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「年5%の金利がつく」退職金1,000万円を“米ドル定期預金”に入れた60代男性→1年後、満期で受け取った金額を見て「どうして…」

  • 2026.10.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、退職金を外貨の定期預金に預けた60代のAさんの体験談です。「円の預金より、こんなに金利が高いの?」

そう思っていたAさんでしたが、満期に受け取った金額は思っていたものと違いました。外貨預金で確かめておきたい点をご紹介します。

円預金とは違う「年5%」の金利

Aさん(60代)は、定年退職で受け取った退職金を銀行に預けていました。

窓口で渡されたパンフレットに、米ドルの定期預金が載っています。金利は年5%。円の定期預金とは桁が違いました。

「1,000万円預ければ、1年で50万円も増えるということですか?」

担当者は、為替の動きによって受け取る額が変わることを説明しました。Aさんも、その点は理解したつもりでした。

Aさんは、1米ドル150円のときに、1,000万円を米ドルに換えて1年の定期預金にしました。

満期の案内を見て、計算が合わなくなった

1年後、Aさんのもとに満期の案内が届きました。

利息は米ドルで受け取り、元本とあわせて円に戻すことにします。ところが、窓口で提示された金額は、Aさんが想像していたものとは違いました。

「50万円くらい増えていると思っていたのですが、どうしてこの金額になるのでしょうか?」

担当者が説明したのは、主に2つの理由です。

ひとつは、為替手数料です。

円を米ドルに換えるときと、米ドルを円に戻すときには、それぞれ手数料がかかります。手数料は1米ドルあたり数十銭から1円程度など、金融機関によって異なります。

もうひとつは、為替レートの変動です。

預けたときよりも円高になっていれば、米ドルを円に戻したときの金額は少なくなります。

「金利だけを見て決めていました」

たとえば、手数料を加える前の為替レートが、預入時は1米ドル150円、満期時は140円だったとします。

為替手数料が片道50銭なら、実際に円から米ドルへ換えるときは1米ドル150円50銭、米ドルから円へ戻すときは139円50銭で計算されます。

この条件で利息にかかる税金も差し引くと、手元に戻るのはおよそ964万円です。

年5%の利息がついていても、為替レートの変動や手数料によって、当初預けた1,000万円を下回ることがあります。

「減ることもあるとは思っていませんでした」

Aさんは、高い金利だけでは判断できないことを、満期を迎えて初めて実感しました。

預金保険の扱いと、税金も違う

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

担当者は、外貨預金には為替以外にも注意しておきたい点があると説明しました。

主なポイントは、次の2つです。

  • 外貨預金は預金保険制度の保護対象外で、銀行が破綻した場合は円預金とは扱いが異なる
  • 利息は原則として源泉分離課税となり、円に戻したことで生じた為替差益は、原則として雑所得になる

為替差益が出た場合は、確定申告が必要になることもあります。

たとえば、1か所から給与を受け取って年末調整を済ませている人で、給与収入が2,000万円以下の場合、給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。

また、20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。

「増えたらそれで終わりではなく、税金のことも考えないといけないのですね」

Aさんは、外貨預金には金利や為替だけでなく、預金保険や税金についても確認が必要だと知りました。

金利ではなく、円に戻したときの手取りで比べる

外貨預金を検討するときは、少なくとも次の点を確認しておきましょう。

  • 為替手数料は往復でいくらかかるのか
  • 満期後は円に戻すのか、外貨のまま持つのか
  • 円に戻すときに今より円高になっていたら、いくら受け取れるのか

Aさんは、満期を迎えた米ドルを、そのまま外貨で持つことにしました。すぐに使う予定のないお金だったためです。

外貨預金で大切なのは、表示された金利だけで判断しないことです。

為替手数料や為替レートの変動まで含め、最終的に円に戻したとき、手元にいくら残るのかを確認してから判断しましょう。円高になった場合も含めて、預ける前にいくつかのケースを試算しておくと安心です。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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