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大河女優から“国民的アニメ実写化”出演俳優まで…!豪華すぎるキャストたちの“演技合戦”に注目【日曜劇場】

  • 2025.7.11

TBSの日曜劇場は毎シーズン話題のドラマを放送してきた。この7月からは一風変わった医療ドラマが放送される予定で、こちらも注目を集めそうだ。

松本潤が久々に地上波の連続ドラマに出演することでも話題の『19番目のカルテ』は、病気を診るだけでなく、心や生活背景をもとに患者にとっての最善を見つけ出す総合診療医を題材にしたヒューマンドラマだ。

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出典:photoAC(画像はイメージです)

総合診療医とは“人を診る”スペシャリスト

多くの人にとって総合診療医というのは、聞き慣れない存在だろう。

高度に発達した現代医療は、脳外科や眼科といった専門分野に分かれているが、患者の中には疾患がわかりにくい場合や複数の疾患を有している場合もある。その場合は特定の専門医だけでは対処が難しい。そんな時に活躍するのが総合診療医だ。ひとつの領域にとどまらない幅広い知識を有し的確な診療につなげていく。

2018年に新専門医制度が整備されたことで19番目の新領域として総合診療専門医が新設されることになった。タイトルの「19番目」はここからきている。

総合診療医はただ患者を診るだけでなく、人の生活や置かれた環境にも着目し、全体的な健康問題に向き合って治療をしていく。臓器や疾患を診る以上に“人を診る”態度が求められるという。

医療ドラマと言えば、神の手を持つ凄腕の意思が難しい手術を成功させたり、命がけの現場救助を描くようなパターンが多いが、この作品ではそういうシーンよりも、患者との対話を重んじて丁寧にコミュニケーションしていく姿が描かれることになりそうだ。

派手さはないかもしれないが、人と人との関係性が希薄になっている現代社会だからこそ、刺さるものがたくさんありそうな内容になることを期待している。

脚本を担当するのは、医療ドラマ『コウノドリ』を手掛けたこともある坪田文。毎回泣けると話題になった同ドラマを手掛けた坪田氏なら、本作も心に沁みる物語に仕上げてくれそうだ。

日曜劇場の医療ドラマたち

日曜劇場では、これまでにも数多くの医療ドラマを世に送り出してきた。時代劇と医療ドラマを組み合わせた『JIN -仁-』や、地方病院の再建を描く『Tomorrow 陽はまたのぼる』、標高2,500メートルの診療所のドラマ『サマーレスキュー~天空の診療所~』、二宮和也主演の『ブラックペアン』や、劇場版も大ヒットした『TOKYO MER~走る緊急救命室~』など、様々な切り口で医療現場の物語を紡いでいる。

実は日曜劇場が総合診療医を取り上げるのは、今回が初めてではない。2010年に放送された東山紀之主演の『GM〜踊れドクター』も総合診療医を題材にした作品だった。こちらの作品では全体的にコミカルな描写が多かったが、『19番目のカルテ』はそれとは異なるものになるのか、期待したい。

松本潤が初の医師役に挑戦

本作の主演は、日曜劇場には7年ぶりの出演となる松本潤。自身のキャリア初の医師役に挑む。主人公の徳重は、原作マンガでは掴みどころのない不思議な存在で柔和な人当たりが印象的な人物だ。しかし、総合診療医として患者に向き合う姿勢は真剣そのもの。松本がどんなアプローチで風変わりな医者を演じるのか、期待が集まる。

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(C)SANKEI

その他、共演陣も豪華だ。NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』で花魁の瀬川を演じ脚光を浴びた小芝風花が、徳重と行動をともにする整形外科医・滝野みずきを演じる。人を救いたいというまっすぐな気持ちを持った新人看護師という役柄だ。

注目は、新田真剣佑が久々に日本の連続ドラマに出演することだ。今作では外科医・東郷康二郎を演じる。日曜劇場には2016年の『仰げば尊し』以来の登場。近年ではNetflixの実写ドラマ『ONE PIECE』の世界的大ヒットで、日本のみならず海外からも注目される存在となっている。海外ドラマの経験で成長した姿を久しぶりに地上波で見せてくれそうだ。

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(C)SANKEI

その新田とディズニープラスのオリジナルドラマ『フクロウと呼ばれた男』で共演していた名優・田中泯も本作の出演者に名を連ねている。現在公開中の映画『国宝』で人間国宝の女形役者を演じて絶賛されている田中は、このドラマで徳重の恩師を演じる。キービジュアルではアロハシャツの上に白衣を着て、型破りな雰囲気を醸し出しており、物語にユニークなアクセントを加えてくれそうだ。

その他、木村佳乃や生瀬勝久、津田寛治など演技派が顔を揃えている本作。本作は手術よりも人との対話が重視される総合診療医を描く作品なので、それだけに役者の演技力が試される作品になるだろう。豪華出演陣の演技合戦にも注目したい。


ライター:杉本穂高

映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi