小学生でも分かる問題にチャレンジ！「4÷0.8」→正しく計算できる？

今回は、小学校で習う小数の割り算問題にチャレンジしてみましょう。

小学校レベルというと簡単そうに聞こえるかもしれませんが、久しぶりに挑戦すると意外と難しく感じるかもしれませんよ。

昔習った計算方法を頑張って思い出すもよし、覚えている知識を活用して計算してみるもよし。自分なりのやり方で、答えを出してみてください。

問題

次の計算をしなさい。
4÷0.8

正解は、「5」です。

この割り算の答えは割られる数の4よりも大きくなりましたね。

割られる数が小さくなるイメージを持っていた人には意外だったかもしれません。

どうしてこうなるのかは、次の「ポイント」で紹介する「小数の割り算の仕組み」を見ていくと分かりますよ。

割る数が小数の割り算では、「割る数が整数になるまで10の倍数を掛ける」のがポイントになります。割る数が整数であれば、整数の割り算のルールの中で計算ができるからです。

今回の問題でいえば、0.8を整数にするには「×10」をすればよいと分かります。このとき「割られる数」の方も同じように10の倍数を掛けなければなりません（理由は後で説明します）。

では、この計算方法に沿って今回の問題を計算してみましょう。

4÷0.8
=(4×10)÷(0.8×10) ←割られる数、割る数どちらも「×10」する
=40÷8

これで、問題は小数の割り算から整数の割り算に変換されました。

あとは「40÷8」を計算しておしまいです。

40÷8
=5

割られる数にも割る数にも10を掛けるというプロセスが入るため、この割り算の答えはもとの割り算の割られる数である4よりも大きな5になったのですね。

以上が小学校で習う小数の割り算の仕組みです。

しかし、どうして割られる数と割る数を10倍した式がもとの式とイコール関係になるのか、釈然としない人もいるでしょう。

この仕組みは割り算の答えを分数で表すと分かりやすくなります。「A÷B」という割り算の答えは「A/B」という分数で表せます。例えば、「1÷2」なら答えは「1/2」です。

では、今回の割り算の答えも分数で表してみましょう。

4÷0.8
=4/0.8

分数は分子と分母に同じ数を掛けても大きさは変わりません。そこで、分子と分母に10を掛けます。こうすると、分母が整数になります。

(4×10)/(0.8×10)
=40/8

ここで「40/8」は、「40÷8」の答えと見ることもできますよね。

40/8
=40÷8

最初から順番に見ると、「4÷0.8」が分数表現を経て「40÷8」と同じ式になっているのが確認できるでしょう。

小学校で習った小数の割り算の計算方法がどうしても思い出せないときは、小数を分数に直して計算してしまってもOKです。

割る数である0.8は分数に直すと「8/10」です。分数の割り算では、割る数の逆数（分子と分母を逆にした数）を掛ければよいので、次のように計算できます。

4÷0.8
=4/1÷8/10
=4/1×10/8 ←8/10の逆数10/8を掛ける
=(4×10)/(1×8) ←分子どうし、分母どうしを掛ける
=40/8 ←分子分母を8で割って約分する
=5/1
=5

こちらの方法でも、問題なく5という答えにたどり着けましたね。

今回は、小数で割る割り算の計算方法を紹介しました。

小学校で習うのは、割る数に10の倍数を掛けて整数にしてから割り算するという方法です。このとき、割られる数の方にも同じ10の倍数を掛けることを忘れないようにしましょう。

割られる数と割る数、どちらにも同じ数を掛ければ割り算の答えは変わりません。その理由は割り算の答えを分数で表すと納得できるでしょう。

この方法をどうしても思い出せないときは、覚えている知識の中で計算できないか試してみるのもよいでしょう。例えば、小数の割り算は分数の割り算に直して計算することもできます。

久しぶりに小学校の問題にチャレンジすると、子どものころには気が付かなかった発見があるかもしれません。ぜひ、他の問題にも挑戦してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。

文（編集）：VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

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