1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「30年早く知りたかった…」医療保険に月2万円を払い続ける50代夫婦、保険の見直しへ行くと…FPの一言に“思わず固まったワケ”

「30年早く知りたかった…」医療保険に月2万円を払い続ける50代夫婦、保険の見直しへ行くと…FPの一言に“思わず固まったワケ”

  • 2026.10.4
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPで医療保険の見直し相談を数多く受けてきた柴田です。

今日は、保険の話なのに「新しく入る」のではなく「知るだけで守られていた」というお話です。

ご主人の健康保険組合に眠っていた仕組みに絶句した、50代のAさんのお話です。

「入院したら大変」と手厚くしてきた医療保険

Aさん(50代女性)は心配性で、医療保険を何度も手厚くしてきました。

入院日額を上げ、特約を足し、保険料は夫婦で月2万円近く。更新の案内が届き、「これからさらに上がります」と書かれていたのをきっかけに、見直しの相談に来られました。

私がまず確認したのは、保険証の発行元です。ご主人の勤め先は大手企業で、保険証には健康保険組合の名前がありました。組合のサイトを一緒に開いて「付加給付」のページを見せると、そこにはこう書かれていました。『1人・1か月・1医療機関の自己負担が一定額(Aさんのご主人の組合では2万円)を超えた場合、超えた分は「一部負担還元金」として払い戻します』。

つまり、どれだけ大きな手術や入院をしても、1か月の医療費の自己負担は実質2万円程度で頭打ちだったのです。「じゃあ、私が積み上げてきた入院保障は……」と、Aさんは画面の前で固まっていました。

高額療養費の、さらに一段先にある「付加給付」

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

制度を整理します。

公的医療保険にはまず高額療養費制度があり、医療費の自己負担には月ごとの上限があります。一般的な所得なら月8万〜9万円台です(2026年8月から上限額の段階的な引き上げが始まっています)。ここまでは知っている方も増えました。この上限は本人だけでなく、扶養に入っている家族の医療費にも適用されます。

その一段先にあるのが、健康保険組合独自の「付加給付」です。組合によっては、高額療養費の上限よりはるかに低い月2万〜2万5,000円程度を実質的な上限にしてくれます。多くの場合、申請しなくても自動的に計算され、数か月後に振り込まれる仕組みです。

Aさんのご主人の過去の入院でも、実は還元金が給与口座に振り込まれていました。「あれ、何のお金だろうと思っていました」とAさん。筆者は内心「そのときに気付いていれば…」と思いましたが、本人は気付かないまま守られていたわけです。

ただし注意点が2つあります。

付加給付の有無も金額も組合によって違うため、確認は必須です。保険証の発行元の組合サイトで「付加給付」「一部負担還元金」と探すだけでわかります。そして、退職して国民健康保険や協会けんぽに移ると、この仕組みはなくなります。「今の保障」と「退職後の保障」は分けて考える必要があります。

医療保険を考える正しい順番

民間の医療保険を検討する際には、

  1. 高額療養費などの公的保障
  2. 勤務先の付加給付
  3. 自分の貯蓄

を把握します。

ここまでで足りない分だけ民間保険でカバーする、という順番を心がけましょう。この順番を逆にして保険から入ると、すでに守られている部分に二重にお金を払うことになります。

ただし「保険ゼロが正解」でもありません。差額ベッド代や先進医療の技術料など、付加給付でもカバーされない費用はありますし、退職後の保障をどうするかという論点も残ります。守られている範囲を知ったうえで、足りない部分だけを保険で埋める。

Aさんはこの考え方で保障を整理して保険料を月4,000円台まで下げ、「30年早く知りたかった」と笑っていました。

まとめ

医療保険の見直しは、保険のパンフレットではなく、自身の保険証から始めてください。発行元が健康保険組合なら、サイトで「付加給付」を検索する。5分で終わるこの作業が、月数千円の保険料を浮かせるかもしれません。

大企業に勤務している方や公務員の方は、実は手厚い安心をもう持っているかもしれないのです。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1500記事以上の執筆実績あり。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ