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【横浜流星】映画『国宝』インタビュー「吉沢亮くんは以前共演した時も、今回も親友役。運命的です」

  • 2025.6.24

歌舞伎に人生を懸ける男たちの生き様を描く映画『国宝』。歌舞伎界の御曹司を演じる横浜流星さんが、“本物”に迫るために重ねた日々と、役へのまなざしを語る。

profile 横浜流星
よこはま・りゅうせい 1996年9月16日生まれ、神奈川県出身。2011年、俳優デビュー。映画『流浪の月』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、『正体』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で主人公、蔦屋重三郎役を好演中。

“本物”に近づくためのひたむきな積み重ね

『流浪の月』に続いて、李相日監督と再びタッグを組んだ映画『国宝』。横浜さんが今回挑むのは、歌舞伎名門の御曹司で、主人公、喜久雄の親友であり、生涯のライバルとなる俊介役。李監督からの「本物の歌舞伎役者になってほしい」という言葉を受け止め、歌舞伎の芸を習得。最高レベルに達した芸と演技は、見る者を圧倒して魅せまくる。
 
「1年の準備期間をいただけました。これだけじっくり準備ができるなんて、本当に贅沢で幸せなこと。最初は歌舞伎をどこか遠い世界に感じていましたが、歌舞伎座に観劇するため通い、踊りは舞踊家・谷口裕和先生、歌舞伎の芝居は中村鴈治郎(四代目)さんに一から丁寧に指導していただいて。本物の歌舞伎役者を目指して、死に物狂いで駆け抜けました」
 
喜久雄を演じるのは、吉沢亮さん。
 
「以前共演した時も親友役で、今回も親友役。運命的です。吉沢くんは自然体な方で、たくさん言葉を交わさなくてもわかり合えるような感覚があって。なれ合いになりすぎず、お互い切磋琢磨して、近すぎず、遠すぎずいい距離感でいられました」

自身とは正反対の役を理解して愛した

歌舞伎の世界で育ち、歌舞伎役者になることが運命づけられている俊介と、任侠の家に生まれながら、芸の道に人生のすべてを捧げる喜久雄。「二人の生き様を見てほしい」と横浜さん。
 
「俊介は、自分に甘く、弱さを直視できずに逃げてしまう。僕とは正反対でむしろ苦手なタイプです(笑)。でも、演じるうえでそんな彼を理解して、愛しました。そして李監督の演出のおかげで、生身の人間がそこにいたと思います。毎回、代表作だと思って挑んでいますが、今回は特に、日本人である自分たちが、日本の伝統芸能を届けられる機会になりました。多くの方に見てもらいたいです」


information
『国宝』

李相日監督が『悪人』『怒り』に続いて吉田修一の小説を映画化。任侠の家に生まれながら類いまれな美貌を持つ喜久雄(吉沢亮)、歌舞伎名門出身の俊介(横浜流星)。二人の若者が挑む歌舞伎の世界、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた喜久雄の激動の50年を描く。全国東宝系にて公開中。

©吉田修一/朝日新聞出版
©2025映画「国宝」製作委員会

Photograph=Takumi Taniguchi〈Pigmy Company〉
Styling=Go Negishi〈THE Six〉
Hair&Make-up=Akihito Hayami〈CHUUNi Inc.〉
Text=Miku Sugishima

※InRed2025年7月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

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