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初回放送後、TVer100万再生越え…!「コメディ風な会話なのに闇深い」“散りばめられた伏線”に飛び交う考察

  • 2025.7.14

TVer再生数100万回超で話題のドラマ『誘拐の日』が7月8日(火)に第1話が放送された。単なる誘拐劇に留まらず、天才少女・七瀬凛(永尾柚乃)の謎や過去事件との関連など考察要素が満載。斎藤工演じる巻き込まれ型主人公・政宗のリアルな人間味も見どころとなり、視聴者の想像力を刺激する仕掛けが随所に散りばめられている。

巻き込まれ型ヒューマンミステリーが支持される理由

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『誘拐の日』第1話より(C)テレビ朝日

2023年韓国ドラマ原作の日本リメイク『誘拐の日』が、TVerで早くも100万回以上再生を記録し話題を呼んでいる。その理由は、ただの誘拐劇では終わらない物語構造にある。

主人公・新庄政宗(斎藤工)は、娘の手術費用のため、妻の指示で天才少女・七瀬凛(永尾柚乃)を誘拐する。しかしその凛は、記憶喪失で言語も複数話せる謎多き存在。しかも数日後、凛の両親が殺害されるという展開が描かれ、単純な誘拐ドラマの枠を大きく超えていく。

誘拐もの×サスペンス×親子ドラマ。この複雑な構造が、火曜21時枠(通称:火9)という王道枠で放送されるからこその意外性を生み出している。

SNSで特に盛り上がったのが、七瀬凛の腕にあった傷痕だ。「虐待? いや、あれは椅子に拘束された痕では?」「コメディ風な会話なのに闇深い」という声が多数。

また、彼女が何か国語も話せる理由も謎だ。地下室、学術トロフィー、水原由紀子(内田有紀)の涙……。随所に散りばめられた伏線は、1話時点ですでに視聴者の想像力を刺激している。

天才少女でありながら記憶喪失。さらに何者かに拘束され、実験的な環境で育てられていたのでは? と考察されるのも無理はない。

物語を貫く“過去と現在”の重なり…。考察が止まらない仕掛け

1話冒頭では1995年の病院で起きた殺傷事件が描かれた。30年前と現代、ふたつの事件がどこかで重なり合う構造が、考察好きの視聴者の心を掴んでいる。

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『誘拐の日』第1話より(C)テレビ朝日

そして、水原由紀子の涙。彼女は本当に医学博士として七瀬家と関わっていただけなのか? もしかしたら、凛の実の母親なのでは? SNS上ではそんな推測も生まれている。七瀬院長たちは好人物だったのか、それとも子どもを危ない目に合わせるような人間性だったのか。はたまた、裏の鍵を握っているのは水原博士なのではないか。考察が加速する要素ばかりである。

考察型火9ミステリーの新機軸?疑似親子バディに期待

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『誘拐の日』第1話より(C)テレビ朝日

斎藤工が演じる新庄政宗は、これまでの彼のイメージとは少し違う。物静かでクールな役柄が多かった彼が、今回は少々マヌケで臆病で人が良すぎる中年男を演じている。

しかしその頼りなさこそが、斎藤工の新たな武器であり真骨頂とも言える。娘のために誘拐という大罪に手を染めるが、それでも積極的に誰かを傷つけようとはしない。巻き込まれ型主人公としてのリアルな弱さと強さを、絶妙なバランスで演じている。

「斎藤工=カッコいい男」という固定イメージを崩し、でもどこか影と色気を残すその佇まいが、政宗というキャラクターに説得力を与えている。

ドラマ『誘拐の日』は、視聴者を考察に巻き込むタイプの新たな火9ミステリーとして、確実に存在感を示した。

今後のポイントは、疑似親子バディとなる政宗と凛がどのタイミングで本当の親子のようになれるのか。そして凛が記憶を取り戻したとき、政宗との関係性がどう変わるのか。さらに、七瀬家の地下室の秘密、水原博士の正体、1995年の事件との関連…。考えるべきことは山積みだ。

「ただの誘拐劇では終わらない」からこそ、考察が止まらない。その余白を楽しみながら、2話以降もじっくり見守りたい。


テレビ朝日系 『誘拐の日』毎週火曜よる9時
TVerで見逃し配信中
https://tver.jp/episodes/ep7t8edmdfp

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_