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朝ドラの“新ヒロイン決定”で話題沸騰中! “注目ドラマ出演”から2014人の頂点に立った決め手とは?

  • 2025.6.30
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(C)SANKEI

上坂樹里が2026年度前期連続テレビ小説『風、薫る』の2人目のヒロインに選ばれた。

朝ドラ114作目となる『風、薫る』は、明治時代、看護師という職業の確立に貢献した、実在の人物をモチーフにした物語で、看護の世界に飛び込んだ2人の女性が主人公。すでに発表されていた見上愛に続き、上坂がもう一人の主人公として6月3日に発表された。主演発表会見に登壇した制作統括の松園武大は、上坂が出演した作品で印象に残っている作品として2023年に放送されたNHKドラマ『生理のおじさんとその娘』と今年にオンエアとなった日曜劇場『御上先生』の2つを挙げていた。『生理のおじさんとその娘』では複雑な年頃の女性を演じ、『御上先生』ではクラスの中で自分自身の役の個性を出しながら好演していたと。

上坂樹里が見せた『御上先生』での透明感、繊細かつ力強い芝居の幅

特に『御上先生』は、上坂がさらに注目されるきっかけとなった作品だ。演じたのは、私立隣徳学院3年2組の生徒で、考え込みがちな真面目な性格ながら、猪突猛進な一面も持つ東雲温。第3話と第4話が彼女が活躍する回となっている。

それが第3話、第4話を通して描かれる教科書検定への問題提起。それが最終的には隣徳祭を視察に来た文科省の副大臣に「教科書検定、必要ですか?」と投げかけることにまで成功する。

東雲の父親は元中学教師で文部科学省の学習指導要領違反を問われ退職した過去を持つ。独自教材が文科省の指導で問題視され、家庭崩壊につながったとする東雲は、文科省官僚の御上(松坂桃李)にも責任はあるのではないかと教師相手に詰め寄っていくのだ。

クラスの中でも暗い表情の印象があった東雲だが、クラスメイトの富永蒼(蒔田彩珠)や倉吉由芽(影山優佳)、さらにディベート相手となる櫻井未知留(永瀬莉子)との意思疎通を介して、徐々に心を開いていく。涙を流しながら怒りを露わにする演技は圧巻だが、「プランおかみ、発動します!」と指揮を取ったり、オレンジジュースで乾杯している様子からは、その表情の変化、グラデーションに驚かされる。

彼女が持つ透明感や繊細かつ力強い芝居の幅が、2410人が応募したオーディションでヒロインに選ばれる決め手になったのだと、改めて『御上先生』を観ていて感じ入る部分だ。

『ばけばけ』髙石あかり、『風、薫る』見上愛&上坂樹里と朝ドラヒロインが続く

また、『御上先生』には千木良遥役として髙石あかりが出演しており、結果的に未来の朝ドラヒロインが2人クラスにいたということになる。上坂と髙石は『御上先生』で初共演。東雲と千木良としての目立った掛け合いはないものの、撮影現場では多くの刺激を受けていることを上坂はインタビューの中で明かしている。

上坂の主演の決定は、発表から2週間ほど前に事務所の先輩であり、朝ドラ『ばけばけ』(2025年度後期)のヒロインでもある高石とマネージャーからサプライズで伝えられたとのこと。上坂の家族も知らない状況で、特例で高石が朝ドラヒロインの吉報を上坂に伝える役を担うということからも、その親密度が伝わってくる。

現在朝ドラは今田美桜がヒロインの『あんぱん』が放送中。その後、秋から『ばけばけ』、2026年春に『風、薫る』がスタートとなる。朝ドラには恒例イベントとしてバトンタッチセレモニーがあり、『ばけばけ』から『風、薫る』へとバトンが託される、特別な瞬間になるのは確実だ。


ライター:渡辺彰浩
1988年生まれ。福島県出身。リアルサウンド編集部を経て独立。荒木飛呂彦、藤井健太郎、乃木坂46など多岐にわたるインタビューを担当。映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』、ドラマ『岸辺露伴は動かない』展、『LIVE AZUMA』ではオフィシャルライターを務める。