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「損をしたくないから」“退職金1,800万円”を定期預金に入れた60代男性→3年半後、家計を見直して発覚した“致命的な勘違い”

  • 2026.10.12
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの小泉です。

日々の暮らしでは、「損をしたくないから、できるだけ安全な方法を選びたい」と考えることがありますよね。特に老後資金となれば、元本が減らない預金に安心感を覚える方も多いでしょう。

ところが、61歳の男性は退職金1,800万円を定期預金にして安心していたものの、3年半後の家計見直しで思わぬ現実に気づきます。いったい何が見えてきたのでしょうか。

投資は元本が減る可能性がある。使わないお金は定期預金にしておけば安心

61歳のAさんは、そう考えていました。60歳で定年退職し、受け取った退職金は1,800万円。

もともとの預貯金700万円と合わせ、金融資産は2,500万円になりました。65歳から老齢年金を受け取る予定だったAさんは、退職金1,800万円を定期預金へ。「元本が価格変動で動かない。利息も受け取れる。これなら安心だ」そう満足していたのです。

ところが、3年半が経過した頃。64歳半になったAさんは、65歳以降の生活を具体的に考えるため、家計を見直すことにしました。そこで気づいたのが、「当面使わないお金」と「将来も使わないお金」は違う、ということでした。61歳のときは「使わない」と考えていた1,800万円。しかし、65歳以降の生活費に加え、住宅の修繕、車の買い替え、医療や介護などを考えると、このお金は将来使う可能性が高い資金です。さらにAさんは、預金額が減っていなくても、お金の実質的な価値まで変わらないわけではないことにも気づきました。

2026年8月の全国消費者物価指数は、総合で前年同月比1.9%上昇。物価が上がれば、同じ1,000万円でも購入できる商品やサービスの量は変わります。

もちろん、これは「定期預金がダメ」という話ではありません。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

定期預金には、株式や投資信託のような市場価格の変動によって預金元本の額が変動することを避けながら、資金を保有できるというメリットがあります。

また、一般的な定期預金などは預金保険制度の対象で、1人につき1金融機関ごとに合算して、元本1,000万円までと、破綻日までに発生した利息が保護の対象となります。

ただし、1,000万円を超える部分は、金融機関の破綻時の財産状況によっては一部支払われない可能性があるので注意が必要です。

だからこそ、Aさんが見直したのは、「定期預金か投資か」という二択ではありませんでした。

65歳以降の生活費はいくらか。公的年金はいくら受け取れるのか。住宅や車などのまとまった支出はいつ発生するのか。そして、病気や介護に備えて、すぐ使えるお金をどの程度残すのか。こうした点を確認しながら、数年以内に使う可能性が高い資金と、10年以上先まで使う予定のない資金を分けて考えることにしたのです。

金融庁も、資産形成では家計管理やライフプランニングを踏まえ、長期・積立・分散投資などの考え方を示しています。一方、投資には元本割れの可能性があるため、資金の使い道や時期を踏まえて金融商品を選ぶことが重要です。

Aさんが3年半後に気づいたのは、「お金を減らさないこと」だけでは老後資金の準備として十分とは限らないということ。

大切なのは、そのお金を「いつ、何のために使うのか」。

61歳からの資産管理では、金額だけでなく「使う時期」まで考えることが、老後の安心につながります。


執筆・監修:小泉@社労士ライター

20年以上の社労士経験を通じて、多くの相談者から「こんな制度があるとは知らなかった」「もっと早く相談しておけばよかった」という声を聞いてきた経験から、専門知識を、必要とする人に、正しく、わかりやすく届けることを大切にしている。社会保険・労働保険、公的年金をはじめ、暮らしや仕事に関わる制度について、専門家としての正確性と、生活者目線のわかりやすさを両立した情報を執筆・発信。保有資格は、社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士など。

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