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「NHKでは珍しい」「主役より目立ってる」夜ドラ再放送“シリーズ2”でも強烈…!“魅力を爆発”させた美人女優

  • 2026.3.10

鮮やかな謎解きやスリリングな犯人逮捕が定番の刑事ドラマだが、夜ドラ『事件は、その周りで起きている』シリーズは、その常識を軽やかに裏切るぶっ飛んだ作品だ。事件の解決なんて二の次、刑事たちの日常や些細すぎるトラブルを全力で描く異色のコメディ。

舞台である新月署の面々のなかで、ひときわ強烈な存在感を放っているのが、倉科カナ演じる向田舞である。完璧主義で野心があって向上心の塊、なのにどこかズレている。シリーズ1に引き続きシリーズ2でも「ついつい見ちゃう」「主役よりも目立ってる?」「NHKでは珍しいキャラ」と話題の、“ウザいのに憎めない”魅力を爆発させた倉科に、あらためて注目したい。

※以下本文には放送内容が含まれます。

事件よりも周りが大騒ぎ?

大人気につき新シリーズの放送がはじまった夜ドラ『事件は、その周りで起きている』、主演は小芝風花。彼女が演じるのは、新月署の刑事・真野一花である。正義感が強く真面目な性格で、どこまでも仕事に一生懸命なのが特徴。しかし、このドラマでは事件そのものや華麗な解決よりも、その“周辺”で起きる出来事が主軸になる。

たとえば、差し入れのセンスを巡って署内が微妙な空気になるエピソード。はたまた、ただの参考人が黙秘を続ける理由を巡る推理。ある日には、張り込み中の些細な衝突から、刑事同士がまるで“家庭内別居”のような状態になる騒動が起こる。そして、ロッカー整理を巡る妙な攻防戦などなど。
どれも刑事ドラマとしては小粒な出来事だが、登場人物たちはそれを全力で受け止め、真剣に議論する。

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夜ドラ『事件は、その周りで起きている』シリーズ2(C)NHK

脚本を手がけるのは倉持裕。コント番組『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』のスタッフ陣が制作に関わり、15分というコンパクトな時間のなかで、テンポのよい会話劇が繰り広げられる。警察署という閉鎖空間のなかで、登場人物たちの細かな感情や小さなプライドがぶつかり合い、独特の笑いが醸成されていく。

その中心にいるのが真野だ。生真面目ゆえに空回りする姿が、どこか愛らしい。そして、その真野を取り巻くクセの強い刑事たちが、このドラマの魅力をさらに膨らませている。
なかでも強烈なインパクトを放っているのが、倉科カナ演じる向田舞だ。

倉科カナが風を吹かせる“クセ者”キャラ

向田舞は、一言でいえば“完璧主義な野心の塊”。常に自分の力を試したい、もっともっと上にいける! という意識を持ち、周囲にも堂々とした態度を崩さない女性だ。
しかし、彼女の魅力は単なる“クセ者”キャラに留まらない。完璧を装っているのに、どこかズレている。自信満々に語る理屈が微妙に的外れだったり、周囲のペースに振り回されてしまったりする。その姿が絶妙に滑稽なのだ。

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夜ドラ『事件は、その周りで起きている』シリーズ2(C)NHK

向田がシーンに現れるだけで、空気のテンションが一段階上がる。小芝風花演じる真野や、笠松将演じる宇田川との会話は、噛み合っているようでどこかズレており、テンポの速い掛け合いが次々と笑いを生む。とくに小芝と倉科は、過去にドラマ『トクサツガガガ』でも共演しており、名コンビ再来! と話題を呼んだ。
さらに印象的なのは、倉科の表情の使い方である。凛とした美しさを保ちながらも、プライドが傷ついた瞬間に見せるわずかな表情の歪み。その微妙な変化が、キャラクターの滑稽さと人間味を同時に生み出している。

向田舞は、決して愛想のいい人物とは言えない。むしろ面倒くさい性格だろう。しかし、その不器用さや必死さ、とっつきにくさに、どこか愛嬌を感じさせる。倉科カナは、その絶妙なバランスを見事に演じ切っている。

シリーズ3へ、さらに広がる新月署のカオス

倉科カナといえば、かつては“清楚なヒロイン”というイメージが強かった。朝ドラ『ウェルかめ』でヒロインを務め、明るく爽やかな存在として広く知られるようになった。しかし、その後の彼女のキャリアを振り返ると、実に幅広い役柄に挑戦していることがわかる。

『名前をなくした女神』では、ママ友関係のなかで苦悩するヤンキーママ役を好演。『奪い愛、冬』では、激しい感情が渦巻く愛憎劇のなかで強烈な存在感を放った。さらに『正直不動産』では、冷徹なビジネスパーソンとしての顔と母親としての顔を併せ持つ女性を演じ、作品にリアリティを与えている。
こうした役柄を通じて、倉科は“優しい清純派ヒロイン”という枠を超え、さまざまな表情を持つ女優へと進化してきた。穏やかな笑顔から一転して激情を見せる“豹変する演技”や、キャラクターの矛盾を魅力に変える表現力は、まさに実力派俳優のそれだ。

向田舞という役は、そんな倉科の演技の幅が存分に発揮されるキャラクターだろう。美しさと滑稽さ、知性とズレ。相反する要素を同時に成立させることで、人物に奥行きを生み出している。
シリーズ3では、ふたたびこのクセ者たちの会話劇が帰ってくる。真野、宇田川、向田、そして新月署の面々がどんな騒動を巻き起こすのか。事件は相変わらず、解決されないかもしれない。しかし、その周りで起きる人間ドラマは、きっと今回も賑やかだ。


NHK 夜ドラ『事件は、その周りで起きている』シリーズ2
NHK ONE(新NHKプラス)配信中

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_