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『老後資金が足りなくなる人』は見落としがち…知っておくべき『落とし穴』とは?【お金のプロが監修】

  • 2025.8.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「老後のためにしっかり貯金しているから大丈夫」─そう考えていませんか?確かに通帳の残高は目に見える安心感を与えてくれますよね。でも、実はそれだけでは老後資金が足りなくなるリスクがあるのです。年々の物価変動、医療費の増加、想定外の支出など、老後生活には“見えない落とし穴”がたくさん潜んでいます。この記事では、通帳残高だけでは見逃しがちなポイントを具体的に解説し、安心できる老後資金の考え方を一緒に見直していきましょう。

通帳の数字だけではわからない!老後のお金に関する盲点とは?

まず押さえておきたいのは、通帳の残高が減らなければ安心、という単純な考え方自体が危険だということ。たとえば、老後の収入源として受け取る年金額以上に、支出は大きく増えるケースも見受けられます。食費や光熱費は物価や社会情勢の変化で増えることもありますし、健康状態の変化によって医療費や介護費用に想定外の負担がかかる可能性もあります。

また、生活費以外にも住宅の修繕費、趣味や旅行などの余暇費用、また急な親族の支援といった出費も考慮しなくてはなりません。金融資産の単純な合計はこれら変動する費用のバランスを反映していないので、通帳の残高が高くても実際は不足するリスクがあります。

さらに、一般的には現役時代と比較し収入の減少が見込まれる一方で、支出の内訳が大きく変わることにも注意が必要です。税金や保険料の負担、そしてインフレ率が低くても長期にわたって続くインフレの影響も見逃せません。こうした複合的な要素が絡み合っているため、単純な通帳残高だけでは「安心できる老後資金か」の判断はできないと思ったほうがよいでしょう。

老後資金を守るための具体的なポイントと見直しのコツ

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ではどうすれば良いのか?まずは、老後にかかる総支出を現実的にシミュレーションすることから始めましょう。老後の必要生活費は光熱費や食費だけではありません。その中に医療費や介護費、余暇費用の予算もきちんと含めておく必要があります。さまざまなサイトで必要な資金のシュミレーションができるため、年代別の平均支出と自己状況を照らし合わせてみるのがおすすめです。

次に、資産バランスを多角的に考慮しましょう。銀行の普通預金や定期預金以外にも、不動産や株式、投資信託、年金など多様な資産をバランスよく確保することで、リスク分散につながります。通帳に映っているのは現金預金だけなので、それ以外の資産価値も含めて把握するのが大切です。

さらに、医療保険や介護保険の加入状況を確認し、必要に応じて保険内容の見直しや追加も検討しましょう。費用増に備えた計画的な準備が欠かせません。

最後に、これらのプランは一度立てたら終わりではありません。年齢や生活環境の変化、経済状況の変動を踏まえ、定期的に見直しをすることが大切です。ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談するのも良いでしょう。

通帳の数字だけで安心しないで

老後資金の“落とし穴”は、通帳の残高だけに頼ると見落としがちな、実際の支出増や想定外の費用、資産構成の偏りなど、多くの要素が絡み合っています。だからこそ、しっかりと早めのうちから老後に向けた生活全体をシミュレーションし、多角的な視点で資産状況を捉えることが不可欠です。

いつまでも安心できる老後を過ごすために、貯金の数字だけに一喜一憂せず、生活の中身や将来の変化を踏まえた資金計画を立てていきましょう。いま一度、老後のお金について見直してみる良いタイミングかもしれませんね。


監修者:有限会社バード商会 代表取締役 鳥谷 威(https://financialplanertk2021.com/

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得意分野は、家計管理(とくに光熱費)と資産形成。福岡の大学を卒業後、大手ガス会社にて家庭の光熱費削減や新電力の業務に約4年間従事。クレカ請求業務も経験。
現役世代の人の家計が『今より豊かになるように』という想いのもと、約3年かけてCFP(R)資格を取得。
現在は、各種金融メディアでの執筆・監修・日本FP協会の支部相談員としても活動中。
20・30代の人に、早いうちから家計の見直しや資産形成の大切さを伝えたく日々奮闘中。