくらでも維持する価値がある」と感じられても、高齢になると維持コストが負担になるだけでなく、事故リスクも高まります。結果として仕方なく手放しても、一般的には売却価格は購入価格よりも下がるため、損失になることがほとんどです。

同様に、住宅は管理が難しくなる上に、足が不自由になったり階段の上り下りが難しくなったりすると、定期的に大規模な修繕費用が発生しやすいです。固定資産税などの負担もまた、収入が減る老後に重くのしかかり、活用できなければ維持費の無駄遣いにつながります。

これらのリスクを避けるためには、老後生活の実態に即した資産形成や支出計画が不可欠です。まずは、自身の健康状態や生活スタイルの変化を考慮し、本当に必要なものか見極めることが大事。例えば、趣味の車やバイクは維持コストの全てをしっかり把握し、無理のない範囲に抑えること。いざとなれば売却しやすい商品を選ぶことも重要です。

住宅についても、子どもが独立した後の住み替えやリフォーム計画を早めに検討し、大きな固定費を長期にわたって抱え込まない工夫をしましょう。中古住宅やコンパクトな住まいへの移転は資産を守る1つの手段です。

金融商品では、リスクの分散と同時に、現金化のしやすさを意識してください。信頼できる金融機関や専門家に相談しつつ、手数料や税負担、インフレ影響を加味した老後のシミュレーションを行いましょう。物質的な資産に偏るよりも、バランスの良いポートフォリオを作ることが老後の安心へつながります。

老後資産は「選び方」が命。無駄な支出を減らし、賢く備えよう

老後の生活を支えるために「良かれ」と思って購入した資産が、実は無駄になったり破綻の原因になったりすることは少なくありません。車や住宅、趣味のコレクションなど特に注意が必要で、維持費や換金性、人生後半のライフスタイル変化を踏まえて慎重に判断することが求められます。

最も大切なのは、資産の価値やリスクを見極め、老後のお金の流れを見通しながら計画を作ること。単なる所有欲や表面的な価値にとらわれず、実際の生活で活用できるかどうかを基準に資産を選びましょう。そうすることで、不安や負担のない、豊かで安心できる老後生活の実現がぐっと近づきます。


監修者:有限会社バード商会 代表取締役 鳥谷 威(https://financialplanertk2021.com/

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得意分野は、家計管理(とくに光熱費)と資産形成。福岡の大学を卒業後、大手ガス会社にて家庭の光熱費削減や新電力の業務に約4年間従事。クレカ請求業務も経験。
現役世代の人の家計が『今より豊かになるように』という想いのもと、約3年かけてCFP(R)資格を取得。
現在は、各種金融メディアでの執筆・監修・日本FP協会の支部相談員としても活動中。
20・30代の人に、早いうちから家計の見直しや資産形成の大切さを伝えたく日々奮闘中。