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「うちは資産家ではないし」“相続税とは無縁”と思っていた60代長男→父の死後、発覚した額に「こんなに納めないといけないの…」

  • 2026.10.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの小泉です。

親が長年暮らしてきた自宅と、いくらかの預貯金。「うちは資産家ではないし、相続税とは無縁だろう」と考えている方も多いのではないでしょうか? ところが、いざ相続が発生して財産を一つずつ確認してみると、思わぬ事実に気づくことがあります。今回は、88歳の父を亡くした63歳の男性が、相続財産を計算して絶句したケースを紹介します。

「父の財産といっても、自宅と預金だけ。相続税なんて関係ないだろう」

88歳の父を亡くした63歳の長男Aさんも、そう考えていました。

父は決して「大金持ち」ではありません。長年暮らしてきた自宅と、銀行口座にある預金。それだけなら、相続税の心配はない。ところが、相続する財産を一つひとつ確認していくと、Aさんの表情が一変します。

「まさか、相続税がかかるの?」

父の財産を確認すると、自宅の土地の相続税評価額は2,500万円、建物は500万円。さらに預金が3,200万円ありました。合計すると6,200万円です。相続人はAさんと弟の2人。相続税には「基礎控除」があり、今回のケースでは、3,000万円+600万円×2人=4,200万円となります。つまり、6,200万円-4,200万円=2,000万円。

基礎控除を超える金額が出てきたため、「やはり相続税がかかるのか」とAさんは驚きました。ただし、相続税は単純に「2,000万円×税率」と計算するわけではありません。

法定相続分に応じて課税遺産総額を分けて税率を適用します。相続税の総額を計算する際、Aさんと弟が法定相続分どおりに取得したものと仮定すると、それぞれ1,000万円となります。税率10%を適用すると、相続税の総額は200万円となります。「こんなに納めないといけないの……」Aさんが絶句したのも無理はありません。

ところが、ここでさらに話が変わります。

自宅があるからこそ使える「特例」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

相続税には、一定の要件を満たした場合、亡くなった人が住んでいた宅地の評価額を大幅に減額することができる「小規模宅地等の特例」があります。たとえば、今回の2,500万円の土地について、仮に80%の減額が適用できれば、相続税の計算上、土地について課税価格に算入される価額は500万円になります。すると、相続税の計算上、土地の評価額は500万円となり、土地500万円+建物500万円+預金3,200万円=4,200万円となります。

つまり、この前提で特例が適用できれば、相続税が0円となる可能性があります。

ただし、「自宅なら誰でも80%減額できる」というわけではありません。誰がその土地を取得するのか、居住状況など、一定の要件を満たす必要があります。

また、特例を適用した結果、相続税額が0円になる場合でも、原則として相続税の申告が必要です。申告期限は、原則として、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。

「お金持ちだけの税金」と決めつけない

今回のAさんが学んだのは、「財産が自宅と預金だけだから、相続税とは無関係」とは限らないということ。一方で、「6,200万円あるから必ず200万円の相続税がかかる」と考えるのも早計です。実際の相続税は、財産の評価額だけでなく、法定相続人の数、借入金などの債務、葬式費用、一定の生前贈与など、さまざまな事情によって変わります。さらに、小規模宅地等の特例を利用できるかどうかでも大きく変わります。

相続が発生したら、まずは自宅・預貯金などを一覧にし、相続税評価額を確認する。

「うちはお金持ちではないから大丈夫」と思い込まず、まず財産を整理して「基礎控除を超えたから即、納税」と考えるのではなく、特例や税額控除なども含めて、申告・納税が必要かを確認することが大切です。


執筆・監修:小泉@社労士ライター

20年以上の社労士経験を通じて、多くの相談者から「こんな制度があるとは知らなかった」「もっと早く相談しておけばよかった」という声を聞いてきた経験から、専門知識を、必要とする人に、正しく、わかりやすく届けることを大切にしている。社会保険・労働保険、公的年金をはじめ、暮らしや仕事に関わる制度について、専門家としての正確性と、生活者目線のわかりやすさを両立した情報を執筆・発信。保有資格は、社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士など。

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