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脱せよ、年齢の呪縛!夏木マリさんが語る「年齢なんて記号」説とは?

  • 2018.10.10

「年齢なんて記号だから」、「年齢を重ねることは怖いことではない」と語るカッコイイ女代表・夏木マリさん。大人の女性、誰もが感じる、エイジングへの不安。でもそれは単に年齢に縛られているだけ、年齢の呪縛なのではないか?今年でデビュー45年を迎え活躍し続ける、魅力的な生き方の秘訣を教えていただきました。

 

 

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『私はこれが好き、これが必要ない』と整理して自分を知ることが大切

ーーTRILLのメインユーザーである20代、30代は夏木さんにとってはどんな時代でした?

「私の20代は反省しきりの時間だったから、トンネルの時代と言っています。もう暗黒のトンネル。先が見えなかった。歌謡曲を歌う仕事でスタートしたんだけど、低色素性貧血という病気になってしまって。それで3か月仕事を休んで、マスコミにも出なかったの。その後、8年間はほとんど地方のキャバレーまわり。当時はそんなにはっきり意見を言えるタイプではなかったから流されるままというか。今思うと、暗黒の8年だったかなと思います」

ーー「60 blues(スワサントンブルース)」という曲の中で、「20代でなりゆきでデビューして、やる気を出したのが40代」と歌っていらっしゃいますね。40代でそうなったきっかけになることは何かあったんでしょうか?

「自分をやっとわかって来たのが40代くらいでしたね。演劇も30代で誘われるままにスタートして、やっているうちに、好きなのか嫌いなのかわからなくなってしまって。一度ひとりで演劇の世界から飛び出してみようと思って始めたのが、93年の『印象派』(全てのクリエイションを夏木マリ自身が手がける舞台。ダンス、音楽、演劇などを駆使して表現されている)。印象派のスタートから自分でクリエイションするようになり、自分自身もよく知るようになった気がします。『私はこれが好き、これが必要ないのね』と整理していって、残ったものを自分自身にフィードバックしていったっていうのかな」

ーー40代からロクマルまでは、夏木さんにとってどんな人生でしたか。

「好きなことがちょっとずつできるようになって来た時期かな」

ーー自分の意見を発信できるようになったのも40代からでしょうか。

「そう、やはり93年の『印象派』からです。ひとつ自分のベースみたいなものがあると、そこに帰って行けますね。いろいろと自分のことがわかってくるし、その頃から整理が付いたのかも知れないですね」

ーー「60 blues」は60(ロクマル)記念に作られたそうですが、今後も夏木さんの人生が加わっていく歌なんだろうなと思いました。

「自分の人生の歌なので、そのとき感じたことを付け足しています。私はあまり過去を振り返らないんだけど、人生60でひとまわりって聞いたから、ちょっと立ち止まってみたのね。そして振り返ってみたらなかなか笑える人生だなって思ったんです(笑)」

ーー今はコンテンポラリーダンスをチームでやっていらっしゃるそうですが、もともとその素養はあったんですか?

「ないんです。『印象派』を初めてからコンテンポラリーダンスを観だして、『私がやりたいことはこれだ!』と思って、遅まきながらコンテンポラリーをスタートしました。人より遅いか早いかなんですよね、私の人生は。失敗の連続続き、というか。ジャスト・オン・タイムがないんですよ(笑)」

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年齢に縛られない自分らしさを。似合うかどうかより、好きか嫌いか。

ーー今日、スタジオに入ってきた瞬間にシャツとプリーツスカートのコーディネートがとても素敵だなと思いました。夏木さんにとっておしゃれやファッションってどんなものでしょうか?

「すごく楽しい。好きです。ファッションはその日の気分に合うもの、着ていて気分の良いものがいいなと思います。カジュアルなのも上質なものも着ますね。あとは引き算がいい。良いものにファストファッションを組み合わせるとか、そういうことを楽しんでいます」

ーーベリーショートも素敵です。

「私、毛量が多いんです。だからツーブロックのほうが処理しやすいというのがまずあって、あとはブロンドのほうが洋服が似合うことを発見したんです。あとは似合うかどうかより、好きか嫌いか。もしかしたら似合わないかも知れないけど、私が好きなんです」

ーー「この年齢になったらこういうものを着ないといけない」という概念みたいなものに縛られている人が多い気がするのですが、そういうのをまったく感じさせたいのが夏木さんがカッコイイと言われる理由なのか、と。

「年齢は記号だからね。世の中と付き合うとき……例えば免許証やパスポートを見ると、『こんな数字!?』って唖然とすることもありますよ(笑)。ただこんなに来ちゃったかとは思うけど、だからといってそれに縛られるのはおもしろくないと思って」

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ネガティブなものは周りに置かない。年齢を重ねてもイキイキとして健康で自分らしくいたい。

ーー年を重ねることを恐怖だと感じませんか?

「年を重ねるということは、現実として感じてはいるんです。昨日より今日のほうが具合が悪いかも知れないし、以前と全然違うことは身体がわかるから。だけど、しょうがないじゃない? そういう時間が私に来ているわけだから。これから高齢化社会になるわけだから、年を重ねている人たちが素敵じゃなければいけないでしょ。年齢を重ねてもイキイキとして健康で自分らしくいたい。だったら今の現実に対して何かメンテナンスや手当てをしないといけないわけですよ。そういうことが増えていくのが年を重ねることのつらさ。だったらどうしようかってことを考えて動けばいいだけ。だから、年を重ねることそのものは全然怖くないんです」

ーーここまでいろんなお話を聞いて、常に楽しいこと、幸せになれそうなことを考えていらっしゃるのかなと思いました。

「そうですね。ネガティブなものは周りに置かない。自分が発する言葉や本に書く文字の選び方にしても、「嫌い」ではなく「好きじゃない」と書いたりします。ネガティブな言葉を排除していくようにします。そういうことに気をつけていると、まわりがハッピーなオーラになっていくから。無意識にボーッと生きていちゃダメかもね(笑)」

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▶夏木マリオフィシャルサイト

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Movie Director:Yohei Takahashi (f-me)
Photographs:Tatsuya Sasaki (TWELVE MANAGEMENT)
Writing:Yuko Sakuma
Styling:Makiko yanagi
Edit:Natsuko Hashimoto(TRILL編集部)

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