1. トップ
  2. 工夫して10秒で計算してみて!「315÷21」→暗算できる?

工夫して10秒で計算してみて!「315÷21」→暗算できる?

  • 2025.6.28
undefined

今回は、三桁の割り算を暗算でスピーディーに計算できる方法を紹介します。

この問題は一見すんなり割れそうにないのですが、ある工夫をすることで計算の負担がぐっと軽減されますよ。

どのような工夫か気になる人は、ぜひチャレンジしてみてください。

問題

次の計算をしなさい。
315÷21

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「15」です。

「315÷21」という式は頭の中で筆算をするにしても、なかなかややこしいですね。制限時間が10秒以内となれば、なおさら難易度は上がります。

そんなときは、式をできるだけ簡単にする工夫をしてみましょう。

次の「ポイント」では、具体的な工夫の手順を紹介していますよ。

ポイント

この問題のポイントは、「割られる数と割る数を小さくしてから計算すること」です。

実は、割り算には「割られる数と割る数、どちらも同じ数で割るならば答えは変わらない」という特徴があります。

この特徴を使うことを前提にして、今回の式を今一度見てみましょう。

315÷21

この式の割られる数と割る数は、どちらも3で割れます

割られる数と割る数を3で割れば、数字が小さくなって計算しやすくなります。さっそく試してみましょう。

  315÷21
=(315÷3)÷(21÷3)
=105÷7

三桁÷二桁の式が、三桁÷一桁の式に簡易化されました。

あとは、「105÷7」の計算をするだけです。

105÷7=15

元の式をそのまま計算するよりも、ずいぶん楽に答えが出たのではないでしょうか。

割られる数と割る数を同じ数で割ってよい理由

先に紹介した計算の工夫ですが、「315÷21」と「105÷7」がイコール関係であるということに、なんとなくモヤモヤを感じる人もいると思います。

「315÷21」と「105÷7」は一見まったく別の式に見えますからね。

そこで、こうした工夫ができる理由を考えていきましょう。

コツは、割り算の答えを分数で表すことです。

「A÷B」という割り算の答えは「A/B」という分数で表せます。例えば、「1÷2」なら答えは「1/2」です。

今回の式「315÷21」も、答えは「315/21」という分数で表せます。

ここで分数には「約分」という仕組みがあったことを思い出してください。約分とは、分子と分母を同じ数で割って分数の大きさを変えずに簡単な数で表すことでした。

「315/21」でいえば、分子と分母はともに3で割れるので、約分して「105/7」にできます。割られる数は分子、割る数は分母として表せるので、この約分は割られる数と割る数を3で割っているのと同じことになりますね。

  315/21
=(315÷3)/(21÷3)  ←分子と分母を3で割って約分
=105/7

「105/7」は「105÷7」の答えですから、結果的には「315÷21=105÷7」が言えます。

こうしてみると、割られる数と割る数を共通の数で割っても、割り算の答えは変わらないことが納得できるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、数字を小さくし、式を簡単にしてから計算する方法を紹介しました。

割り算では、割られる数と割る数を同じ数で割ってから計算しても答えは変わりません。

なぜなら、割り算の答えは「割られる数/割る数」という分数で表せ、分数は分子と分母を同じ数で割っても大きさは変わらないからです。

もし、大きな数の割り算をするときは、この特徴を使って割られる数と割る数を小さくしてから計算をすると楽ですよ。

なお、今回紹介した方法はけして万能ではありません。暗算の工夫は問題に応じて形を変えるものです。ぜひ、他の問題にも挑戦してさまざまな工夫ができる力を鍛えてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


類似問題に挑戦!

意外と解けない大人が多いかも?!「216÷24」→暗算できる?
意外と解けない大人が多いかも?!「216÷24」→暗算できる?