1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「元本割れの心配がない」700万円で“国債”を購入した60代女性→1年後、売却したところ…振り込まれた額を見て“青ざめたワケ”

「元本割れの心配がない」700万円で“国債”を購入した60代女性→1年後、売却したところ…振り込まれた額を見て“青ざめたワケ”

  • 2026.10.8
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

“国債は元本割れしない”というイメージから、安全性の高い運用方法の一つとして、購入を検討している人も多いのではないでしょうか。

しかし、国債にはいくつかの種類があり、中には元本割れのリスクを伴う商品もあります。

今回は、“元本割れしないから”と700万円で国債を購入したものの、想定外の事態に青ざめることとなった女性の事例を紹介します。

「元本割れは避けたい」700万円で国債を購入した女性

60代の女性・Aさん(仮名)は、余裕資金700万円の運用方法について悩んでいました。

「投資信託は元本割れが怖い」と考えていたところ、金利上昇にともない、国債の人気が高まっていることを知ります。

「国債は元本割れの心配がなく、国が発行しているため安心感も大きい。これまでは『あまり増えない』というイメージがありましたが、少しずつ金利が上がっているのも決め手でした」

Aさんは、700万円分の国債を購入したそうです。

1年後、売却して振り込まれた金額にあ然…

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

国債購入から1年後、Aさんは急な出費でまとまったお金が必要になりました。

「国債なら元本割れしないし、売却してお金を捻出しよう」

手続きを済ませたAさんが後日通帳を確認すると、振込額は約686万円。購入した700万円から14万円ほどマイナスしていたそうです。

1年間で受け取った利息を考慮しても、全体で約11万円の損失でした。

「そんな…国債なのにどうして?」

青ざめた様子のAさんが銀行で尋ねると、国債には“個人向け国債”と“新窓販国債”の2種類があることが分かりました。

「Aさまが購入されていたのは、“新窓販国債”です。新窓販国債は、確かに満期まで置いておけば元本割れのリスクはありません。しかし、満期前に売却すると、売却益・売却損が発生する可能性がある商品です」

説明を聞いたAさんは、あ然とします。

「そもそも、個人で購入できる国債には2種類あるんですね…。『国債=元本割れしない』と思い込んでいましたが、もっと条件をよく見ておくべきでした」

そう振り返られていました。

“新窓販国債”は満期前の売却で元本割れのリスクも

個人向け国債と新窓販国債の違いは、以下のとおりです。

【個人向け国債】

  • 個人だけが購入できる国債
  • 最低1万円から購入可能、上限なし
  • 利子は半年ごとの受け取り
  • 変動金利10年・固定金利5年・固定金利3年の3種類
  • 発行後1年経過すれば中途換金可能
  • 中途換金時は直近2回分の利子相当が差し引かれる(元本割れリスクなし)

【新窓販国債】

  • 個人のほか、法人やマンション管理組合なども購入できる国債
  • 最低5万円から購入可能、上限3億円
  • 利子は半年ごとの受け取り
  • 固定金利のみ、10年・5年・2年の3種類
  • 市場でいつでも売却可能
  • 売却時は市場価格により売却益・売却損が発生する可能性あり(元本割れリスクあり)

新窓販国債は満期を迎えると元本が戻りますが、今回のように、満期前に売却する可能性がある場合は注意が必要です。

一般的に、新窓販国債の購入時よりも市場金利が上昇すると、売却時に差損が発生する可能性が高くなります。

市場金利が上昇して“さらに高い利息がもらえる新しい国債”が発行されると、保有している国債の価値が下がるためです。

『国債なら元本割れしない』と思い込んでしまわず、仕組みや細かな条件までをしっかりと理解したうえで、購入する国債の種類や金額を検討しましょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ