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「それぞれ上限まで払うしかない…」父の“医療・介護費”を負担してきた50代息子、実は知らずに損していた“14万還付の落とし穴”

  • 2026.10.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、親の医療費と介護費を負担していた50代のAさんの体験談です。

「医療費と介護費は、それぞれ上限まで払うしかない」と思い込み、医療と介護を合算できる制度を知らずに、戻るはずのお金を申請し損ねた経緯をご紹介します。

「医療費と介護費は、それぞれ上限まで払うしかない」と思っていた

Aさんは50代男性。高齢の父(78歳)の暮らしを支え、医療費と介護費の両方を負担していました。父は入退院を繰り返しながら、介護サービスも利用しています。

医療費については高額療養費、介護費については高額介護サービス費で、それぞれ毎月の上限までは負担が抑えられることをAさんは知っていました。ただ、「医療は医療、介護は介護。それぞれ別々に上限まで払うしかない」と思い込んでいたのです。

医療と介護は「1年分」を合算できる

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

実は、医療と介護の自己負担には、両方を合算できる仕組みがあります。「高額医療・高額介護合算療養費」です。

これは、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間に、同じ医療保険の世帯で支払った医療保険と介護保険の自己負担を合算し、決められた限度額を超えた分が戻ってくる制度です。医療と介護の両方を長く利用していると、それぞれの月々の上限内に収まっていても、合算すると限度額を超えることがあります。

Aさんの父は78歳、収入は年金のみで年およそ200万円。現役並みの所得ではなく、住民税非課税の世帯でもないため、所得区分は「一般」にあたり、1年間の合算限度額は56万円です。高額療養費などの払い戻しを受けたうえで、なお残る自己負担が1年間で合わせて70万円ほどあり、限度額を超えた14万円ほどが、戻る対象になっていました。

申請しないと支給されない制度だった

ところがこの制度は、原則として申請なしでは支給されません。加入している医療保険の窓口に自分で申請して、初めて戻ってくるのが基本です。

Aさんは制度そのものを知らなかったため、申請をしていませんでした。「医療も介護も上限まで払っていたので、これ以上戻るものはないと思っていました」と振り返ります。合算の限度額は、所得や年齢の区分によって決まります。医療と介護を長く利用している高齢の世帯ほど、合算の対象になりやすい制度です。

医療と介護が重なったら、合算できないか確認する

親の医療費と介護費の両方を負担している場合は、「それぞれ上限まで」とあきらめず、合算できないかを確認してみましょう。

確認や申請は、加入している医療保険の窓口(後期高齢者医療制度、国民健康保険、勤務先の健康保険組合や協会けんぽなど)で行います。対象になりそうな場合は案内が届くこともありますが、気づかないまま過ぎてしまうこともあります。医療費と介護費が重なった年は、一度、合算の対象にならないか問い合わせてみると安心です。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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