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『親の老後が不安な人』は今すぐ実践して…老後破産を回避するための“3つのプラン”とは?【元銀行員が解説】

  • 2025.8.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「親の年金だけで暮らせるのか」「介護が必要になったら…」と、不安はあるのに、何から始めれば良いか分からない方は多いのではないでしょうか。

大切な親が老後破産して不自由な生活を送らないようにできる準備は、今からでも可能です。老後破産を回避する現実的な3つのプランを紹介します。

この記事では元銀行員としての知見を交えて、対策の始め方から3つのプランの実践までわかりやすく解説します。将来の安心を得るため、できることを少しずつ積み上げていきましょう。

家計の現状を棚卸しし、対話から始める

親の老後資金を考えるファーストステップは、家計の現状把握です。家計の全体像を把握するため、次の内容を確認しましょう。

  • 資産:預貯金、退職金の見込み
  • 収入:年金額
  • 負債:住宅ローン残高
  • 保険:医療保険の有無、保障内容

このように資産・収入・負債・保険に分けて整理すると状況がより明確になり、家計の全体像が明らかにできます。家計簿アプリを使うと、口座やクレジットカードの利用明細を自動集計できるため、作業時間を短縮できるでしょう。

老後に向けた具体的な資金が把握できたら、親子で率直に話す機会が必要です。「将来、どんな暮らしを望んでいるか」「介護が必要になったらどうしたいか」を共有すれば、具体的な行動計画の設計に移れるでしょう。

老後破産を防ぐ3つの現実的プラン

将来の不安を減らすためには、今からできる備えを少しずつ始めることが大切です。ここでは、親の老後破産を防ぐために役立つ3つのプランを紹介します。

プラン① 固定費の見直しと見える化

生活費の中でも大きな割合を占める費用が固定費です。主な固定費と見直し方法は、以下のとおりです。

固定費の項目 見直し方法
住宅ローン

・金利の低いプランへの借り換え

・繰上返済の検討

通信費

・不要なオプションの解約

・安価なプランへの切り替え

・格安SIMの利用検討

保険料

・保障内容の見直し

・不要な特約の解約

・保険会社の切り替え

サブスク費 ・利用頻度の低いサービスの解約

一度契約して放置したままにせず、定期的に内容を見直せば、将来の余裕資金を生み出せます。

プラン② 医療・介護の制度と連絡先の把握

老後生活は、制度を知っているかどうかで金銭的な負担額が大きく変わります。高額療養費制度や介護保険などは、老後生活で欠かせないため事前に学んでおきましょう。

また、地域包括支援センターやかかりつけ医、ケアマネジャーなど、困ったときに頼れる連絡先は事前にメモしておくと安心です。

プラン③ 少額からの資産形成

老後資金は一度に用意できるほど容易ではありません。今から少しずつ準備するには、NISAやiDeCoを活用し、毎月数千円からでも始めると有効です。

リスクを抑えるためにも、投資の基本原則である分散投資と長期的な積立投資を意識しましょう。

親の老後を守るために、まず一歩を踏み出そう

親の老後破産を防ぐ対策は、特別な専門知識がなくても始められます。大切なのは、家計状況を把握し、将来の暮らしについて率直に話し合うことです。

老後破産の対策は将来の安心に直結するため、少しずつの積み重ねが大切です。親の人生が最後まで安心できるよう、今から計画的に行動を始めましょう。


執筆:河野 義広
政府系金融機関で17年半勤務した経験を持つWebライター。現在は独立し、金融やお金に関する幅広いテーマを執筆している。
法人営業・融資事務・預金業務・インターネットバンキングコールセンターの統括などの業務を経験してきた。証券外務員一種・FP2級・簿記2級などの資格も保有。
現場経験と専門知識を活かし、日々の暮らしや事業運営に役立つマネー情報をわかりやすく発信。事業の融資相談や家計相談も承っている。