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「東京だったら値段は、倍はするよ」食通も大喜びする、肉も魚も最高品質が集まる大阪の居酒屋とは

  • 2025.4.23

「これ東京だったら“倍”するよ」

東京の美食を知る大人たちは、この店を後にする時必ずそうこぼす。素材の目利きから仕事、そして客との対話まで。

大阪人の、持ち前のサービス精神と気前の良さが生み出す感動の食体験を、食賢者が教えてくれた。

選者となってくれたのは……
光山英明氏
東京カレンダー


大阪は生野生まれ。2012年の吉祥寺『肉山』開業以降、ジャンルを問わず、数々の話題店に携わる。美食への目覚めは、料理上手だった母の手作り料理にあり。

肉も魚も“ピン”が集まる、まさに居酒屋の最高峰!
心斎橋『和洋酒菜ひで』の外観
1999年に開業した『和洋酒菜ひで』。目的がないと通らないような心斎橋の路地に位置するが、“酒呑みの聖地”として東京からの食通も呼ぶ


光山さんによる自称・大阪食い倒れツアーの中で、真打ち的に食通たちを大喜びさせているのが、『和洋酒菜ひで』だという。兄の英俊さんが営む酒場だ。

炭を巧みに使った絶妙な火入れにファン多し
心斎橋『和洋酒菜ひで』の火入れの様子
炭火での火入れがどれも絶妙で、よく知る食材が絶品に


元はアラカルトの店だったが、その腕とセンスから「料理お任せします」と頼まれるようになり、おまかせに。

鮨店のごとく付け台的な皿に炭火焼きの魚がひと切れずつ出て、酒飲みを桃源郷に連れて行く。

心斎橋『和洋酒菜ひで』の鰆の炙り
東京カレンダー


鰆の炙り。

心斎橋『和洋酒菜ひで』のホタテの炙り
東京カレンダー


ホタテの炙り。

心斎橋『和洋酒菜ひで』のしめ鯖の炙り
東京カレンダー


しめ鯖の炙り。

一級品のネタはとにかく旨みが強く、他では味わえない感動がある。英俊さんが自ら黒門市場へ通って仕入れるため、ラインナップもその日次第なのがむしろ楽しい。

「この素材はこの食べ方が一番美味しいと、現時点で思っている出し方をしています」と英俊さん。

素材の目利きに自信があるからこそ、削ぎ落とされたシンプルな調理方法に辿り着くのだ。

心斎橋『和洋酒菜ひで』の黒牛の肩ロース
大阪南部で飼育されている黒牛の肩ロース。赤身の旨みが際立ち、生胡椒がいいアクセントに。添えられた「インカのめざめ」は名物のひとつで、大阪の「タマリソース」がかかっている


「ワンオペ店ですが、行けば行くほど魅力が増してくるはずです。

魚介類もお肉もしっかり提供される、8席しかないアットホームなお店。おまかせコースですが、鯨の蒸しホルモンやスープが好きで、僕はいつもリクエストしています。

ここでは日本酒もおまかせで飲んでください。いい感じのを出してくれますよ」

心斎橋『和洋酒菜ひで』で提供している日本酒
「みむろ杉 ろまんシリーズ」や「田中六五 6513」、話題の長野の日本酒「mine」など、酒好きも納得の銘柄がずらりとそろう


いい感じの酒はだいたい1杯500円。

炭火焼きの肉も食べて、最後は酒のアテになる太刀魚ごはんやセコガニごはんでまた飲み、しめて1万3,000円ほど。「東京なら3万円」と大満足の声多数。

■店舗概要
店名:和洋酒菜ひで
住所:大阪市中央区心斎橋筋2-1-3
TEL:なし
営業時間:18:00~深夜
定休日:月曜
席数:カウンター6席


◆大阪は生野生まれ生野育ちの光山さんが、ディープな“ナニワ”を教えたる!

光山さんに東京と大阪の食の違いを聞くと、明確な答えが。

「“安い店”の実力が桁違いだから、大阪ではその醍醐味を。東京でミシュランとか3〜5万円する店に払う人らを、散々飲んで食べてひとり4,000円の“淡路屋”みたいな店に連れていくと、大満足するんです」

『淡路屋直売所』とは、中心地から離れた生野にある酒場。

「平日でも夕方4時から満席です。僕は54歳ですけど満席になれば、僕が一番年下くらい。創業から毎日来てるって噂のおじさんが毎日同じ場所に座ってね。その人が来ると自動的に座布団が多く積まれています。

お酒は何でもあって激安。ワインはグラスで頼んでんねんけど日本酒のちろりに1合ぐらい入って出てきます。料理はカウンター前のネタケースから何でも作ってくれます」

親しむ店は気張っていない。

「鶴橋の『よあけ食堂』もメニューが多くて、一番のオススメは鰯汁。ぶつ切りの鰯が入ってます。

あと難波の商店街にある『天政』ってうどん屋。酔っ払った次の日行ったら天国です。かやくご飯は240円で、提供まで2.5秒(笑)。うどんは袋麺、海老天はほとんど衣。

でも、他では体験できないウマさがあるんですよ。安い店でも味がよくないと勝ち抜いていけない。それが大阪!」

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