1. トップ
  2. “朝ドラ女優も輩出” 11年前の日曜劇場「キャスティングで頭パニック」“豪華すぎる生徒役”が揃う史上最高の学園ドラマ

“朝ドラ女優も輩出” 11年前の日曜劇場「キャスティングで頭パニック」“豪華すぎる生徒役”が揃う史上最高の学園ドラマ

  • 2025.8.15

錦戸亮、満島ひかりらが高校教師役を演じた、宮藤官九郎脚本による2014年10月期放送のTBS系 日曜劇場『ごめんね青春』。史上最高の学園ドラマと名高いこの作品は、因縁のある男子校と女子高の合併をめぐり、男子校の教師である平助(錦戸)が奮闘する。数々の問題に直面しつつも、個性豊か過ぎる生徒たちが和解しはじめ、言いたいこと言い合いながら、やがて互いに協力しあうようになっていく。本作では、閉塞感とは無縁の学園生活が描かれ、“青春ドラマ”の爽快な醍醐味が詰まっていた。

男子を知らない女子たちの個性が強烈!女子>男子の関係性が開放的に変化

静岡県にある仏教系男子校・駒形大学附属三島高校(通称・東校)の教師である平助(錦戸)は、14年前に起こったある不幸な事故が原因で人生が狂い、それ以来、地元、母校にとらわれて生きてきた。そんな折、彼の勤める東校と隣接する女子校・聖三島女学院(通称・三女)の合併話が持ちあがる。

合併に向けて、3年生の1クラスを実験的に男女共学にすることに。生徒たちの一部、担任である平助と三女の教師・蜂谷りさ(満島)が入れ替わる。しかし、共学の初日、三女に向かった平助と東校生に対し、いきなり手痛い洗礼が待っていた。

三女の神保愛(川栄李奈)や阿部あまり(森川葵)が勝気な言葉で平助や東校生に突っかかる。さらに、生徒会長の中井貴子(黒島結菜)は、平助を理詰めに…。遠藤いずみ(富山えり子)は、食欲優先で平助の話を聞かず、山田・ビルケンシュトック・京子(トリンドル玲奈)も無関心な様子だ。そんな5人が三女パートの中心人物で、女子たちは一丸となり、平助たちに抵抗していた。

三女に東高生との男女交際を禁ずる校則があるにも関わらず、あまりと東校生・海老沢ゆずる(重岡大毅)の交際が発覚。切羽詰まった2人は、大胆な行動に出て…。

第2話では、この一件を踏まえ、平助が自分の体験談を交えて生徒に訴えかけた。それがわずかながらも生徒たちに響き、女子たちの心にも変化が生まれる。その後、共学クラスがなくなるピンチに陥るも、結果的に女子は男子の存在を“アリ”と認めた。共学クラスは継続し、合同文化祭の話も進み、物語の大きな一歩となった。

生徒たちの恋も活発に! 一致団結した生徒たちは皆「熱い!」

undefined
黒島結菜 (C)SANKEI

物語が進むと、生徒&先生たちの恋も活発に動き出す。ビルケンは、“一人クローズ”古井豊(矢本悠馬)と付き合い、東校の“クイズ”好きの昭島司(白洲迅)は、同じクイズ好きの遠藤に惹かれるように。そして敵意丸出しだった中井貴子(黒島結菜)は、平助のことが気になり…。先の一件で東校クラスに入ることになったあまりが、正義感あふれる半田豪(鈴木貴之)に惹かれた。また、大木隆(竜星涼)と成田淳(船崎良)が佐久間りえ(久松郁実)に惹かれ…。

そんな入り乱れる恋模様を知るのは、東校の養護教諭“どんまい”先生こと淡島舞(坂井真紀)だ。成田になりすまし、彼のアカウントで東校の生徒たちとやりとりをしたり、後に平助に運命を感じる蜂谷先生の聞き役にもなり…。どんまい先生の存在は、物語になくてはならないものだった。

そして、半田に惹かれる村井守(小関裕太)は、女子たちから“コスメ”と呼ばれ、三女クラスで居心地のよさを感じていた。トランスジェンダーであった彼は、憧れだった三女の制服を着て登校。しかし、父である東高の理事長・村井晋太郎(津田寛治)にそれを受け入れてもらえず、2校の合同文化祭・合併が白紙になる危機に発展した。村井と彼を守ろうとする生徒たち、そして父の愛が涙を誘った。そんな紆余曲折を経て描かれた文化祭は、準備段階から“熱く”見どころ満載。

また、朝ドラ女優となった黒島や川栄、ドラマ主演も務める重岡や森川、竜星、さまざまな作品に引っ張りだこの小関や矢本ら、学生キャストの現在の活躍は、周知の通り。彼らが宮藤官九郎の描いた人物像をみずみずしく演じ切り放った“青春のきらめき”は、本当に美しく、だからこそ卒業とともに心からの寂しさを感じ、エールを送りたくなるような温かなドラマだった。

放送後「ギャラクシー賞月間賞」も受賞するなど、作品としても高評価を受けた本作。SNSでは「素晴らしかった」「最高傑作ドラマをありがとう」「キャスティングで頭パニックになるくらい豪華すぎる」との声も届いていた。是非、改めて視聴してみて、とびきりの“青春”を味わってほしい。


ライター:小松加奈
ライター/編集者。音楽・映画・ドラマ・アニメなどのエンタメ系を中心にインタビュー/レビュー/コラム記事などを手掛ける。