1. トップ
  2. 『老後に後悔する人』は手を出しがち…注意すべき“3つの資産運用”とは?【元銀行員が監修】

『老後に後悔する人』は手を出しがち…注意すべき“3つの資産運用”とは?【元銀行員が監修】

  • 2025.8.9
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

「老後に備えて資産運用を始めたけど、思ったほど効果が出ずに後悔している」という話をよく耳にします。せっかく時間とお金をかけたのに、老後の生活が安心できないと感じるのは本当に悲しいですよね。では、なぜ資産運用で失敗する人がいるのでしょうか?実は、多くの人が手を出しがちな“資産運用”には共通した落とし穴があるんです。この記事では、その運用法の特徴やリスク、後悔してしまう理由についてわかりやすく解説します。

資産運用の落とし穴に注意!「怪しいけど魅力的な3つの選択肢」

老後資金作りのために多くの方が資産運用に挑戦しますが、なかでも特に注意すべき3つの手法があります。それは、「高利回りを謳うソーシャルレンディング」「短期間で大きなリターンを狙うFX取引」「人気広告に踊らされる不動産投資」です。

1、ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングは、ネットを通じて多くの出資者から資金を集め、運営会社が第三者へ貸し付ける仕組みです。公表される予定利回りは預金金利を大きく上回るため、一見すると魅力的な選択肢のように見えますが、実態は貸し倒れ事例や運営トラブルが報告されており、ハイリスクな投資です。また、投資先の第三者に関する情報開示も十分でないケースが多く、非常に投資判断が難しいのが特徴です。

2、FX(外国為替証拠金取引)

FX(外国為替証拠金取引)は24時間取引可能で短期間に手軽に利益を得るチャンスがあるため人気ですが、価格変動の大きさゆえに損失を被りやすく、特に初心者にはハイリスクな投資になります。為替相場が想定通りに動けば大きなリターンが期待できますが、為替相場が想定と逆に動けば、損失が大きくなる一方となります。為替相場は、世界の政治・経済情勢に敏感に反応し、想定を超える変動もたびたび起きます。老後の安定収入源としてはあまり適切とは言えません。

3、不動産投資

不動産投資ですが、広告やセミナーで「副収入が得られる」と謳われ、多くの人が気軽に飛びつきます。しかし、築年数や管理費用、空室リスク、地域の市場動向を見誤ると、赤字経営に陥ることも少なくありません。不動産投資に関する十分な知識や、投資対象物件に関する詳細な情報、長期的な投資計画など、十分な準備なしに始めると後悔する典型例です。

なぜ後悔する?資産運用のリスクと向き合うための知識

これらの資産運用が後悔を生む最大の理由は、「リスクの理解不足」と「周囲の情報に流されやすいこと」にあります。高利回りや短期間での利益ばかりに注目し、リスクを軽視してしまうケースが目立ちます。特に、ネット上の宣伝や口コミ、セミナーの巧みな話術に影響されて判断を誤ることが多いのです。

加えて、これらの運用は元本保証がなく、流動性も低い場合があります。老後の資産は「安全性」「流動性」「収益性」のバランスが重要ですが、その点をなおざりにしてしまうと、いざという時に現金が手元になく、生活が苦しくなる事態を招きかねません。

例えば、ソーシャルレンディングの運営会社が破綻して投資資金が戻らないケースや、FX取引で大きな損失を出して補填できずに債務超過になるケースは実際に多数報告されています。また、不動産も経済状況の悪化や人口減少地域では空室が続き、購入時の想定収入を得られず赤字になることもあるのです。

資産運用では、「楽して稼げる」という話に飛びつく前に、まずは冷静にその投資を十分に理解し、リスクをしっかり認識することが大切です。
その上で、いきなり多額を投資するのではなく、少額から投資を始め、その投資方法に慣れ、理解を深め、じっくり投資を拡大しながら、余裕資金による投資を継続することが必要です。

安心できる資産形成に向けて考えるべきこと

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

後悔しない老後の資産運用を考えるなら、「リスクを分散する」「長期で着実に増やす」「過剰な期待を持たない」ことがポイントです。銀行預金だけではインフレで資産価値が目減りするので、株式投資や投資信託を活用しつつも、理解できる範囲で幅広く分散投資するのがおすすめです。

また、「毎月無理なく積み立てる習慣」も投資方法としては有効です。NISAやiDeCoを利用すれば、税制面の優遇を受けつつ老後資金を形成できます。そして、金融機関任せにするのではなく、自分自身で情報を収集し理解を深めることが重要です。

もし不安があるなら、信頼できるファイナンシャルプランナーや専門家に相談し、多角的にリスクとリターンを検証した上で資産運用を進めましょう。そうすれば、老後に焦ったり後悔したりするリスクをぐっと減らせます。

後悔しない資産運用で老後を安心に!賢い選択につながる3つの基本

老後に後悔する人が手を出してしまう3つの資産運用である、ソーシャルレンディング、FX、不動産投資にはそれぞれ重大なリスクが潜んでいます。これらに飛びつく場合は、リスクの理解が欠けやすく、安易な期待で失敗しがちです。

そんな資産運用の失敗を回避する為には3つの基本を忘れないことが大切です。

1、高利回り投資商品は、ハイリスク商品であることを認識すること。
高利回りで低リスク商品はありません。利回りとはリスクの度合いです。低リスクに見えても、必ず高リスクが潜んでいます。そのリスクに目を瞑って投資することは、ギャンブルに等しいです。

2、自分が理解できない投資商品には投資しない。納得いくまで情報収集する。
投資とは、自分の大切な資産を投じることです。十分な準備をしましょう。よく分からない投資商品を購入することは、知らない人にお金を貸すことと同じことです。

3、まずは、少額で投資を始め、投資経験を積む
誰もが最初は投資初心者です。今、投資で成功している人も、多くの人は最初は失敗しているでしょう。その失敗から学び、少しずつ賢い投資家になっていけば、徐々にあなたが望む投資リターンが得られるようになっていくでしょう。その為に、まずは、十分な準備のうえ、少額投資で経験を積みましょう。

無理のない範囲で計画的に、余裕を持った賢い資産運用を行い、安定した老後生活を手に入れましょう。


監修者:青木雅弘
大手銀行にて長年企画セクションに従事。飲食店経営を経て、現在は資産運用アドバイス等を行う事務所代表。



電車で『痴漢扱い』されたら…逃げた方が有利って本当?!→ 冤罪に巻き込まれた時の“NG行動”とは?【弁護士が監修】
電車で『痴漢扱い』されたら…逃げた方が有利って本当?!→ 冤罪に巻き込まれた時の“NG行動”とは?【弁護士が監修】