1. トップ
  2. どうやって計算するか覚えてる?「0.6+1.2÷0.6」→正しく計算できる?

どうやって計算するか覚えてる?「0.6+1.2÷0.6」→正しく計算できる?

  • 2025.4.21
undefined

今回は、小数の計算問題にチャレンジしましょう。

日常生活ではあまり計算の機会がない小数だからこそ、計算方法がうろ覚えになっている可能性も大きいですよ。

さて、あなたは正解できるでしょうか?

問題

次の計算をしなさい。
0.6+1.2÷0.6

解答

正解は、「2.6」です。

0.8と答えてしまった人はいませんか? 残念ながら、その答えは間違いです。

どうして答えが2.6になるのかは、次の「ポイント」を確認すると分かりますよ。

ポイント

今回の問題のポイントは、「小数の割り算」です。

まず、この問題では「0.6+1.2」ではなく、「1.2÷0.6」から計算をします。

0.6+1.2÷0.6

なぜなら、計算のルール上、掛け算と割り算は足し算と引き算よりも先に計算することになっているからです。

<計算順序のルール>
次の順序で計算します。

1.( )の中
2.掛け算・割り算
3.足し算・引き算

※同じ優先順位の計算がある場合は、左から計算します。

さて、「1.2÷0.6」のように「割る数が小数」の場合、「割る数が整数になるまで10の倍数を掛けてから計算する」必要があります。

具体的な計算のステップを確認してみましょう。

<小数の割り算の計算ルール>

ステップ1.割る数が整数になるまで10の倍数を掛ける
ステップ2.割られる数にもステップ1と同じだけ10の倍数を掛ける
ステップ3.割り算をする

では、このルールに従って「1.2÷0.6」を計算してみましょう。

ステップ1
0.6×10=6  ←割る数0.6を6にするために10を掛ける

ステップ2
1.2×10=12  ←割られる数1.2にも10を掛ける

ステップ3
12÷6=2

小数の割り算なのに、答えは小数になりませんでしたね。「1.2÷0.6は小数の計算だから、答えも小数の0.2だ」と勘違いしないよう、注意してください。

あとはこの2を0.6と足せばよいだけです。

  0.6+1.2÷0.6
=0.6+2
=2.6

小数の足し算は、各桁の数字を足すだけです。2は2.0のことなので、0.6と小数点の位置を揃えて計算しましょう。

undefined

【おまけ】割られる数と割る数に10の倍数を掛けてもよい理由

小数の割り算は、割られる数と割る数に10の倍数を掛けて計算します。しかし、このようなことをして式の意味が変わってしまわないのでしょうか?

その疑問を解消するカギは、分数にあります。

A÷Bという割り算の答えは、A/B(割られる数/割る数)という分数でも表せます。そこで、次のように考えてみてください。

  1.2÷0.6
=1.2/0.6  ←割り算を分数形式にしてみる
=(1.2×10)/(0.6×10)
=(1.2×10)÷(0.6×10)

太字の部分を見てください。分子と分母に10を掛けていますが、分数では分子と分母に同じ数を掛けても大きさは変わりません。

分数を再度割り算に直すと、割られる数と割る数に10を掛けた式と元の式がイコールで結ばれることが分かりますね。

このことからもわかるとおり、割られる数と割る数に10の倍数を掛けて計算しても、式の意味が変わらないのです。

まとめ

今回の問題では、小数の足し算と割り算に挑戦しました。

小数の割り算のポイントになるのは、割られる数と割る数に10の倍数を掛けることです。10の倍数を掛けた結果、小数の割り算にもかかわらず、答えが整数になりました。小数の割り算だからと言って、答えが必ず小数になるわけではないことは覚えておきましょう。

引き続き他の小数問題にも挑戦して、計算方法を復習してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


類似問題に挑戦!

これどうやって計算するか覚えてる?「4.2×56+4.2×44」→正しく計算できる?
これどうやって計算するか覚えてる?「4.2×56+4.2×44」→正しく計算できる?