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「母親失格?」と悩むワーママへ。子育てと仕事の両立で感じる罪悪感との向き合い方【著者インタビュー】

  • 2026.10.17

【漫画】本編を読む

“いい母親”とは一体どんな人で、“正解の育児”とはどんなものなのだろう。母親になると、そうした疑問が付きまとい、自分自身の在り方が分からなくなる時がある。

『わたし、迷子のお母さん ある日突然、母親するのが苦しくなった』(らっさむ/KADOKAWA)は、母親のリアルな葛藤が詰め込まれた漫画だ。主人公の楓はひとり娘を持つ、ワーキングマザー。キャリアと子どものどちらも大切にしたくて日常を踏ん張っていたが、ある日、心の糸が切れ、自宅へ帰れなくなってしまった。

だが、楓はそれを機に、自分の心が限界であることに気づき、育児との向き合い方を見つめ直していく。

子育て中の女性が抱えるリアルな悩みを落とし込んだ本作に、著者は一体どんな想いを込めたのだろうか。制作秘話や、母親を辞めたくなる前に意識したい心の守り方などをうかがった。

――本作では、キャリアよりも子育てを優先する同僚を見た楓が「母親失格?」と自問するシーンが印象的でした。頑張っている母親側が自己卑下してしまう今の社会の在り方って、少し無理があるような気がします…。

らっさむさん(以下、らっさむ):子どもっていつも健康なわけじゃないんですよね。それに、不登校の子や発達に不安のある子もいる。でも、こうした子どもの事情で変化を求められる多くは母親側なんです。「自分の子どもの健康以上に大切な仕事なんてない」って思っていても、常に子どもを優先できない実情に疲弊するワーママの姿を、たびたび見てきました。

複数児を育てていても有給の上限は変わらないので、中には「もう有給なんてないよ」と言っていたワーママもいました。今の社会の仕組み自体に無理があるのだと思います。

――楓は日常の忙しさの中で娘との小さな約束を守れなかった自分を責めてもいました。そういう母親は意外と多いと思うのですが、どのように自分や子どもの心を守っていけば良いでしょうか?

らっさむ:守れない約束はしないことですかね。私も子どもによく「約束はしないけどね」と言っていました。できないことはできないので(笑)。

その代わり、絶対に守ることをひとつ決める。帰宅後に3分間でいいから、“ながら”じゃなく、子どもの目を見て話を聞いたり、お弁当だけは作ると決めたり。そういう小さな約束の積み重ねが、子どもとの関係や親としての自己肯定感を支えてくれました。

――楓は手の込んだ料理を作ってくれていた母親を思い出し、「冷凍ハンバーグなんて焼いてるの、見たことない」と自己卑下してもいました。楓と同じように、記憶の中にある母親の行動と自分を比べて落ち込んでしまう人も、意外と多いですよね。

らっさむ:「親がしてくれた教育を子どもにもしてあげたい」という気持ちは、私の中にもすごくあります。でも、自分が育った頃とは時代が違うし、そもそも親と自分は違う人間です。親と自分の親子関係と、自分と子どもの関係性だってまったく違いますよね。「何でもやろう」とするのは難しいので、先ほど言ったような、3分だけは目を見て話を聞く、お弁当だけは作るといった「小さな約束」を守ることを積み上げるのが大事だと思います。

あと、自分がしてあげたいことと子どもがしてほしいことがズレている場合もあるので、自分の母親をロールモデルにしても実はあまり意味がないかもしれません。子どもの“してほしいこと”をヒアリングしながら親子関係を育んでいくことが大切なのではないでしょうか。

取材・文=古川諭香

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