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定年後、給料が“月12万”減った60歳男性→「雇用保険で15%くらいもらえる」はずが…FPから受けた指摘に「本当に驚きました」

  • 2026.10.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

60歳で定年を迎えたあとも、再雇用で働き続ける人は少なくありません。ただ、再雇用を機に給料が大きく下がることもあります。

そんなとき、「給料が下がっても、雇用保険から15%くらい補ってもらえる」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

実は、高年齢雇用継続給付は2025年4月から支給率が変更されています。2025年4月1日以降に受給資格を満たした人は、最大支給率が従来の15%から10%に下がっています。

たとえば、月30万円だった賃金が18万円になった場合、15%なら2万7,000円ですが、新しい仕組みでは一定の条件で1万8,000円です。

昔聞いた金額をそのまま使っていると、定年後の家計に思わぬズレが出ることがあります。

「18万円の15%なら2万7,000円」先輩の話を信じていた60歳男性

2026年春に60歳を迎えた会社員のTさん(仮名)は、定年後も同じ会社で再雇用されることになりました。

定年前の賃金は月30万円ほどでしたが、再雇用後は月18万円になる予定です。毎月12万円の減少で、月々の賃金だけを比べれば年間144万円の差になります。

それでもTさんは、そこまで心配していませんでした。

数年前に定年を迎えた先輩から、「60歳を過ぎて給料が大きく下がれば、雇用保険から15%くらいもらえる」と聞いていたからです。

「18万円の15%なら2万7,000円。給料と合わせれば月20万7,000円くらいになる」

Tさんはそう計算していました。

住宅ローンもすでに完済しています。「毎月2万7,000円ほど給付があれば、65歳までの貯金の取り崩しも抑えられそうだ」と考えていたのです。

「実際は1万8,000円」想定より月9,000円少なかった

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ところが再雇用後、Tさんが家計についてFPに相談したときのことです。

「給付も月2万7,000円くらいありますよね」

そう確認すると、制度が変わっていることを知りました。

2025年4月1日以降に受給資格を満たした人は、高年齢雇用継続給付の最大支給率が10%です。

Tさんは、60歳時点の賃金月額30万円に対して、再雇用後は18万円。つまり、元の60%まで下がっています。

一定の条件を満たした場合、給付額は

18万円×10%=1万8,000円

となります。

想定していた2万7,000円との差は月9,000円。1年間なら10万8,000円、仮に同じ差が60か月(5年)続けば54万円です。

「2万7,000円くらいあると思っていたので本当に驚きました」

月9,000円でも、数年続けば定年後の家計にとって小さくない差になります。

※実際の支給額や支給期間は、毎月の賃金や支給要件などによって異なります。また、給与からは税金や社会保険料などが差し引かれるため、実際の手取り額とは異なります。

給料が下がっても「必ず10%」ではない

「高年齢雇用継続基本給付金」は、基本手当などを受給せず60歳以降も働き続け、賃金が60歳時点などと比べて75%未満まで下がった人などを対象とする制度です。

原則として、60歳以上65歳未満の雇用保険の一般被保険者で、被保険者だった期間が5年以上あることなどが条件となります。

2025年4月1日以降に受給資格を満たした人は、賃金が60歳時点などの64%以下まで下がると、現在の賃金の10%が支給されます。

一方、64%を超えて75%未満の場合は、一律10%ではありません。賃金の低下率に応じて支給率が10%未満に調整され、75%に近づくほど支給率は低くなります。

たとえば60歳時点の賃金が30万円なら、18万円まで下がった場合は低下率60%のため、1万8,000円が支給されます。一方、20万円では低下率が約66.67%となるため、支給率は約7.27%となり、支給額は1万4,540円です。26万円では元の約87%となるため、支給されません。

つまり、「給料が下がれば10%もらえる」のではありません。ポイントは、60歳時点などと比べて賃金がどこまで下がったかです。

なお、基準となる60歳時点の賃金月額は、原則として60歳になる前6か月間の賃金をもとに計算されます。

定年後の収入は「昔聞いた金額」で考えない

Tさんが勘違いした理由は、数年前に定年を迎えた先輩と、自分も同じ金額をもらえると思っていたことです。

2025年3月31日以前に受給資格を満たした人は最大15%、2025年4月1日以降に受給資格を満たした人は最大10%です。

そのため、同じ会社で働き、再雇用後の賃金が同じ18万円でも、受給資格を満たした時期によって給付額が変わる場合があります。

定年後の家計を考えるときは、「先輩はいくらもらっていたか」ではなく、「自分はいくら受け取れるのか」を確認することが大切です。

さらに、実際に手元に残る金額には、年金や税金、社会保険料も関係します。再雇用前に、給料と給付を合わせてどのくらいの収入になり、そこから毎月いくら残るのかまで確認しておくと、定年後の家計を考えやすくなります。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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