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『グッドボーイ』で完全変身、パク・ボゴムが挑む“痛みを知るヒーロー”という新境地

  • 2025.6.4

JTBC新ドラマ『グッドボーイ』で、パク・ボゴムがこれまでにない“ブルドーザーのような青春像”を体現している。

彼が演じるユン・ドンジュは、かつて国の誇りとしてボクシング金メダルを首にかけた元アスリート。今では鋭い眼差しを持ち、警察の強力特殊チームの一員として犯罪の最前線に立つ。肉体に刻まれた傷と共に、殴り合う正義を信条とする男だ。

ドラマでは、額から流れる血、青く腫れた頬、汗に濡れた髪、そんな闘いの証が彼の顔を覆う。しかし最も印象的なのは、その中で曇らない眼差しである。暴力が先行する粗野な言動の裏には、静かな優しさと仲間を思う責任感が滲む。

ドンジュは単なる熱血漢ではなく、諦めない執念と痛みを抱えながらも前進する覚悟を体現した人物として描かれる。

『グッドボーイ』は単なる青春アクションにとどまらず、喪失と再生、信念と妥協の狭間で揺れる若者たちの心情を描いたヒューマンドラマでもある。その中心に立つパク・ボゴムの存在感が、物語全体に重厚な軸を与えている。

パク・ボゴム
パク・ボゴム
俳優人生における大きな転機

そんな彼の挑戦の裏には、積み重ねてきた確かなキャリアがある。

『恋のスケッチ~応答せよ1988~』で天才囲碁棋士チェ・テク、『雲が描いた月明かり』で朝鮮王朝第23代王・純祖(スンジョ/演者キム・スンス)の長男のイ・ヨンこと孝明世子(ヒョミョンセジャ)、『ボーイフレンド』でトンファホテル新入社員キム・ジニョクを演じている。

さらに、『おつかれさま』でIU演じる海女の娘で文学少女のオ・エスンの幼なじみである鮮魚店の息子ヤン・グァンシクに扮した。
多くのドラマに出演して視聴者の心をつかんできたパク・ボゴムは、2011年の映画『ブラインド』でデビューして以来、着実に演技力を磨き、韓国ドラマ界を代表する俳優としての地位を確立している。

しかし、『グッドボーイ』での彼は、これまでのイメージを大きく塗り替える。洗練されたルックスの裏に、痛みや怒り、そして不器用ながらもまっすぐな正義感を宿すユン・ドンジュの姿は、新たな痛みを知るヒーローの誕生を予感させる。

顔を血に染め、それでも正面から立ち向かう男。その姿は、まさに新たな境地に踏み出したパク・ボゴムそのものである。『グッドボーイ』は、彼の俳優人生における大きな転機となるに違いない。本作は、Prime Videoで配信されているので、ぜひ見てほしい。

文=大地 康

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