1. トップ
  2. レシピ
  3. 「更年期になって眠れないことが増えた…」、原因や対処法を産婦人科医が回答

「更年期になって眠れないことが増えた…」、原因や対処法を産婦人科医が回答

  • 2025.5.17

女性の体ならではの、ちょっとした悩みや疑問。病院に行くほどでないけど、専門家の意見を知りたい!そんな気持ちに応える、女性の体にちなんだ悩みについて産婦人科の先生に一問一答してもらう本連載。

今回は、更年期の不眠について質問!

Q、「更年期になって眠れないことが増えました…」原因や対処法はありますか?

A、エストロゲンの減少で、眠気を引き起こす物質も減ることが原因。夜にしっかり眠れるように生活習慣を見直しましょう。場合によっては薬に頼るのもありです。

更年期にエストロゲンが減少すると、セロトニンという脳幹から分泌される物質も減ります。セロトニンは眠気を引き起こすメラトニンのもとになるので、それらが減ると眠れなくなるという仕組みです。

また、加齢に伴い男女関係なく睡眠の乱れや睡眠の質が低下して、「睡眠時間は短く」「途中覚醒が多く」なっていく傾向があります。

夜にしっかり眠れるように、以下の生活習慣を心がけましょう。

■ 適度な運動をする

■ 昼寝を控える

■ 夕方以降のカフェイン摂取は控える

■ 半身浴で体を温める

■ 寝る前にスマホやパソコンは見ないようにする

眠気を引き起こすメラトニンは、日光にあたると作られるため、朝起きたらカーテンを開けて日光浴したり、軽いウォーキングなどをするのもおすすめです。

メラトニンの元となるセロトニンは、必須アミノ酸のトリプトファンから合成されます。豆腐や納豆のような大豆製品、米や穀類、卵、ごま、チーズやヨーグルトのような乳製品など、トリプトファンを多く含む食材を摂ると、セロトニンを増やせるという研究結果もあります。また、リズム運動も脳内セロトニンを増やすのに効果的とされていて、リズムよくウォーキングをしたり、ガムを咀嚼するのもよいでしょう。

夜に眠れないのはすべての悪循環の始まりなので、悩んでいる場合は、睡眠薬を処方してもらうのもよいと思います。更年期による不眠の場合、ホルモン補充療法で緩和することも可能です。

ただし、日中の眠気が強かったり、周囲の方からいびきを指摘されたり、起床時に頭痛やだるさを感じたり、夜中によく目が覚めるといった症状は、睡眠時無呼吸症候群の可能性もあります。その場合、内科の受診をおすすめします。

 

お話を伺ったのは……

産婦人科医・上野啓子先生

Women's Health

東京医科大学産科婦人科学教室病院助教。医学博士、産婦人科医の指導医、生殖医療専門医、女性ヘルスケア専門医などを取得し、不妊治療や女性医学を得意とする。

Text:Saya Inoue

元記事で読む
の記事をもっとみる