1. トップ
  2. 「変貌ぶり」「ゾワゾワしちゃった」また“新な難役”に挑む…!初回放送で見せた“二重生活者”の顔に反響の声【ドラマDEEP】

「変貌ぶり」「ゾワゾワしちゃった」また“新な難役”に挑む…!初回放送で見せた“二重生活者”の顔に反響の声【ドラマDEEP】

  • 2025.7.7

「不倫を隠す美学、暴く覚悟」そんな衝撃的な副題で幕を開けた、日本テレビ系 ドラマDEEP枠『完全不倫』。主演を務めるのは、仁村紗和と前田公輝。7月1日(火)の初回放送直後からSNSでは、「ゾワゾワした」「あっという間の30分」「仁村紗和ちゃんの変貌ぶりが良い」など、戸惑いと興奮が交錯する声が飛び交った。

undefined
(C)SANKEI

「送金アプリで不倫連絡」──現代的トリックとリアリティ

この作品の新しさは、従来の“不倫を裁く”構図とは違い、“いかに不倫を隠し通すか”に焦点を当てている点にある。善悪のジャッジを留保し、不倫を冷静に戦略化して描くことで、視聴者にある種の知的スリルを与える。まさに、不倫ミステリーという新ジャンルの誕生と言えるだろう。

そんな異色作で強烈な存在感を放つのが、仁村紗和演じる主人公・千春だ。一見、明るくてしっかり者、夫に愛される理想的な妻。しかしその実、送金アプリのメッセージ機能を使って不倫相手と連絡を取り合うなど、裏では周到に“裏切り”を実行している。SNSでは「LINEでやりとりは古い?」「手口がバレちゃった」と話題に。まさに時代の空気をとらえた不倫のアップデートだ。

演技の幅広さ──仁村紗和のキャリアから見える魅力

仁村紗和の演技は、そのギャップを成立させる巧みさにある。表面は穏やかで愛され妻、だが内側には一切の罪悪感を見せず、淡々と裏の顔を生きる姿。その切り替えの精度は、視聴者の感情を“共感”から“疑念”へとぐらつかせる。些細な目の動きや、わずかな声のトーンの揺れに“演じている感情”をにじませる技巧は圧巻である。

仁村はこれまでも、さまざまな女性像をリアルに演じてきた。『SHUT UP』では社会的立場の弱い女性の怒りと希望を、『若草物語』では等身大の揺らぎを、『あなたを奪ったその日から』では真実を追い求める記者の鋭さを体現した。そして『完全不倫』では、表向きには完璧な妻、裏では巧妙に愛人関係を築く“二重生活者”という、また新たな難役に挑んでいる

彼女が演じる千春は、「良妻」という仮面を被りながらも、常に綱渡りのような緊張感を抱えて生きている。夫への笑顔の裏でスマホを操作する姿、その一瞬の目線の移動に、見ているこちらも息を呑む。視聴者は彼女の裏切りに気づきつつも、なぜか目を離せない。仁村紗和という女優の表現力が、視線の先にある“真実”を見せてしまうからだ。

仁村紗和演じる千春の“新しさ”とは何か?

物語の面白さは、登場人物たちの不倫が“倫理”ではなく“戦術”として扱われる点にある。拓哉の幼馴染・桜井(野村周平)は「不倫はバレてからが勝負」などと語り、夫婦関係は“騙す側”と“騙される側”の攻防戦として描かれていく。ある意味でブラックユーモアとも言える世界観だが、仁村の存在が作品に芯を通している。

第1話から仕掛け満載の本作。果たして千春はどこまで不倫を隠し通せるのか? そして夫・拓哉はその事実に気づくのか? 従来の“不倫=修羅場”とは異なる、“知能戦”としてのラブミステリーは今後ますます加速していくに違いない

そして、仁村紗和がこの物語の“顔”として、どんな感情の振れ幅を見せていくのか。それが、視聴者が本作に引き込まれる最大の理由なのかもしれない。


ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_